表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

『自分らしく』

作者: 詩織




神さまが地球をお創りになった時


まず海をお創りになりました。


そして、海がきらきらとゆらめくと


ちいさな魚が「ぽちゃん」と生まれました。





つぎに、神さまは大地と山を創られ


そこに住まうヒトをお作りになりました。


海は人々の暮らしを支え


人々が作り出す美しいきぼうは、


赤々と心を照らしました。





海には、港ができ


人々の暮らしも海から


どこか知らない国へと出かけてゆきます。




神さまがお気づきになると


街には異国の言葉や人々がひしめきあい


たくさんの人々が混ざり合っていました。


そして、


つぎつぎと訪れる出会いや発見が


神さまにも”しあわせ”をくれました。





こうして地球は生まれ


ただ海が見渡せるだけじゃなく


空が広いだけでもない。


なにもかもが生まれる前の




そんなおはなし。

















むかし鳥たちには色がありませんでした、


ツルもハトもカラスもスズメも、


みんな、みんな真っ白でした。




神さまはいろいろな物を作るのに忙しくて


色を塗るのを後回しにしたのです。


そのおかげで、


地上では、たいへんな不都合が起きていました。




たとえば、


神さまが粘土をこねてる途中で、

「ヘックション!」とくしゃみをして

ポロリと指のあいだから

粘土が海に落ちてできた

指のへこみのような国では、

農家の爺さんたちの苦情が聞こえてきます。



「平吉どん、オラの畑に真っ白い鳥が悪さに来るんだぁ」


「あゝ、清どんオラんもだぁ」


「真っ白くてバッサバッサ飛んでくるんだぁ」


「んだ、んだ、飛んでくるんだぁ」


「んで、こぉ、チョンチョンてぇ~

蒔いたばっかのタネ食うんだべぇ?」


「んだ、んだ、食うんだぁ~」


「んで、くちばしがこぉ長くて」


「ぅんにゃ~、おらが見たんは短かったけんど」


「んだども、真っ白くて足がなげぇべ?」


「ぅんにゃ、ぅんにゃ/////」


「真っ白くてぇ~細くてぇ、~」


「飛ぶんだべぇ~」


「んじゃ、同じやつだんべぇ」


「うーん、そっかなぁー」


「そうだんべぇ?」


「真っ白いのだべぇ?おんなじだぁ~」


「うーん、そうだんべかぁ?」






色がない白い鳥たちは


自分が悪さに行っていないのに


みーんなおんなじ色だから


ヒトには、みーんな

おんなじに見えるんだと思いました。



ヒトは自分たちの食べ物を守るために

[ワナ]を仕掛けました。



なにも知らない[トリ]たちは、

知らずに[ワナ]にかかり

1羽、また1羽と

[ヒト]に捕まってしまいました。





困った[トリ]たちは神さまにお願いをしました。




「神さま、神さま僕たちにも」

「私たちにも、動物さんたちみたいな」

「きれいな色を、」

「可愛い模様の、」

「色をください。」と、




『確かに、[トリ]たちのいう事ももっともだ。』


と思った神さまは地球上の[トリ]たちに

おふれを出しました。



✲゜。..。₀:*゜✲゜*:₀。


12月24にちようび


『トリたちの色を決めます。』


ペンキはたくさんありますが、


やっぱり数には限りがありますので、


お早目にお越しください。



〈神さまより〉


     ✲゜。..。₀:*゜✲゜*:₀。




こうして集まった[トリ]たちは、


神さま印の魔法のペンキで


思い思いの色を塗ってもらいました。



すずめは、ヒトのそばで暮らしていましたから

地面の色に近い茶色に、



ツルは、遠くまで旅をするときに夫婦で

迷子にならないように頭に赤い印をもらいました。



ハトは、空を飛ぶのを仕事にしてましたから

雲に近い灰色や白をもらいました。




「みんな、もうもらってない子はいないかな?」


「「はあい、はあい」」


「「ありがとうございましたーーー。」」


「「「神さまぁ~」」」



「よかった、よかった、じゃあ元気でね~」


と、神さまは満足げに帰ってゆきました。








そこへ、カラスくんが来ました。


カラスくんは畑にイタズラに行っていて

遅刻してしまったのです。



カラスは焦りました、



(´・ω・)みんなキレイだな~



でも 神さまは帰ってしまったので

カラスは神さまが置いていった

ペンキを自分で塗るしかありませんでした。





(´・ω・)何色にしよカァ~



そだね~(・ω・`)



(´・ω・)何色がきれいカァ~



そだね~(・ω・`)



(´・ω・)みんな塗ってみるカァ~



そだね~(・ω・`)





「赤ペタペタ、青ペタペタ♪」

「黄色ペタペタ」「ピンクペタペタ♪」

「水色ペタペタ、」「白ペタペタ……」




カラスは知らなかったのです、

絵の具がみんな混ざると

真っ黒になることを…


そして神さま印のペンキは

一度 塗ってしまったら

色がぜったい落ちないことを、



(´・ω・)、、、、、

どうしよう~



そだね~(・ω・`)



(´・ω・)、、、、、

どうすんだよぉ~



そだね~(・ω・`)



「カァ~、カァ~、カァ~(泣))))」

「カァ~、カァ~、カァ~(泣))))」

「カァ~、カァ~、カァ~(泣))))」




「なに泣いてるの?カラスさん」

とハトが聞きました。



「だって真っ黒になっちゃったんだ~」



「みっともないカァ~」



「そんなことないよ、キレイだよ?」



「 ウソだ~、キミはきれいな色をもらったから」



「そんなことないよ、よーく見てごらんよ。」





カラスの真っ黒な艶やかなからだは


お日さまの光を浴びるとますます


虹色にピカピカ光りました。





(*´∀`*)キレイだよ~♪



(´・ω・)ほんとかな~






(*´∀`*)キレイだよ~♪



(´・ω・)ほんとカァ~な、





(*´∀`*)君たちが一番キレイだよ~♪




創世記とはことなる文言が多々御座いますが、


神さまをおちょくった作品ではなく


他意はございませんのでご了承ください。


(フィックションです。)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 鳥の色を染めるという昔話は、宮沢賢治も再話という形で書いていますね。 森ノ宮さんの話は、カラスを励ますハト、励まされるカラス、どちらも優しいのが好きです。
[良い点] いっつも思うのですが、前書きのクオリティが何時も本文だと間違うほど高いこと [一言] 素敵な物語でしたね。 カラスさん可愛いです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ