還らない本当
14.11.19 駄作反省。推敲。タイトルも変更。
浜辺を回ってトイレを探した
ヘッドライトに いい波が来てる
そろそろ夜が明ける
ワゴンの群れはエンジンを切らない
サーフボードをすべる曲
今どきのうわすべりの夏風邪
熱が冷めた浜風が吹いてる
いつでも真っ暗じゃなかった
どこかでなにかあった気がする
駐車場の周りに漂う卑猥
空き缶で山盛りのゴミ箱と
焦げた誰かの花火の残滓
生き物として消費した劣情のあと
彼女は
サングラスで顔を隠してサンダルを履く
私は
もう準備して待っている
二人とも
少し離れて黙ったままで
まだ暗い暖かい堤防に手をついている
彼女の長いストレートの髪が靡いて
見えた耳朶の穴の無くしたピアス
横顔に(何か言ってよ)がひりついていた
目に苦い 好きでもなかった煙草
またそのままの
見つからないままの
どうしたらいいかわからなかった
身体だけの夜が明ける
黒から 閃光を放ち
オレンジの波頭 濃紺の地肌
やがて 一面のメタリック
誰も彼も何もかも輝いている
憂いも哀しみも昨日も今日も
明日でさえも
輝いている
何もなかったけれど
何も欲しくなかった
ありふれていると思っていた
夜明けの輝き
何を探していたのか
何を失ったのか
溢れていると思っていた
還らない本当