表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【詩集】さいごのはじまり  作者: につき
10/21

そうだったのだ

こんなに多くの楽器が

音を

互いを

主張せず

引き立て合い

主題を

はっきりと盛り立てている


全体の旋律は

淀みなく流れ

一つ一つの演奏は

音譜に溶けている


指揮は

うねりを導き

そして

圧倒的な存在を

押し出してくるテーマ


観衆は

余韻の中で

賞賛と拍手さえ忘れ


楽器たちは

まだ終わらない

響きを

残したままに

ただ去っていく


そうだったのだ


饒舌な言葉たちが

感情を

意味を

主張せず

むしろ何も持たず

主張など

うっすらとも持たず


全体のリズムは

淀みなく流れ

一つ一つの言葉は

空白に溶けている


彼方からの着想は

文字を産み

そして

脳髄を掴んで千切り投げる

びりびりとする痺れ


見るものは

純白の闇の中で

餓えの面影すら忘れ


連想は

珠になった

膨大な数の雫を

必死の勢いで

貪りだす


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ