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「それでもの色」「それでもに」
14.12.04 推敲(微細)
14.12.05 推敲
「それでもの色」
それでもはまた灰色に
嫌気がさして色を着る
若い菫の若紫に
ビー玉透かして翡翠色
鳶が輪を描く海空色に
萌えたばかりの若草に
春になったら蒲公英色に
冬の蜜柑の金赤に
ふっくらくちびる韓紅に
朝露濡れる薔薇色に
あらゆる豊かな彩りと
揺れる眩暈の花咲き乱れ
小さなその身は包まれて
華やか
軽やか
香しく
囁く溜息
零れる吐息
装い新に
それでもは
きょうの裏側
矯めつ眇めつ
「それでもに」
痛みに惑う日々の糧
それでもが見る闇の花
せめてもの歌をそれでもに
夜明け白く月昇り
褪せた錦の山の哀しく
吸い込む山気深く沁み
赤黄の滅び冷たいだろうか
一先ず、これでこの詩集は終わります。有難う御座いました。これによって、私は先へ進めたのか。まだそれは分かりませんが、ただ私の中や外からもたらされた言葉たちは、おろそかにしてはいけないと思っています。来仕方を見て来し方を決める程には、到底達していないのは自覚の上ですが、たまには振り返って自分や着想たちの足跡をみていたいと思います。




