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各国の反応

 突如として出現した魔大陸。

 その主たる魔王ヒビキの宣戦布告を受けた神聖国の動きは迅速であった。


 布教、及び広報の長である七聖、アメリア・セイルーンが勇者の遺物であるメガホンを使用し、国内の不安を取り除くべく宣告した。

 

 人類の怨敵、憎き魔族の生き残りを殲滅する、と。


 教皇の名において魔王ヒビキを神敵認定すると共に神聖騎士団セイクリッドナイツに討伐が命じられた。

 

 また、魔王の用いた力に関しては二度と使うことのできない古代兵器アーティファクトであるとその実体をあかし、被害にあった聖地には既に支援部隊を派遣していると発表をしていた。


 さらに、外務の長であるアイリーンは各国に使者を派遣し、打倒魔族を呼びかける。

 魔大陸の出現、そして聖地の消滅。

 その衝撃は計り知れないほど大きい。

 だが想定外の異常事態にも関わらず、素早い神聖国の対応に、国民の混乱はそれほど大きいとはいえなかった。













 

 混乱する世界。

 乱世へと時代を変えるその世界を、鮮血の帝座より、少女はただ見下ろした。

 胡坐をくみ、片足を上げる。

 凡そ、女性が、まして王が取るべき姿ではないが、この態勢でいる時が一番頭が回るのだ。


「――恐いものよのう」

 

 不安に駆られた幼げな少女が、震えながらこぼした言葉。

 それは、彼女を知らぬ人間であらば、瞬く間に騙されてしまうほど、巧妙な演技であった。

 人類国家最大にして最強の帝国、その頂きに在る少女は恐怖、などという言葉とは最も縁遠いであろう絶対の王である。

   

「それは、魔族共が、でございましょうか?」


 若く、実直な近衛騎士の小隊長がそう言った。

 名はミローナ、平民から剣と魔法の腕で成り上がり、二十代後半という若さで近衛騎士の小隊を率いるほど有能な人物である。

 だが、頭の回転の方はいまいちのようだ。


「く、くく、くははははは――――」

 

 我慢できず、と言わんがばかりに少女が笑った。


「――ははっ、いや、すまぬな。別にお前を馬鹿にしたわけではないが、少しばかり的外れな回答につい、な」


「は、はぁ……ではいったい何が恐ろしいというのか、非才なこの身にお教えいただけますでしょうか?」

 不思議そうに首を傾げる女騎士に少女は楽しげな笑みを浮かべる。


「それは勿論、揺らがぬであろう神聖国が、でございましょう?」


「これ、爺、それは余の台詞ではないか」


「いえいえ、陛下に恐れるものなどございませぬが故に、僭越ながらこの爺めが代弁させていただいたまで――」


「余は十六ちゃいのこどもじゃぞー、お化けとかこわいもん!」


 などとふざけてみながら、少女は笑う。

 まだ付き合いが短い近衛騎士は急変する皇帝の言葉に戸惑いを顕にしていた。


「だがまあ、選神教は恐ろしいぞ? 宗教など政治と結びついた時点で腐敗と悪政の恩寵であるはずだが――選神教だけが、明確に違う」


 選神教に腐敗はなく、神聖国に悪政はない。

 選神教発足以来、その頂点に在り続ける教皇。自らを神の子であると定め、選神国の全てを掌る独裁者。その政策は極めて理知的であり、国家運営に一切の腐敗を許さぬ名君であった。

 有能な絶対者であり、寿命に縛られない超越者。その上、二千年もの時間の中、自らが堕落することもないという。仮想敵国とするならばこれ以上無いほどに厄介だ。


「彼の国の連中は教皇が神の子であると心の底より信じておる。神聖国の団結力ほど恐ろしいものはないであろうな」


 彼らには誇りと自負がある。

 選神教という大宗教に支えられ、世界を平和に保ってきたという大国としての誇り。

 そして長き時、世界の中心にいたという《人間》としての自負。

 それらは、酷く傲慢で。

 だからこそ強い結びつきとなる。


「はてさて、如何様な手段を用いているのやら――まさに、教皇こそが大陸の亡霊よな」


 そう言って、少女は薄く唇を歪める。

 

「人類の怨敵である魔族、並びに神の敵ヒビキを打倒すべし、だそうですが――して、いかがなさいますか、陛下?」

 老人は早朝に届いた神聖国の書簡を手にしながらそう聞いた。


「静観する」


 少女の言葉に老人はまるで動揺しない。

 協力者から齎されていた情報から、帝国が取るべき行動は示されてきたからだ。

 現状のそれは救援要請ですらない。

 宗教の自由が認められている帝国とは言え、政教分離は絶対である。それらが政治的理由になることは許されない。


「参戦する理由がありませぬな」

 

「敵対する理由がない、といったほうがこの場合は正しいがな」


 神聖国とは明確に相容れないが、魔国がどうであるか、それはまだ分かっていない。


「魔国は人々が恐怖する魔族の集まりですが――」

 古代魔族、と言えば誰もが思い浮かべる恐怖の象徴である。だからこそ、不安そうにミローナは言った。


「それこそ何の問題にもならぬ。帝国の理念に反しない限り、かの国と反目する理由もない」 


 少女は深く思考を重ねる。

 協力者から齎された魔族の情報、歴史的資料を含め推定される戦力、古代魔族の個として飛びぬけた実力と二千年以上もかけて蓄えた力と戦術、自らが戦争の引き金を引いたという圧倒的自信。

 

 自分ならば、戦争を仕掛ける以上絶対的勝利を掴むべく策を練る。まして、二千年もの間牙を磨いたとなれば、取り得る戦略は無数にある。

 神聖国とて、蓄え、発展させてきた力は決して小さいとは言えないが――


(――緒戦だけを見るならば、まず間違いなく魔国が優勢に進むであろう)


 だが、それでも皇帝の抱く現状の考えは神聖国の敗戦、ではなかった。

 神聖国の存在が無ければ、今頃大陸は帝国という統一国ができていたはずなのだ。それほどまでに帝国は強大だ。だが、帝国の躍進を阻むほどの力が神聖国にはあった。


(――行き着く先は、膠着、か)


 少なくとも、すぐに決着がつくような規模でもない。

 今はまだ、静かに動くべきであろう。

 常人の何十倍もの速度で起こり得る事態を想定する中、あることが気がかりになってくる。

 

(――さて、この異常事態――今代の勇者はどう動くのか――)


 と、そこまで一息に考えた所で、


「――――姉様ぁあああああああああああああっ! 姉様みっけ!」


 思考の奥底に埋没していく皇帝を引き止める、声が響いた。

 それどころか、帝座に座る絶対者に飛びついて、その体を激しく絡みつかせてくる。


「これ、ユーリカ。お姉ちゃんはまだ政務中だぞ――」


「ぶぅー! 姉様どうせ下んないこと考えてたー! いいじゃん、そんなのほっといて遊ぼうよ、ね! ね!」


 いくら皇帝の妹であろうと、公の場では許されざる暴挙。

 だが、誰一人としてそれを咎めるものはいない。もっと正確に言うならば咎めることができない。

 帝国の最終兵器、ユーリカ・フォン・クラウス・ヴィルヘルム。彼女の機嫌を損ねることはそのまま、帝国存亡の危機に直結する。いったい誰が口を開くことができようか。


 天真爛漫にして傍若無人。

 きっと周りからは妹が強大で、愚かに映る。

 だが、違う。

 妹はほぼ正確にこちらの思考を読み、その上で、下らない、と評したのだ。それも、現皇帝とほぼ同等の智と他を圧倒する力を持つ、そんな事実を周りに悟られぬように計算しながら。

 いざとなれば、全部潰せばいいじゃん、とその瞳が物語っていた。


「はは、真に恐ろしきは我が妹よな――」

 

 苦笑と共に言葉がもれ出た。


「爺、余は少し外す。雑務は任せる故、好きにせよ」


 そう言い残して、皇帝は地に足を下ろした。

 

(それにしても、魔王か――一度会ってみたいものだな)


 誰一人として逆らうことが許されぬ絶対君主を、まるでただの少女の様に手を引く妹に身を任せ、皇帝はその思考を止めるのであった。












 

 大陸において五本の指に入るであろう国力を持つ大国、そう言えるだろう王国の中枢はいつになく荒れていた。

 忙しなく人が動き、張り詰めるような緊張が城内を埋めていた。

 国家を預かる各部門の大臣に囲まれるシンドリア八世は、重い息を吐き出した。


(何故今になって過去の遺物が出てくるのだ)


 そう愚痴を零したくなってくる。

 王国は選神教の庇護を受け、大国となった国だ。

 当時、大陸の統一を目指して動いていた帝国の進行を阻むための壁として、選ばれたのが王国である。

 

 国内の動乱や多種族の反発、纏ることなど一向になく、荒れ果てていく国土に嫌気がさしたのだろう初代が選神教の手を取った。

 それは苦渋の決断でもあり、英断でもあった。

 現交易都市など一部の特殊な地域を除いて、多種族を排斥し、人間国家として纏った王国は、聖騎士による魔物、魔族の討伐により国土を広げ、広がった土地を開拓し、膨大な穀倉地帯を抱える大国へと発展した。


 その間、北方から押し寄せる帝国と幾度も争ったが、神聖国からの軍事支援は続けられ、やがてはエストールや七国とも同盟関係を結ぶことができ、停滞が続いた。

 

 王国は大国となり、ここ百年はやっとのことで掴んだ平和であった。


 だが、ここにきて魔族の国の出現である。

 王国にとって、魔国は敵だ。

 選神教を国教と定める王国は宣戦布告をされたと受け取っていいだろう。


(いや、目を背けてきた付けが回ってきただけ、か)

 

 シンドリア八世個人としては、多種族の排斥を賞賛したいとは思えない。

 現に交易都市においては、多種族の持つ多様性が様々な利益を生んでいる。

 だが、国として見ればやはり選神教の教えは合理的でもある。巨大な力を持つ多種族に人が立ち向かうための分かり易い指針。それこそが、選神教が掲げる多種族排斥の意図である。


 そして、事実として王国は選神教に支えられている。

 貴族の中でも馬鹿にできない数が選神教に帰依している。

 すぐにでも討伐軍を派遣すべし、と声高に叫ぶ有力貴族も存在しているのだ。


 神聖国が敗れれば、次に滅ぶのは選神教を掲げる国家である。故に、最初から選択肢など無いに等しい。仮に神聖国を裏切るとすれば、王国は内部から崩壊するだろう。

 

「王国は神聖国を援助する!」


 シンドリア八世はそう言い切る。

 が、具体的に援軍を送るにしても情報が不足しすぎている。


「第三軍より特務軍を編成する。彼の国の民が餓えることを許してはならぬ。迅速に、食料及び医療支援を行うのだ」


 現在被害にあったという聖地、その支援が目的だ。

 直接的な軍を送らずとも、まずは神聖国に味方したという事実が必要である。

 エストールとの戦も間もなく、いたずらに兵を失うことだけは避けなければならない。

 何をするにしても未知な現状、国王は暗雲の中で舵をきった。














 そしてここ、エストールにも混乱は波及していた。

 魔族による支配から脱してから、まだ数ヶ月の時間しかたっていない。新たに王として即位したエストールの王、ラインハルトは僅かな時間で政権を確立し、国を纏めつつある英傑であった。

 

 だが、それも完全ではない。

 未だに、過去魔族が為した支配の傷がいたるところに残っている。

 だからこそ、魔族という言葉に過敏に反応する者は多い。だけれど、魔族が齎したあの惨状は決して悪いことばかり、というわけでもなかったのだ。


「――なあ、ティナ。これでよかったと思うかい?」


 王城内の会議室で、不安そうなラインハルトがそうごぼした。

 彼はまだ二十を少し超えた程度の年齢だ。なし崩し的に玉座に着いた身には凄まじいほどの重責が圧し掛かっている。

 

 つい先ほどまで、会議室では国の行く末を語る会議が行われていた。

 そしてそれが終わり、今はただ若き王と火竜の巫女のみがこの場所にいた。


「え、えっと、私はバカなので難しいことは分かんないです――ただ、王子の、あ、いえ国王様の判断は間違ってないって、そうなんとなく思います」


 エストールは神聖国の要請を正式に断わったのだ。

 つい数年前、魔族の支配がなかった頃はエストールの宗教の大部分は選神教だった。実際、国家としても聖竜教会よりも選神教を優遇してきた節が確かにある。

 大陸にある二大宗教の一つとも言える聖竜教会は選神教とそれほど険悪な印象は無い。彼らは実在する竜を崇めているのであって、選神教の教える神を否定しているわけではないからだ。選神教の教えでも、竜は世界の調停を成す高位神霊であると記されている。

 だがそれでも、エストールの国教は選神教である、という認識がそこにはあった。


 だが、魔族の支配は選神教を排斥した。

 貧しき者の救済、並びに教育。エストールにおいてこの二つを取り仕切っていたのは選神教の教会であり、その要人であった。それら全てを取り除き、国の教育並びに福祉を無理やり奪い取った裕福層の個人資産で行ったのだ。

 当然、神聖国から抗議を受け続けている。そんな矢先に、魔族の出現である。実際に影響を受けたエストールは予測と対策をしてきたが、圧倒的に時間は足りない。

 

 加えて、エストールは王国に戦争を吹っかけている。

 先代国王の暴挙であったと正式に謝罪し、自らが玉座に納まったが、それでも王国並びに神聖国からの信頼はほぼほぼ失ったと言っていい。

 今回の支援要請は言わば最後通告のようなものである。

 断われば、王国はともかく、神聖国は間違いなくエストールを敵視するだろう。

 

 だが、そうなってなお、ラインハルトは魔族とこと構えるのが間違いだと思う。

 ティナが語ったアナリシアという魔族の印象。それは深い知性と巨大な力を持つ存在である。たった一人で国を掌握し、そしてその上で発展させてみせたのだ。

 その確かな軌跡の先を、ラインハルトは歩かされているように感じていた。

 今目の前にある発展を捨てて、神聖国に臣従することが正解だとはどうしても思えなかった。


「我が国は多くの過ちを犯してきた。だからこそ、もう間違うわけにはいかない」

 

 ある一つの貴族家が脳裏に浮かんだ。

 長年、自尊心と恐怖心から国が虐げてきた魔眼保有者たち。かつての時代はエストールの守護神とまで呼ばれた魔眼の一族、その唯一の生き残りも国を去ったという。


「周囲に敵は多い。まずは味方を作ることから、か――」


「はい、頑張りましょう」


 若き王は選択する。

 それが苦難の道と知っていて、それでも前に進むために。






 

 




 大戦の業火、その最初の火が燃えた場所、後にそう呼ばれることになる七国。

 そこには西側と東側、その境界となる巨大な三つの砦が存在している。獣王国を牽制するイニシア砦、南方より睨みを利かすギガン砦、そして白の外壁が栄光を称えるリーンバス城、この三つを制圧することが三国連合軍の戦術的目標であった。


 現在イニシア砦には既に攻勢を仕掛けている。

 獣王たちの動きが漏れている可能性がある、と七国の影が伝えてきたのはちょうどイニシア砦に攻勢を仕掛けようとした時であった。


「ふん、仮に伝わっていたとして、関係などないわ! 立ちはだかるものすべて粉砕するまでよ!」


 全軍を率いるレイウォードの声に何時になく力が入る。

 長年、獣人を弾圧してきた憎き人間。その喉もとに喰らいつくことができる好機が巡ってきたのだ。この機を逃せば、また多くの同胞が苦しみや憎しみを抱えることになる。

 この忌まわしき因縁を断つことは、獣王であるレイウォードの悲願だった。


「血気盛んなことは結構ですが、張り切りすぎて倒れないでくださいね」

 落ち着いた声でルーテシアが言う。

 学術国家の頂点、とは言えど万年机に向かっているような人種が果たして戦場で役に立つのか、レイウォードは疑問だったが、三つもの魔術大隊を派遣して貰っている以上、彼女がこの場にいるのは至極当然といえる。


「仮に何らかの手段でこちらの動向が筒抜けとなったとして、敵の混乱から見てイニシア砦には十分な伝達並びに防衛準備は整えられていないようです。こんな場所で戦力を削るのは愚の愚、落ち着いて、冷静に攻めていきましょう」


 敵が獣人相手に野戦に出てくることはまず無い。

 だからこそ、決戦の地はリーンバス城になるだろう。

 本来、そこまで攻め入る事態になれば聖騎士が出てきてもおかしくはない。あの吸血鬼の言葉がどれ程信用に足るかも不明だ。現に、敵方に秘匿していた情報が伝わった可能性があると示唆してきた。有事とはいえ聖騎士と事を構える覚悟も必要であろう。


「ガハハハハハ、言われるまでもない。迅速にあの砦を落とす、それだけだ」


 長き時、弾圧されてきた多種族は魔族の出現に呼応するかのように、戦火を上げた。

 










 真っ白な部屋。

 小さく纏った、何の変哲もない白い部屋。

 静かな部屋に、規則正しい小さな音が響いていた。

 

 鼻から抜ける、穏やかな寝息。

 混乱する世界から隔絶された小さな部屋で、少女は何事も起こっていないかのように眠る。


「――リリー様、お時間になりました」


 安らかな睡眠。

 少女にとって変えがたい娯楽である眠りを妨害する煩わしい声が耳に届いた。


「…………後五分……」


「いけません。本日は神聖騎士団長が集まる重要な会議がございます」


「…………だるぃ……パス……」


「起きてくださいませ。リリー様が遅刻などされてはリリー様のお付である私が首を刎ねられてしまいます」


「…………めんどい……働きたくない……カレンが私の代わりに――」


「いけません。さ、お着替えしてくださいませ。お顔と髪、失礼いたします」

 一切動くことのないリリーの身支度を慣れた手つきでカレンが整える。


「………どうせくだんないことじゃん…………僕がいなくてもいいじゃん、別に……」

 

「魔国に対しての対策会議ですよ。重要なことです。各国に派遣した使者への返答も届く頃です」


「…………はぁ」


 少女にとっては、どれも興味を引く内容ではない。

 現状の返答など聴くまでも無く少女は予測してしまっている。

 

「…………軍を出すのは軍国と王国じゃん……つか、他国の増援なんて邪魔なだけだし…………」


 その辺を有効活用するのは赤や青の領分だ。

 自分にはまるで関係が無い。

 というよりも、軍議事態、白にとっては無関係とさえいえる。

 神聖騎士が白――ただ一人のみ名乗ることを許された純白。

 神聖国が誇る武の象徴。


「…………はぁ……めんど……」


 そんな少女は酷く煩わしそうに、憂鬱を吐き出した。


以前少しだけ登場した皇帝の一人称を変更してます。

我→余

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