表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/33

第10話(最終話)

「ふっ!」

栗山はハイキックを放つも、それを上手くラスタンがキックで受け止める。なかなかのタイミングだ。

挿絵(By みてみん)

バランスを立て直したラスタンは瞬時に栗山の顔目掛けて剣を突き出す。

剣は栗山の頬をかすっただけで、ラスタンは目を細め舌打ちをする。

ロングソードが顔を掠めて行くが、そこで咄嗟に栗山はラスタンのロングソードを握る右の手首を両手でキャッチ。

そして身体を反転させ、ラスタンが逃げられない状況を作って空中で逆上がりの形になり、足を伸ばしてラスタンの頭に落とす!!


体を地面に叩きつけられ一瞬倒れたもののラスタンはすぐに立ち上がり、同じように体勢を整えていた栗山へ素早く剣を薙ぎ払った。

剣先は栗山の右足を切り裂き、栗山の目が見開く。

「うぐぅ!?」

素早い反撃に対処し切れなかった栗山だが、そこに無情にも追撃の斬り返しが栗山の腹を襲い、体勢が崩れた所でラスタンの

左ハイキックが栗山の側頭部を直撃して栗山は床に倒れこむ。


栗山の胸倉をラスタンが掴んだその時、倒れた時に丁度手の中に当たったいくつかの鉱石を栗山が魔法陣に向かって投げつけた。

魔法陣は当たった鉱石の魔力を吸い込み、限界まで膨らんだ魔力が魔法陣からまばゆい光を放つ。

光はそのままラスタンに襲い掛かり、あまりの眩しさに栗山の胸倉を掴むラスタンの手が離れてラスタンは顔を覆う。

このチャンスを逃す訳も無く、栗山はラスタンの頭の位置に見当をつけて前へと飛びながらテコンドーの720度キックを魔法陣を

巻き込む勢いでラスタン目掛けて繰り出した。


栗山の渾身の一撃は見事ラスタンの頭頂に寸分の狂い無く炸裂し、ラスタンの頭は地面へ打ちつけられた。そのまま栗山の体は魔法陣へと吸い込まれるように消えていく。

「うおあああああああーーーーっ!?」

ラスタンにキックして上手く当たったまでは良かったが、そのまま魔法陣にぶつかったかと思うと栗山の身体は光に包まれて周りが何も見えなくなっていった。


「・・・りやま、おい、栗山!」

「・・・えっ?」

光から解放された栗山が目を覚ますと、そこは自分が仮眠をとっていた筈のハイエースの中だった。

「な、何か凄いうなされていたけどどうした? 交代の時間だから起こしに来たんだが」

栗山と交代する為にやって来た仁史の言葉に、栗山は思わず飛び起きて辺りを見渡す。

すると上着のポケットにあの鉱石の欠片が沢山入っている事に気がつく。

「何だそれ? そんなもの持ってたっけ?」


訝しげに仁史が尋ねて来るが、栗山はそれよりも自分の身体に先程ラスタンから受けた傷や痛みが無い事の方が気にかかっていた。

「あー、いや、これはまぁ、綺麗だったから拾った。・・・そ、それより交代だろ? 交代!」

必死に何かを取り繕う栗山に仁史は違和感を隠しきれなかったが、まぁ良いかと自分も仮眠に入る。

そして警備を交代した栗山は、朝日が昇ってすでに朝になりかけている港を見ながら一言呟いた。

「・・・・・想像していたよりはるかに良いバトルだった。強かったぜ、ラスタン」

傷はこっちの世界に戻って来た時に治ってくれたのだろう、と強引に自分を納得させて栗山は本来の自分の仕事に戻って行くのだった。


「・・・はれ?」

1人廃墟に残されたラスタンは意識が戻ると同時に頭頂に激しい痛みを感じた。

頭痛に頭をさすりながらも、立ち上がったラスタンの前には1人の銀髪の男が向かい合っていた。

目と目があった瞬間に頭が痛い事も忘れてラスタンはゴキブリのように素早く後ろへと足を動かす。

まただ・・・また出たのだ、怨霊が。

「そんな顔するな、今度こそ再会の抱擁といこうじゃないか!」

両手を広げて自分をを待ち構える父親の姿にラスタンは絶句し、動く事が出来なかった。


その一部始終を見据えて悲しげな瞳をラスタンに向けながら、ザルドは溜め息をつく。

「・・・まぁいいよ、ディートと同じ位骨のある奴に出会えたからな。」

ウインクをしながら右手で指を鳴らすと、ザルドの姿は光に包まれて消えていった。

一瞬の出来事に暫く呆けていたラスタンだったが、聞き覚えのある声と蹄の音に気付いてそちらへ振り向く。

「ここにいたのか!」

ラスタンの仲間の1人、ケンタロスがラスタンへと駆けてくる。

「良かった、心配していたんだ・・・それはそうと、すまないがライフに変な呪いをかけられていて。」


そう言いながらケンタロスはラスタンの体をひょいと持ち上げて馬の背に乗せる。

「大金稼いだラスタンを俺が迎えに行くとか大声で叫んだと思ったら、体が無意識にここまで来たんだ。」

「・・・栗山さんは?」

「誰だそいつは・・・あそこで何かあったのか?」

廃墟から外に出ると、ケンタロスは翼を広げて飛び立った。

ラスタンは仲間の元に帰るまでの間、今までの夢のような話を一生懸命にケンタロスに話し続けた。



Erudin Battle Quest第1部 完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ