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俺とクー太の銀河物語  作者: カツヒコ
第2章 サルガスの悲劇
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第2章 89話

「それよりも・・・そなたがジャネイロ様の護衛を?」

「ええまあ・・・知っているんですか?」

 勝彦が、ジャネイロの護衛をすると決まったのは昨日の事である。なのに何故知っているのだろうか?勝彦は気になった。

「なあに、ネコウネとは常に連絡とりあっているからな。その話は昨日のうちに手紙が来たんじゃよ!ちなみに、君達がやってきた日も知っておるぞよ!」

「へー、親子仲がいいんですね!」

 クー太はアルゴの親子文通に感心していた。

「わはっはは!でも、半分仕事でもあるがな!わははは!だが・・・・」

 ここでアルゴ団長は、視線をクー太から勝彦に移してジロジロと見始める。

「見た目はひ弱そうなのに、そなたにジャネイロ様の護衛なんぞ出来るのですかな?」

「ひ、ひ弱そうで悪かったですねー!」

 勝彦はすかさず突っ込みを入れる。

 まさかここでも、ひ弱といわれるとは思ってもみなかった。

(ホント、いろんな奴にひ弱そうって言われるな・・・本当に俺、ひ弱そうに見えるのかな・・・?)

 勝彦は自分の身体を見つめる。それを見ていたジャネイロは、すぐに勝彦のフォローを入れてくれた。

「いや、こう見えて勝彦は、不思議な技を使って敵を蹴散らすんだよ!」

(まあ、この前・・・俺が命を救ってあげたしな・・・)

 と、勝彦はジャネイロをチラッと見ていた。

 だが、気が付くとアルゴ団長はは勝彦の体をアレスの時の様に舐め回すように見ている。

「ほうー、これは失礼。それはぜひ見て見たいですな・・・」

 勝彦は、アルゴに自分の体を見られて困った。

 そもそもこの剣は、形こそ剣だが本当はレーザー兵器である。

 この前の戦いだって、勝手に体が動いただけで、別に自分の剣の技がすごいという訳ではない。うかつな行動をとったら、アルゴには見透かれてしまいそうで勝彦は怖かったのだ。

「ええ!?今はちょっと・・・その・・・」

 勝彦がオロオロ困っていると、それを見たジャネイロが、アルゴに別の話を振って助け舟を出してくれる。

「それよりもアルゴ!最近、皇宮でのボトルはどうなんだ?」

 だが、ジャネイロがボトルという言葉を発した途端、アルゴは急に小声になって焦り出した。

「しー!ジャネイロ様!静かに!いつ何時、奴の手下が聞いているか分かりませんぞ!」

(そういえば、ボトルって名前・・・・よく出て来るけど一体誰なんだろう?)

 昨日のアレスとの会話にも出てきていたし、一昨日に襲われた時にもジャネイロは言っていた。話に出て来るタイミングからいって、あんまりいい人物ではなさそうだ。

 そして、アルゴはゆっくりジャネイロに小声で語りだす。

「ジャネイロ様・・・ボトル殿の権力は日々増大しています。陛下を擁護する家臣を次々と暗殺するので、陛下はもう・・・・最近は喋らなくなってしまいました!」

「兄上・・・クソ!ボトルの奴め!今日こそはハッキリ言ってやる!」

 勝彦は驚いていた。普段優しい温厚なジャネイロが、感情をあらわにして怒り出したのである。

 勝彦は、こんなジャネイロは見た事がなかった。普段はニコニコしていて誰に対しても優しくて、女性にモテモテである。

 そのジャネイロを豹変させるボトルという人物がどういった人物なのか気になった。

「なあ、ジャネイロ・・・・そのボトルって何者なんだ?」

 勝彦は怒っているジャネイロに恐る恐る聞いてみた。

「ああ、この国を裏から操っている怪物さ!その昔・・・・僕の父とアレスの父と母親を謀略で殺したんだ!そして、今は兄上を皇帝に据えてすべての権力を握っている・・・・・誰も・・・奴に逆らえない!」

 ジャネイロは、悔しさで顔を歪めながら後ろを向いた。

「ジャネイロ様、お気をつけください!ボトル殿の権力は強大です。いくら陛下の弟君であっても、いずれジャネイロ様も暗殺されるかもしれませんぞ!」

 アルゴ団長がそう言うと、ジャネイロはもう一度こちらに振り返り、アルゴに言った。

「ふん、あいつの考えそうな事は、わかっている。もし、僕を狙うなら返り討ちにしてやる!」

 それを聞いて、勝彦はジャネイロの肩を叩いて言った。そのジャネイロの覚悟と決意が勝彦にも伝わった。

「おう、俺もいるしな!」

「あっ痛!」

 勝彦は、ジャネイロが怪我しているのを忘れていて、ついうっかり怪我した肩を叩いてしまっていた。

「あ、わりい!大丈夫か?」

 勝彦は、ジャネイロが痛そうにしている肩を心配して背中をさすってあげる。それを見ていたアルゴは、少し笑って優しく勝彦に語りだす。

「勝彦殿と言ったかな、どうかジャネイロ様をお願いしますぞ!」

「任せておいてください。俺にかかればそんな奴はお茶の子さいさいですよ!あははは!」

 勝彦は、アルゴに大笑いして見せた。

 ボトルという人物がどういう人物なのか分からないが、勝彦は二人を安心させてやろうと明るく振る舞った。

 そして、大笑いしている横でクー太が袖を引っ張ってくる。

「もう、勝彦君・・・調子乗りすぎですよ!4日後にはここを離れるんですからね!」

 横で聞いていたクー太はあきれていた。やはり、まだ勝彦がジャネイロを護衛する事に乗り気ではない様だ。

「大丈夫だって!忘れていないって!」

「それではジャネイロ様、私は所用があるのでこれで失礼します」

 そう言ってアルゴは一礼をしてこの場を離れていった。そして、勝彦はアルゴが離れるのを確認してからジャネイロに話かけた。

「なあ、ジャネイロ。アルゴさんって、めっちゃ強そうだな・・・・」

「まあね、僕の剣の師匠だからね。実はネコウネも剣の腕はすごいんだよ、子供の頃はよく手合わせをしたもんだよ・・・」

「へー、あのメイドさんも強いのか・・・」

(確かに、目つきが鋭く強そうだったな・・・)

「というか、アルゴさんに全然似てないよな・・・」

「まあね、彼女は母親似だからね。それに、彼女はメイドじゃないよ!本当は兄上が皇帝に推挙されてから一人で住んでいたんだけど、ネコウネはカタ・ルー家をサポートするのはジェンリック家の役目ですからと言って家に住み込む様になったんだよ・・・・」

「え、でもなんだか、使用人みたいな感じじゃなかったか?」

「いやー僕自身は昔みたいに普通に接しているつもりなんだけどね・・・・でも彼女は、どうしても僕に仕える身だからって言ってね・・・」

 勝彦はここでピーンときた。

 そして、ジャネイロは困った顔して、頭をポリポリ掻いている。その姿を見た勝彦は久々にモテない男の血がたぎっていた。

(この!真司にも負けず劣らずのリア充男め!!こいつ、本気で言っているのか?どう考えてもお前の事を好きだからに決まっているじゃないか!?そんなの、俺でもわかるぞ!)

 ネコウネの気持ちに気づいた勝彦は、それに気づかないジャネイロに一言言ってやりたくなっていた。

「お前バカか!?どう考えてもそれはお前の事・・・」

 と、言おうとした瞬間、途中でクー太に腕を引っ張られて止められてしまう。

「勝彦君、駄目だよ!ジャネイロさんにはシンシアさんがいるでしょ?」

 ここでクー太がこっそり教えてくれる。

 そうだった、ジャネイロにはシンシアという恋人がいるんだった。

 ここでその事を言ってしまえば、部外者の自分が騒動の原因になりかねない。 プライベートの問題は、当人同士で解決するに限る。

 そう思って、勝彦はジャネイロに言うのを辞めた。

(それにしても、ネコウネさんにも好かれているなんて、どれだけリア充なんだよこいつは!)

 勝彦はジャネイロを睨みつけていた。

「ん?なんだい?どうしたんだ?」

「べ、別に・・・」

 勝彦はぷいっと後ろを向く。

「いや、なんでもないよ!いつもの事だよ!あははは・・・」

 すぐにクー太が笑ってごまかした。

 だが、勝彦は何も言わずに、ぶすっとして後ろを振り向いて立っていた。


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