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第7話

栗山が避けた火の玉をラスタンも右に避け、栗山へ加勢する。

短剣を素早く繰り出してくる男の攻撃を棒で阻止しながら男の腹へと棒を押し付けた。

剣の柄で短剣を持っている男の腕を思いっきり殴ると男の手から短剣がするりと落ち、男は後ずさる。

硬化の魔法がかかっていない事を確認出来たラスタンは逃がさず鉄棒で腹を突き、男を地面へ倒す。

魔法を使うのは1人ではない気がして、ラスタンは必死にあたりを伺う。

そのまま敵を倒しながら奥へと進んで行く栗山は、更に奥の突き当たりにいかにも怪しそうな大きな扉を見つけた。


しかしその扉の前にまた複数の敵が立ちふさがる。

しかも武器も持っている者がいれば魔法を使う奴等もいる。水系統に雷系統の魔法。これは骨が折れそうだ。

(ラスタンの援護をする暇は無さそうだ!)

その奥にある扉の先を見る為、栗山はまず武器を持っている男が踊りかかって来た所に反撃。その男の身体を持ち上げて魔法を使う連中に投げつけ、その隙に攻撃をして行くのであった。


魔力は体ひとつでは限界がある事をラスタンは知っている。

その為魔力を蓄える事が出来る鉱石を、腕輪やピアスなどのアクセサリーとして身に付けている人物を男達の中から探した。

栗山が倒した男達から魔法が使えないように鉱石の付いたチョーカーや腕輪をもぎ取って鉄棒で叩き割り、栗山めがけて雷撃を繰り出す男へとラスタンは駆け寄る。鉄棒で首を思い切り叩きつけて、倒れた男の指輪を奪い取って足で踏みつけて粉砕した。

栗山へと魔法を使う男達を標的に、ラスタンはとにかく曲がった鉄棒を無我夢中に振り回した。


ラスタンが奮戦してくれるおかげで、敵の攻撃が分散する。なのでその隙を突き、まずは自分を狙う敵を栗山は潰す。

次にラスタンを狙う敵を少しずつ潰す。良く見てみると敵の身体についている石を潰している様だ。

(もしかして、あれが魔法の原因か?)

そうとしか考えられないと見当をつけたが、栗山は栗山なりの一気に潰す戦い方をするしか無かった。


最後であろう魔法使いの頭を鉄棒で殴り、倒れた魔法使いのつけている腕輪をそのまま棒で叩き割った。

剣ではない武器をがむしゃらに振り回していたおかげで、体中から汗が噴き出ているのを感じていた。

息を整えながら、栗山が最後の敵を倒すのをじっと見つめる。 扉の先にはきっとあの4人が待ち構えているに違いない。

きっと魔法を使う人間もその中にいるだろうとラスタンは奥歯をかみ締める。


最後の敵を倒した栗山は、ラスタンの戦いも終わった事を確認して話しかける。

「そっちも片付いた様だな・・・・・」

そう言って、目の前にある大きな扉のそばの壁に張り付いて中の様子に耳を傾ける。

どうやら何人かの敵がまだ残っているらしい。

「・・・準備は良いか?」

「ええ、行きましょう。」

栗山の隣へ並び、2人で大きな扉を押し開ける。 奥へ長細く伸びた長方形のような広い建物の中に、あの時の女の子をさらおうとした4人がこちらへ体を向けていた。時化ってかび臭い匂いが鼻につく中、ラスタンは彼等の瞳に薄い紫色が混じっている事に気付いた。

ラスタンの予想通り、男2人は腕輪と首飾りの両方を身につけていた。


(あっ・・・)

栗山は部屋の中に居る敵が、あの時自分がやられた4人組である事に気がつく。

こうなってしまった以上、やる事は1つ。

戦うしか無いと言う事だった。

それはどうやら相手も同じだった様で、4人組の内の1人がまず槍を構えて向かって来た!


ラスタンは栗山と離れ、後方から手の平を上に向けて氷のつぶてを練成している、青髪の男へと駆けていく。

遠距離から戦いの邪魔をされるのは厄介だし、この廃墟のボス感をかもしだしているなら尚更早めに倒しておかなければならない。

青髪の男へ駆けていく最中ラスタンの脇腹に熱いものが当たり、その威力でラスタンは右方へと吹っ飛んだ。

立ち上がって脇腹を見ると服が焼け焦げていた。 ラスタンは威力の高い火球を飛ばしてきた、赤髪の男を睨みつける。


栗山はまず槍を相手に突き出させる。その槍を上手く手で弾きつつ、身体を反転させて相手の懐へと潜り込んで槍を奪い取る。

そこから丸腰になった槍使いの側頭部にハイキックを入れ、槍使いがよろけた所でその槍で心臓を一突き。

まだ油断は出来ないので素早く槍を引き抜いて、続いて向かって来る2本の短剣使いに立ち向かう。

槍をカンフーのテクニックで上手く回して相手に避けさせ、短剣の男の足元がおろそかになった所で素早く足払い。

そして遠くで戦うラスタンの相手の赤髪の男に槍をぶん投げた。

自分がぶん投げた槍の行方を見る余裕はまだ無い。今はこの目の前の男を倒すのが先だからだ。


しかしなかなか男もスピードが速い。短剣による攻撃はなかなか手ごわい。しかし人間である以上、必ず隙が出来る。

その隙が出来たのが男が右のハイキックを繰り出してきた時で、まず栗山はその右足を左の脇でキャッチ。 そして足を挟んだままハイキックをお返しに男の側頭部へ叩き込み、固定している足をまたいで関節の部分に座って 小さくジャンプし床に座る形を取れば、凄い音がして男の足の関節が逆方向に曲がって決着がついた。

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