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俺とクー太の銀河物語  作者: カツヒコ
第2章 サルガスの悲劇
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第2章 84話

「どうだ、まいったか!ははははは・・・」

 勝彦は、その男の前で仁王立ちになって威張って見せる。

「勝彦君、恥ずかしいからもうやめて・・・」

 後ろで見ていたクー太が、恥ずかしそうにため息をつく。

 どうやら、クー太にはバレている様である。本当は、勝彦は何もしていない事を。

 すべては、科学技術による無意識での産物である。剣を持っていれば、自然と体が動くし、何も考えなくても体が勝手に動いて敵をやっつける。

(こんなチート能力を与えられたら、調子に乗れずにはいられないわ!)

「な、なんだよ!俺が動いているのは間違いないだろ!」

 勝彦は、クー太の方を向いて反論していると、弓を持った4人組がもう一度、一斉に矢を放ってくる。

 勝彦は、完全に油断して敵に後ろを向いていたが、気が付くと剣を構え、さっきみたいに光の壁で矢を防いていた。

「はっはっはっはっ!無駄無駄!効かぬわ!」

 勝彦がそう言って矢の攻撃を防いでいると、敵の仲間が大男を抱えて逃げ出していく。

「あ、まてー!逃がすか!」

 勝彦は、逃がしてなるものかと彼らを追いかける。

 だが、すぐに後ろにいたジャネイロが勝彦を引き留めた。

「まて、勝彦!バラバラになるのはまずい・・・」

 ジャネイロは膝をつき、苦痛にゆがめた顔で勝彦に訴えてくる。ジャネイロを見ると、肩にはまだ弓矢が刺さっていた。

 確かに、このままジャネイロとクー太を置いて行くは危険である。冷静になった勝彦はすぐにジャネイロに駆け寄った。

「だ、大丈夫か?」

 そう言う横で、クー太がジャネイロの腕を布で縛って手当している。

「早く矢を抜いて手当をした方がいいです!」

 クー太は真剣な顔でジャネイロに訴える。

「分かっている・・・・でも、取りあえずアレスを待とう!」

 ジャネイロがそう言うと、タイミング良く、向こうの方からアレスがゼルに乗って走ってくる。

「おーい、大丈夫だったか?」

「アレス!?」

 アレスは勝彦達に近づき、ゼルから降りた。

 そして、ジャネイロの状態を見ると、すぐにジャネイロに駆け寄った。

「ジャネイロ!大丈夫か?」

「済まない・・・不覚を取った。でも・・・傷は浅い。アレスの方こそ大丈夫だったか?」

 ジャネイロは、痛そうにしながらもアレスと会話をする。とても傷は浅そうには見えない。

「ああ、こっちは三人ほど斬ったら引き揚げて行ったよ!」

(斬ったって・・・・・つまり、殺したのか?)

 勝彦は横で聞いていて、アレスの斬ったという言葉が気になっていた。身近にいる人間が、人を殺す姿なんて想像すらできない。勝彦も一応撃退したが、別に誰か人を殺した訳じゃない。

(ふ、深く考えないでおこう・・・・)

「こっちは・・・・勝彦が追い払ったよ!」

 そう言うと、ジャネイロは勝彦に視線を向ける。すると、さらにアレスも勝彦に注目した。

「勝彦に・・・・?」

 アレスは疑惑のまなざしで勝彦を見つめてくる。

「まあな、あんな奴ら俺に掛かったらイチコロだよ!」

 勝彦は自信満々でアレスに言った。だが、それでもアレスは勝彦への疑惑の眼差しを止めない。

「本当に!?俺はてっきり勝彦はひ弱な奴だと思っていたよ・・・」

 それを聞いて勝彦はすぐに突っ込んだ!

「ひ、ひ弱そうで悪かったな!」

(くうー、なんだよ!確かに俺は、ゲームばかりやっている現代っ子だけどよ・・・)

 確かに正論過ぎて強く言い返せない。

 アルテミスの言葉や、再構築技術で体が強化されていなかったら確実に死んでいた。

 そもそも、勝彦は運動自体があまり得意ではなかった。とても戦ったり出来るような人間ではない。

「僕もそう思っていたんだけど、不思議な術を使ってな・・・・敵を追い払ったよ・・・」

 ジャネイロは感心した目で勝彦を見つめる。それをみたアレスは考えを改めていた。

「へー、不思議な術ね・・・お前、意外とすごい奴だったんだな・・・・」

 アレスは不思議そうに勝彦の肩を触って筋力を調べている。勝彦の隠された能力に興味深々の様だった。

「どーだ?これで俺を見直したかね?」

「ああ、誤解してたよ!」

「ふふふ・・・、これは主人公に与えられたチート能力なのだよ!」

「主人公・・・?チート能力・・・?」

 アレスは、また勝彦が何か訳の分からない事を言っていると、不思議そうにしている。

「もう調子乗りすぎだよ!勝彦君!」

 事情を知っているクー太だけが一人呆れた顔をしていた。



 そして、ジャネイロはアレスに連れられて家に戻った後、ジャネイロの家を診療所として利用している医者の人に見てもらい、治療してもらった。

 ジャネイロが言った通り、傷はそれほど深くなく、毒も塗っていなかったので簡単な治療で済んだ。事実上、5針縫った程度だけである。

 アレス曰く、この程度の傷ならものすごく効くという塗り薬を塗っていれば、2~3日で治るそうだ。

 また、勝彦はジャネイロの傷が大した事なくて一安心するのと同時に、襲ってきた連中の事も勝彦は気になっていた。

 彼らは、この国の圧政者に虐げられて行動を起こしたと言っていた。まだ詳しい話は分からないが、アレスが言っていた宰相という人物がその事だろう。

 それに、アレスのお兄さんや、アレス自身も宰相の事を相当嫌っている。恐らくその人物で間違いないだろう。

 だとすれば、その宰相の上司である皇帝・・・つまりジャネイロのお兄さんは悪い奴なんだろうか?

 勝彦は、ジャネイロの事は、いい奴だと思っているが、本当の皇帝はどうなのだろうか?もしかしたら、ジャネイロのお兄さんは悪い奴なのだろうか?

 勝彦は、その事が気になっていたが、直接ジャネイロに聞けるはずも無く、結局その日一日が終わっていしまっていた。


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