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出会い編
8/20

7話 帽子2

 15時20分 


「す、寒っ。」


 授業終わり、そそくさと校舎を出る。校舎の中は程よく暖かいというのに、この気温差に身震いする忘太郎。朝早いから気づかないが、あたりを見渡すと、カッターシャツの上にカーディガンやセーターを着て制服の上着を羽織る生徒も何人かいた。


 と、その生徒たちは皆一点を見つめていた。


ーーそうか。


 覚えている。その白いつば広帽子、長い艶がある黒髪、その後ろ姿、自分のことを、過去を知っている……彼女。


ーーと、彼女はこちらに振り返る。と、途端に笑みを浮かべ、彼女は名を呼んだ。


「忘太郎。」


 そういって、彼女は忘太郎に近づいてきた。そして、忘太郎の右手を掴む。


「冷たっ、て、何するんだよ。」


「もう、早く行こうよ。」


そういって彼女は手を引っ張り校門を抜ける。周囲からのざわめき。これを知られたら理事長に何言われるのだろうか。




 15時30分 


 彼女に手を引っ張られたまま数分歩く。ただでさえ、手を繋いでいる相手は整った容姿をした女の子というのもあり、周囲からの注目を感じ、同時に一部から向けられる視線が痛い。


「なぁ、どこに行くんだよ。」


「もうちょっとだから。」


忘太郎が聞くと、こちらをちらりと見て笑みを見せ、すぐに前を向く。


「なら今のうちに教えてくれないか。」


「何を?」


それはそうだ。見ず知らずの女の子に手を引っ張られていて、しかも彼女は忘太郎自身のことを知っているというのだ。今のうちに聞けることは聞いておきたい。


「まず、名前は?」


「名前、名前は……(めぐみ)。」


「ーー恵さん……ね。」


「恵でいいよ。」


「恵……まぁいいや、それもよりも、一番聞きたかったんだけど、君……とぉうっ。」


「あうっ」


 恵は突然足を止める。と言ってもこちらが予期しているはずもなく、そのまま彼女にぶつかってしまう。


「あ、ごめん。」


「あぁ、いいよいいよ。それよりも、目的地到着!」


と、彼女は右手に指をさす。そこは……


「へ……てここ家じゃん……!!」


驚嘆してつい大きな声をあげて返す。家が近いというのも考えものだ。



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