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俺とクー太の銀河物語  作者: カツヒコ
第2章 サルガスの悲劇
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第2章 95話

「さて、仲直りもできたとこで・・・何か用があってきたんじゃないのかい?ネコウネ?」

 ここでジャネイロが気持ちを切り替えてネコウネに尋ねる。

「はい、シンシア様からお手紙が来ております!」

 すると、ネコウネがスッとジャネイロに手紙を差し出す。

「シンシアから?」

「シンシアからの手紙・・・?」

 勝彦は、昨日のアルゴとの話を思い出していた。

 その話では、ネコウネがジャネイロの事を好きなのは確実なはずである。

 気になった勝彦はネコウネの気持ちを確かめようとチラっとネコウネの顔を見ていた。

 しかし、彼女は表情をピクリとも変えない。何事もなかったかのように平然としている。

(ネコウネさんはどう思っているんだろう。恋敵の手紙を好きな人に渡す・・・普通ならとても平静にしていられないはずだけどな・・・・)

「シンシアさんと文通していらっしゃるんですか?」

 クー太が興味深々でジャネイロに聞いている。

「ああ、これはいつもの連絡手段さ!僕とシンシアは堂々と、お互いの家に行けないからね。多分、アレスが家から出られないから、直接手紙を送ってきたんだよ!」

 そして、ジャネイロはシンシアからの手紙を開いて読み始めた。

「手書きの文通って、なんだかロマンチックですね!」

 尚もクー太は興味津々で感心して勝彦に尋ねてくる。

 その姿を見て、勝彦は少しほっとしていた。どうやら、完全にクー太の機嫌は直った様である。

「まあな、地球でも最近は手書きしないでほとんどメールだしな・・・」

「僕の星でも、連絡は立体映像通信が普通ですからね!」

(なんていうか・・・文明がオールドでもリア充はリア充だな・・・)

 勝彦は、手紙を読んでいるジャネイロを見てしみじみ思った。

 そして、横にいるネコウネを見て、勝手に仲間意識を持っていた。

 好きな人に好いてもらえない悔しさ・・・・その気持は自分と一緒だなと思ったからである。

 それから勝彦は、すぐにジャネイロに視線を戻す。

 シンシアが何故、このタイミングで手紙を送ってきたのか少し気になったていたからだ。

「で、なんだって?シンシア?」

「ああ、今夜の祭りに、アレスを連れていくから一緒に参加しようって言って来たよ!」

「え!?でもアレスは謹慎処分なんだろ?いいのかよ?」

「いや、駄目なはずだけど・・・手紙の内容では、何かバレない考えがあるみたいな事言っているんだ・・・」

 ジャネイロも不思議そうな顔で考え込んでいる。

「考え・・・?」

「さあ・・・?でも、シンシアの事だから、何か考えあがあるんだよ!彼女はこういう事好きだからね。まあとりあえず、今夜の祭りの開始前に、中央広場で待ち合わせだそうだよ!」

 それを聞いて勝彦のテンションは上がった。つまり、今夜祭りに参加する事が決まったからである。

「よっしゃー!俺、祭りに参加してみたかったんだよな!」

 勝彦はガッツポーズをして喜んでいた。祭りの準備をしている外のにぎわいを聞いて、参加してみたいと思っていたのである。

 でも、アレスが謹慎処分で外に出られないと聞いているのに、自分だけ楽しむのは何だか気が引けていた。

 友達が苦しい思いしているのに、自分だけ楽しめない。でも、それなら気兼ねなく楽しむ事が出来る。

「ホント楽しみですね!」

 クー太も機嫌が直って手を合わせて喜んでいた。その横でジャネイロは勝彦達を笑顔で見て行た。すると、役目を果たしたとネコウネがその場を離れようとする。

「では、私はこれで・・・」

「あ、ネコウネ!君も来てほしいって手紙に書いてあるから!」

 ジャネイロは、ネコウネに声を掛ける。

「え?私がですか?」

「ああ、必ずネコウネを誘うようにって手紙に書いてあるよ!」

「はい・・・・わかりました・・・」

(うわー!・・・・修羅場に発展するのか?)

 勝彦横で聞いていてそう思った。シンシアなら人の考えている事を読む事が出来るはず。多分、シンシアはネコウネの気持ちに気づいているはずである。

 でも、シンシアがネコウネをわざわざ誘うなんておかしい。シンシアなら小さな事にこだわらない。ネコウネをわざわざ敵対する様な態度を取る様な事は無いはずである。

 勝彦は、シンシアの真意を考えながらずっとネコウネの態度を見ていた。

 それでも彼女の態度は何も変化はない。

(俺の思い過ごしかな・・・?)


 こうして、様々な感情と思惑、悩みを抱えたまま、勝彦は夜の祭りへ参加するのを楽しみにしていたのだった。


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