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Flag of Rebellion  作者: クロウ
第2章 first order
11/25

模擬戦

「さて...じゃぁテストを始めるぞ。だがその前に一つだけ。」

「?なんですか神島さん。」

「いやなに面倒な役回りを押し付ける形になってしまってすまなかったな。」

「まぁスパイになるって決めた時から面倒な役回りばっかりになるのは分かりきってたことですから。自分から引き受けた役割はしっかりやり遂げますよ。」

「本当にお前がいて助かるよ。うちにお前ほど適任はいないからな...。」

「うちで1番ステルスに向いてる空もスパイとなると向いてないですからね。まぁそんなことは置いといてさっさとやりましょうよ。あまり遅くなる訳にも行かないですしそれに久しぶりだから少しワクワクしてるんですよ。」

そう言うと腰から下げていたM9を元にして魔法の利用により改造したM9mcマジックカスタムと刃の反対側には上と横方向に口を開けた筒が付き、柄にはトリガーのついた片刃の剣、最も近い武器だとガンブレードになるであろう得物を抜いて構える。挿絵(By みてみん)

「そうだな時間は有限だからな。」

そう言って神島さんも同じように得物を構える。神島さんの得物は刀で名を「喜雨」。神島さんが持つにふさわしい名刀である。

「最後に1つだ。勝利条件は簡単だ。1発攻撃を当てろ。他にルールはなしだ。こっちも当てに行くがもちろん身体強化魔法と魔法装甲は同時展開できるように鍛えてるだろうな?」

「もちろん。これでも軍で鍛えられてますし自主的なトレーニングもサボってませんから。」

「それならいい。では初めの合図はこれが落ちてきたらだ。」

そう言ってどこからか取り出した石を上に放り投げた。

訓練場は直方体の空間になっていて底辺は一辺が50mの正方形、高さは10mとかなり広い。その空間の高さギリギリまで上がってから石は落ちてくる。落ち始める時には既に能力を解放し、石はあくびが出そうなほどゆっくりと落ちてくる。神島さんは刀を構えリラックスした構えで石が落ちてくるのを待っている。

石が落ちると同時に俺は左手のM9mcの引き金を絞る。こいつは射出機構を完全に魔法制御に置き換えることで本来の弾速より速く、本来の反動より軽く扱うことができる。しかもかなり無茶な使い方をしてもジャムらない。非常に扱いやすいものだ。俺はそれに込められた弾を全て石が落ちると同時に神島さんに撃ち込む。フルオートライフルに等しいレートで寸分違わず銃弾は神島さんの体へと向かって飛んでいく。強化されたM9mcの弾丸は軍の一般兵士など発射されたと知覚する間もなく被弾するほどの速さまで加速されているが...

神島さんは一歩も動くことなく右手の刀1本で全てを軽々と撃ち落とす。予測こそしていたもののいつ見ても凄まじい身体能力だ。だがもちろんこの程度の攻撃で勝てるなど思っているほどほれも甘くない。撃ち切ると同時に神島さんの前まで間合いを詰める。それと同時にM9mcをリロードする。そして右手のブレードを神島さんに振り下ろす。その時に横向きに口を開けた筒に魔力を通すことで筒の中で爆発を起こしスピードをブーストする。それにより刃は弾丸よりもさらに速く振り下ろされるが弾丸を弾いてから一瞬たりとも間が空いていないのに軽々神島さんはそれをいなす。それで斬撃をやめることなくしばらく俺は刃での攻撃を続ける。神島さんは涼しい顔でそれをいなす。

「さすが、ですね!」

「もちろんまだまだこれからだろ?」

神島さんの顔はニヤリと笑った。

「もちろん!」

負けじと俺もニヤリと笑い返す。それと同時に神島さんに剣先を向け上に向かって口を開けている筒に魔力を通し神島さんの顔に爆風を浴びせると同時に距離を取る。神島さんは少し体をひねって爆風を回避していた。

少し距離を取ったところで唯一使える属性魔法の地属性魔法を展開する。

「浮石!」

浮石はその名の通りただ空間に岩を生み出し宙に浮かせるだけだがそれで十分!俺は地面を蹴り岩を足場にさっきまでの平面移動とは違い立体移動を行う。今までの単調な攻撃とは違い巧みに足場を利用することで高速であらゆる方向から神島さんに銃撃を浴びせる。

「ほう。かなり動きを研究してるな。緩急や岩の後ろに隠れる瞬間、方向転換を上手く取り入れることで相手の視界から外れる動き。目で捉えるのは困難だな。」

「よく言いますよさっきから難なく打ち落としてるくせに。」

「なに視覚に頼りきりなら追い切れないさ。視覚だけならな。」

その言葉が聞こえたあと岩の裏に入り一瞬神島さんが視界から消えた。その後岩を出て今まで移動しなかった神島さんを見ると...目の前にいた。刀の間合いに既に入れられていた。わずか一瞬、瞬きよりも短い時間で神島さんはおよそ5mほどの距離を正確にこちらに向かって移動してきた。

「ッ!?」

神島さんはニヤリと笑ったあと刀を一直線に振り下ろした。必死に体をひねり、ガンブレードの反動も使ってなんとか回避しまた距離を取る。幸い神島さんはそのまま詰めてくることはしてこなかった。

「ハァハァハァハァ...魔力探知...ですか...。」

「よく分かったな。」

「そりゃぁ自分から視覚ではないって言ってましたし、聴覚は戦闘中に頼るには音速じゃ遅すぎますから。」

音速では遅すぎる。それは純粋に「行動によって起こされた音が聞こえる時には既に全く別の行動を起こしている。だから一つ前の音を聞いたところで意味は無い。」ただそれだけの意味だ。俺が身体強化魔法をかけた時の速度はだいたい音速の半分くらいだ。つまり音を起こしてから相手との距離の半分以下の距離で音を起こした場合、相手にはまだ音を一個前の音までしか聞こえない。ちなみに身体強化魔法をかけた時平均して音速の3分の1ほどの速さまで加速することができるようになると言われている。しかし、実際はそれ以下のものが大半、それを大幅に超えるものが少しというのが身体強化魔法だ。例えば神島さんの身体強化魔法は全く別の魔法なんじゃないかと疑う程には速い。この差は練度による差が大きい。俺だって努力を続けてようやく音速の半分。神島さんはさっきの動きから見て身体強化魔法単体で音速を超えているだろう。実際音はあとから聞こえたからな...。

「さて、じゃぁ魔力探知とわかった所でどう対処する?」

ガン!声色を一切変えずに死角から突然飛んできた弾丸を神島さんは弾く。

「跳弾させてタイミングを遅らせて相手の死角から撃ち込むのは上手いがこの程度じゃ通じないぞ。」

「どさくさに紛れて隠しておいた弾丸もダメですか。凄まじい精度の魔力探知ですね。銃弾ほど小さいものまで正確に探知するとは。」

「なんだ?もうおしまいか?」

「まさかまだですよ。まだ隠し球があるのでね!」

そう言って能力を2.5倍から3倍まで引き上げる。そして、ここまで来てようやく解放できる限界を解除する...。

To be continuous...


どうもクロウです( 'ω')今回は比較的早めに投稿できた...かな?今回から今作初の戦闘描写に入りました!...えっなに?他にも過去編でやっただろって?いやあれはかなり短くして軽く書いた感じなんで本格的に入ったのは初です!これからもこんな感じで戦闘描写していくつもりなのでどう思ったか感想いただけると嬉しいです!ちなみにですが大地が音速の半分のスピードということですがもちろんガンブレードのブーストがあればもうちょっとはやくなりますよ( 'ω')神島の方のスピードは...まぁストーリーで明記されたらにしましょうか。


あとからイメージ画を挿絵として入れてみました。絵心ないので上手くはないですがなんとなくイメージが付きやすくなればなぁってことで。いやぁ下手で申し訳ない。(しかもアナログ...)

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