県大会
学校に到着した。
バスから降りると川崎先生がいた。
「みんなお疲れ!」
「先生ー、疲れたー」
杏奈はメッチャ疲れてる。
「大会どうだった?」
「リレー、県大会出場です!」
川崎先生は嬉しそうな顔をした。
「すごいじゃん!県大会まで練習頑張って!」
「はーい」
みんなお迎えが来てる。自分の親は来てない。クソー、ババアめ。
「伊川さんはお迎え来ないの?」
「うん」
優里ちゃんが言った。
「花音ちゃん迎え来ないなら送っていこうか?」
「大丈夫!」
みんなが帰ったので自分も帰る。
「伊川バイバイ。気をつけて帰ってねー」
「さよならー」
(2週間後)
放課後は県大会に向けて練習をしている。
県大会は今週末だ。
今日は本番前の最後の計測。
100mのタイムは13.25。前より速くなってる。
リレーのタイムは57.23。練習の成果が出てきている。
(2日後)
明日はいよいよ県大会。本番前最後の練習。
でもなんだか頭がクラクラして汗がやばい。さっき体育で動きすぎただけだ。そう信じよう(笑)
「花音、汗やばいよー、大丈夫?」
「あっ。うん。暑いだけー」
100m最後の一本を走り終えたときだった。
視界が真っ暗になってそのまま倒れてしまった。
「おーい!花音ー!」
声に気づいて目が覚めた。
「大丈夫?」
「うん」
川崎先生が来た。
「伊川さん大丈夫?」
「うん」
「汗すごいよ。熱中症じゃない?」
「多分熱中症です」
最後の挨拶。北平先生が明日のことについて話した。
「明日は8:00までに競技場に各自で集合してください。」
「はい」
「今年は県の大会でいい記録を出すことができたら全国大会に出場できるそうなので頑張ってください!」
「はい」
荷物置き場に行って帰る準備をしてた。北平先生が来た。
「伊川さん大丈夫?」
「大丈夫です」
「明日の大会出れる?」
「出れます」
「もし無理だったら休んでいいからね」
「あっ。大丈夫なので行きます!」
明日の大会のために今日はしっかり寝よう。
(帰宅後)
うわー。ババア帰ってきてるし。最悪。
「花音、明日の大会競技場まで電車で行ってね」
はぁ!?意味わかんない。
「何で?送ってよ」
「送れるわけないでしょ」
「じゃあ仕事何時からなんだよ!」
ババアの声を聞くたびに腹が立つ。
「仕事は10:00から。でも愛菜のピアノの発表会送っていかないといけないから」
「いっつも、愛菜のことばっか優先してマジムカつくわ。だったら私のこと産まなかったらよかったじゃん!」
ババアにそう言って椅子を蹴り倒して自分の部屋に直行。
(翌日)
起きた瞬間、頭痛やめまいに襲われた。今日は大会だし無理してでも行こう。そう思って電車で競技場まで行った。
「花音おはようー!」
「おはよー」
「今日がんばろっ!……てか顔色悪くない?」
「あっ。いや。気にすんな」
笑って誤魔化した。
大会が始まり最初は100m走。
予選を突破し、決勝へ進む。
決勝では自己ベストの13.09で1位になることができた。
競技が進んでいき次は優里ちゃんが出場する走高跳。
優里ちゃんの結果は128cmで3位。
次は理絵ちゃんが出場する走幅跳。
理絵ちゃんの結果は4m13cmで7位。
最後は4×100mリレー。
練習では前回の大会よりも上手く走れるようになったので頑張りたい!
予選では57.15で決勝進出が決まった。
そしていよいよ決勝!
「よーい。ドン!」
その合図と同時に杏奈が走る。トップは杏奈と優勝候補の学校。
優勝候補の学校が杏奈を抜こうとしたら杏奈にぶつかってしまった。
杏奈は転倒したけどすぐに走ってバトンを渡した。
杏奈が遅れた分、抜き返そうと頑張ったけど2位のままバトンパスを迎えた。
最後まで2位のままゴールした。
ショックで泣きそうになったときだった。
相手は失格で1位は自分たちのものに。相手には申し訳ないけど今度は嬉しくて泣いてしまった。
閉会式。ここで全国大会に出場可能な人を発表する。
「100m走、◇◇小学校。伊川花音」
えっ!?
一瞬自分が夢でも見てるのかって疑ったけど現実だった。
そして感動は終わらなかった。
「4×100mリレー、◇◇小学校」
家に帰ると愛菜がいた。
「お姉ちゃん、あのね、愛菜ね優秀賞もらったよ!」
「へー。すごいねー。(棒)」
ぶりっ子の愛菜は本当に気持ち悪い。