全国出場をかけて
家でゴロゴロしてるとババアが仕事から帰って来た。
「花音、愛菜が優秀賞貰ったから今日の晩ご飯はお寿司食べに行くよ」
「やだ」
「じゃあ今日の晩ご飯ナシね」
「うん。いいよ」
愛菜ばっかり優先してマジでムカつく。
2人がいない間は勉強したりスマホいじったりしてた。
2時間くらい経つと2人が帰ってきた。
「花音」
うっせーな。なんなんだよ
ババアのところに行った。
「あんたまだ風呂入ってないの!?」
「なんか悪い?」
「座って」
めんどくさいババアだ。
「今日の大会の結果は?」
「100m走とリレー1位で全国出場決定」
「あんたが全国!?」
いちいち反応がうるさい。
「だけど。何?」
「全国は行くな。全国では戦えないレベルだから。」
「何でよ!いいじゃん!」
「申込書もらったらちゃんと見せてね」
自己中なんだよ。クソババア。
翌日からは全国大会に出場する人だけの練習になった。
全国大会に出場するのは自分とリレーメンバーの杏奈と自分と橋本さんと山田だと5年のジャベリックボール投げの田中知里ちゃんだ。
今日もいつも通り本番に向けて練習をしてた。
全国出場が決まってから練習はキツくなってるけど記録は良くなってる。
「練習終わりー!集合してー」
北平先生の声がしたので集合した。
「この申込書を今から配るので、出来るだけ早くおうちの人に必要事項を記入して私の方に持ってきてください」
最悪。申込書。
帰る準備をしてた。家に帰れないよ……。
「おーい。花音ー。テンション低いぞ!」
杏奈がめっちゃ高いテンションでそう言ってきた。
「杏奈……全国大会出れなかったらごめんね……」
「えっ!?なんで?」
「親に全国では戦えない。だから出るな。って言われた」
杏奈のテンションが急に下がり、表情も暗くなった。
「えっ……まじ?」
「うん。自分は出たいけど親が……」
他のメンバーも聞いてたらしく話に入ってきた。
「花音ちゃん、お母さんにもう一回お願いしてみて!」
「伊川さんいないと無理だよ!」
初めて自分が期待されてるって実感して嬉しくなった。
北平先生が申込書を配った。
自分の表情が死んだ。
「みんな大会出れる?」
北平先生が言った。……どうしよ。
「出れるかな……」
小さい声でそう言ったら北平先生が
「伊川さん出れないのー!?」
すごい顔で北平先生に言われた。
「親に全国で戦えるレベルじゃない。出るなって言われて……」
「えーっ!?伊川さんリレーの大事なメンバーだし、速いのにー!!」
「そんなことないですけど……」
やっぱ親を説得できないよな。
「花音ー」
杏奈が悲しそうに言ってる。
「伊川さん、お母さんにもう一度話し合ってもらっていい?」
「はい」
絶対ムリだよ……。絶望的だ。
家に帰って親が帰ってくるのを待つ。
なかなか帰ってこないので風呂に入って宿題をしてた。
8:30くらいになった。親が帰ってきた。
「ただいまー」
なんでそんな感じで帰ってこれるんだよ。
「ねえ、お願いだから全国大会出させて!」
「なんで?」
「せっかくだから出たいんだよ!」
「だから?全国レベルじゃないのに出れるわけないじゃん」
あまりの悔しさに泣きながら自分の部屋に行ってスマホをいじってた。
(次の日)
放課後の練習が終わった。みんな北平先生に申込書を渡してた。
「そーいえば花音、どうだった?」
「ムリだった……。出れないと思う……。」
出たいのに。あのババアめ。
「伊川さんむりだったの!?」
「ムリでした……」
今日も悲しさでいっぱいになって帰った。
今日は帰ったら親がいた。
「本当に全国行かせて!」
「だからムリって言ってるでしょ!」
「うざっ」
私はそう言って親に本を投げつけて自分の部屋に行った。
なんで行かせてくれないんだよ。うざい。
6:30。晩ご飯を食べてた。
電話が鳴って親がでた。
「はい。伊川です。」
誰からの電話だろ?
「はい。そうなんですか!?」
何の会話だよ。
「先生が言うのであれば考えておきます。」
先生?どの先生だよ。
電話が終わった。
「花音、さっき北平先生から電話あって出てほしいって言われたから出させてあげる」
「まじで?やったー!」
喜んでいると
「でも個人競技で予選突破しなかったらスマホ1カ月禁止ね。」
はぁ!?全国出れるだけマシだと思えよ!
次の日の朝、北平先生に会ったので申込書を渡した。
「よかったー!全国頑張ってね」
「はい!ありがとうございます!」
読んでいただきありがとうございます!
おかしいところがあると思いますが気にしないでください!