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俺とクー太の銀河物語  作者: カツヒコ
第2章 サルガスの悲劇
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第2章 83話

「やい出てこい!そこに隠れているんだろ!」

 すると、道の脇から4人、弓矢をこちらに向けながら出てくる。

 そして、さらに正面からからも、大きな槍を持った大男が歩いてきた。その男達は皆、白い仮面をしていて異様な雰囲気である。

「よくわかったな、俺達が隠れている事に!お前・・・何者だ!?」

 大きな大男は、剣を構えている勝彦に話しかけてくる。

「うるせー、悪人に応える義理はない!」

 勝彦は、深呼吸をしてからこの数秒で、相手に悪態を付ける程気持ちが落ち着いていた。

「ふふふふ、俺達が悪人だと!何故悪人だと決めつける?そこで苦しんでいる奴の方が悪人だという事もあり得るんだぞ!」

 と、大男はジャネイロに指を指さして答えた。

「僕は悪人じゃない!」

 勿論、ジャネイロは激しく否定する。

「お前に自覚はなくても、お前のせいで、多くの人間が苦しんでいる事もあるんだぞ!」

 ジャネイロの反論を聞いて、大男はすぐにジャネイロに怒鳴りちらした。それはすごく感情的で、かなり気持ちがこもっていた。

 どうやらこの男達は、盗賊として現れたのではなく、ジャネイロ本人を狙って待ち伏せていた様である。

(もしかして・・・・ジャネイロは、こいつに何か恨まれる事をしたのか?)

「どういう事だ!?」

「お前達、皇帝の一族は圧政を敷き、重税を課せ、無実の人間を処刑しているではないか!これを悪人と言わずしてなんという!」

 大男は大声でジャネイロに理論整然と言い返す。

 それを聞いて勝彦は、言っている内容は大男の方が正しい様に思えてきたのだった。

「ちがう!少なくとも、僕はそんな事はしていない。権力を握って圧政を敷いているのは、宰相のボトル達一味だ!僕達はそんな事はしてはいない!」

 と、ジャネイロも言い返す。だが・・・ジャネイロも核心的な事を言われて少し動揺していた。

「うるさい!結局、宰相の圧政を止められないのだったら、お前も同罪だ!」

「うぐ・・・・・」

 ジャネイロは何も言い返すせずに悔しそうな顔をしている。

 確かに、これではどっちが悪いのか分からない。客観的に聞いたら、ジャネイロの方が権力者側で圧政者である。

 お昼に聞いた話では、宰相が圧政を敷いていると聞いている。

 でも、この男が言う通り、権力者側なら何か出来ると考えるのは当然である。圧政を止められないのは、いじめを見て見ぬふりするのと一緒である。

(これは、確かに襲ってくる奴にも一理あるな・・・)

「ふん・・・・何も言えないか。だったら役に立たない奴は死ね!」

 大男はそう言うと、手を挙げ合図をした。

 すると、弓矢で構えていた4人は一斉に勝彦に狙いを定めて弓矢を引いた。今にも矢は、放たれてしまいそうである。

 結局どうあっても、この男達はジャネイロを殺そうとしている。自分も狙われている。話し合いで解決できるような状況ではない。

 とにかく、今は何が理由であれ、今はこの状況を打破するしかない。

 それに、勝彦にはジャネイロには助けて貰った恩がある。

 考えてみれば、ジャネイロは孤児院を立てたり、診療所を作ったりして良い事をしているのを勝彦は知っている。少なくとも、ジャネイロは悪い奴じゃないのは確かである。

(ここはやっぱり、ジャネイロを助けるべきだ!)

 勝彦は改めて、クー太とジャネイロの前に立ちはだかり、剣を力強く握り構えた。

 すると、弓を引いていた男達は大男の合図で勝彦達目がけて矢を放ったのだった。

 鋭い「ヒュン!」っていう音を出して、4人が放った矢が一斉に勝彦達に襲い掛かってくる。

 だが、勝彦はの気持ちは落ち着いていた。

 矢が当たって殺されるといった恐怖感は全く無く、すごく落ち着いていたのである。

 そして、勝彦は無意識に剣をかざした。

 気が付くと、勝彦の剣から光の壁が出て、すべての弓矢の攻撃をはね返す。

「な、何をした?お前・・・・何者だ!」

 襲ってきた男達は、驚いて勝彦を茫然と見ていた。

 今放った自分の矢が、跳ね返されたのである。驚いて当然だ。

 だが、それ以上に驚いたのは勝彦だった。アルテミスから貰った剣に、この様な機能がついているなんて、一つも知らなかったからだ。ただ・・・妙な安心感に身を任せていたら、体が勝手に無意識に動いただけなのだ。

(はあ・・・?俺は今・・・・何をしたんだ?)

 すべて行動は無意識だった。特に、意識して防ごうとした訳じゃない。

 勝彦は不思議に思ったが、それもすぐに理解した。頭の中に隠されている知識と、強化された肉体が、無意識に体を動かしているんだと自覚したのだ。

 自分が防ぎたいと思えばそう動くし、攻撃したいと思えば無意識に体がそう動く。ゼルに乗っている時と一緒だった。

(これは・・・使える!俺はこの剣を使いこなせるんだ!)

 勝彦は剣を見てそう思うと、急にやる気が出てきた。完全に、TVのアニメや、ゲームに出てくるような主人公になりきっていたのだった。

「ふははは!何を隠そう、伝説の勇者とは俺様の事だ!」

と、相手に剣を突きつける。そして、それをクー太が見て呆れていた。

「もう・・・勝彦君!」

 クー太は勝彦を見て、肩を落としてがっかりしている。

(身体は無意識に動く、剣はハイテク。これほど楽ちんな目立つチャンスはない!ここで調子乗らないで、どこで調子乗れるってんだ!)

 勝彦は、クー太の事なんか気にせずもうすでに自信に満ち溢れていたのだった。

 自分が何かをしなくても、自然と体が動いてくれるのである。意識しなくても危険を回避してくれるし、攻撃しようと思えば反応してくれる。こんなに便利な事は無い。

「何を訳の分からない事を言っている。死ねええええ!」

 襲って来た男達は、弓矢が効かなかったと見るや今度は大きな槍を持った大男が勝彦目がけて突っ込んでくる。

「うおおおおおおお!!」

 それでも勝彦の心は落ち着いていた。

 次取る行動も、特に考えていなかったが、感覚的に動こうと体は反応していたのだ。

「こい!」

 勝彦は堂々と剣を構えて、大男の槍をじっと見ている。恐怖心は全くなく、まるで幼稚園児が突っ込んでくる感覚だった。

 そして、大男は槍を打ち降ろして勝彦に攻撃をする。すると、勝彦はそれを右にスッと避けてかわして、そのまま大男の胴体に剣を向けて振り払った。寸前のところで大男は振り払われた剣をかわす。

 勝彦と大男に、緊迫した連続攻撃が続く。

 でも、勝彦はかわされた瞬間剣についているトリガーを引く。もちろんその行動も無意識である。

 すると、勝彦が持っている剣は衝撃波みたいな光のレーザーが出て大男に当たった。

「ぐあああああ!」

 衝撃はを受けた大男は、悲鳴を上げてその場に倒れこんだ。

 体が痙攣して目の焦点が合っていない。その場に苦しそうに悶えている。


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