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俺とクー太の銀河物語  作者: カツヒコ
第2章 サルガスの悲劇
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第2章 81話

 それから・・・二人の身の上話を聞いて楽しくお昼を食べた後、用事の済んだ勝彦達は早々に街に向かって歩き出していた。

 ジャネイロ達が言うには、早く出発しなければ、街に着く頃には太陽が沈んでしまうと言っていた。アルテミスによると、この星の太陽は、地球の太陽よりも6時間も早く沈むと言っていた。どうやら、この星の太陽は地球よりも早くに沈んでしまうそうである。

 それに、暗くなれば、それだけ盗賊や追剥が出る可能性が高くなる。だからこそ、何とか暗くなる前までに街に着いておきたいと二人は言っていたのだった。

(それにしても・・・・地球の太陽とはちょっと違うな・・・)

 確かに、今、この空に輝いている太陽は地球よりも輝きが鋭く、青みがかっている。例えるならばLED電球の様な青さで輝いている。地球の太陽なら、もっと赤みがかって柔らかい光である。

 勝彦は改めて、地球ではない星に来ている事を実感していた。

「ふあーあ、もうすぐで着きそうだな!」

 街に向かって歩き始めてさらに数時間・・・・ゼルに乗って歩く勝彦は気が抜けていた。今日の目標であるピラミッドに行って、目標を達成した事で安心しきっていたからだ。

 また、帰り道は往きと違って知っている道なので気分的に楽だった。今の所、勝彦は往きの時の様な我儘は言っていない。

 というか、そん必要がないくらい気温が下がっていたのだ。どうやら、この星は一度太陽が沈みだすと、一気に涼しくなる様である。

「そうだね、気温も下がって涼しくなってきたし・・・」

 横で歩いているクー太がそう言ってくる。気がつけば、日も暮れはじめ、空は夕焼けに染まっていた。

 この分ならもう間もなく街にたどり着くだろう。

 そして、遠くの方には街の門が見えている。今通っているこの道も、来る前に見かけた道である。恐らく、後30分もすれば着くはずだ。

 ただ・・・勝彦は一つ気になっていた事があった。クー太はピラミッドの上で、何をしていたのかである。

 あれから随分時間も経ち、今ならアレスとジャネイロは先行して少し離れている。小さな声で話せば聞こえないはずだ。

 勝彦は、ジャネイロとアレスに気づかれない様に、こっそりクー太に近づいて話しかけた。

「なあ、クー太。お前・・・ピラミッドの上で一体何をやっていたんだよ・・・?」

 本当は、あの場ですぐにクー太に聞いてみたかったが、横にアレスとジャネイロがいたので気を使って聞けなかったのだ。

「え・・・!?別にレッドストーンにダークエネルギーを吸収させていただけど・・・?」

 と、クー太は当然のごとく、素っ気なく答える。

「でもさ、赤く光った後に、レッドストーンが消えたように見えたんだけど、あれはどうなったんだよ?」

「ああ、あれはね、ダークエネルギーを吸収して、見えなくなったんだよ。今でも、ちゃんとあそこにレッドストーンは存在しているんだよ。ただ・・・暗黒物質を吸収して、肉眼では見えなくなっただけなんだけどね!」

「ふーん、なるほど、だからダークエネルギーって言うのか・・・」

 勝彦は、いまいちダークエネルギーというものが分からなったが、やっぱりこれ以上詳しい話を聞くのを辞めた。

 ここで尋ねれば、さらに話が長くなると思ったからである。もう、難しい事を聞くのは冥王星に行く時でこりごりである。

 そもそも、何故宝石に吸収させるのか?何故、そんな事をするのか?そんな事はもう、どうでも良かった。

 とりあえず今は、地球を救う為に少しでも前に進む方法があるなら、それにすがるだけだからである。

 気になってクー太に聞いたのも、ただの興味本位だけだった。

「べ、別にそういう訳じゃないんけどね・・・」

 クー太は、困惑した顔で勝彦に答える。どうやら、勝彦の言う(見えなくなるからダークマター)という訳では無い様だ。

 だが、そんな事はどうでも良いい。勝彦にとってはただの興味本位で聞いただけなのだから・・・・。

 そして、勝彦とクー太がそんな風にのんびり話していると、ここで急にアレスが立ち止まり、手で遮って勝彦とクー太を止める。

「しー、二人とも黙って!」

「つけられている・・・」

 隣にいたジャネイロが小声でぼそりと呟いた。

 それを聞いて、勝彦とクー太にも緊張感が走った。ここまで何も起きなかったが、そもそも二人がここまで付いて来てくれたのは、盗賊などが出たら危険だという理由からである。

 それが、ようやく町まで目前という所まで来て、不穏な空気が流れてきたのだった。

 やっぱり予想通り、盗賊が出てきてしまったのだろうか?勝彦は、必死になって辺りを見渡した。

「勝彦君・・・」

 クー太が心配そうに勝彦に駆け寄る。

「大丈夫だ!」

 勝彦はクー太の声に静かに返事をする。すると、アレスは警戒しながらゆっくりジャネイロに近づいて話し掛けた。

「ジャネ、お前は二人を連れて先に行け!」

「いや、でもアレスは・・・」

 勝彦達の目の前で、アレスとジャネイロは何やら相談を始めた。

「俺の実力はわかっているだろ!?それに、もし二人に何かあったら悲しむのはシンシアだぜ!」

 アレスは、自分は残って勝彦達に先に行け!という。だが、勝彦はそんな二人の会話に割って入った。

「なあ・・・・それこそ、一緒にいた方が良いんじゃないのか?」

 勝彦は、二手に分かれるよりも、みんなで対応した方が良いんじゃないのかと思った。下手にバラバラになると、いざという時に助け合えない。勝彦はアルテミスから貰った剣が、ここで役に立つんじゃないかと思っていたのだ。

(助けてもらっている身分だけど、俺にはこの剣がある!いざとなったら自分の身くらい守れるはずだ!)

 危機的状況に陥って、勝彦は気分が高揚していた。完全に二人に混じって一緒に戦うつもりになっていたのだ。

 だが、ジャネイロはそんな勝彦を見て少し考えたが、アレスの方を見て、二人は目が合って頷いていた。

「じゃあ、今回は任せたよアレス!さあ、行こうか二人とも!」

 ジャネイロは、勝彦とクー太に先に急ぐように言う。

「いいのか?」

「アレスなら大丈夫だ!たとえ10人に囲まれても、やっつけてしまうよ!」

「おう、ここは俺に任せとけ!」

 アレスは自信満々で返事をする。

「そうそう!むしろ、僕が残りたいくらいだよ!それよりも、君達を守る方が難しい。さあ早く行こう!」

 結局ジャネイロは、アレスの意見を受け入れ、勝彦達に先に急ぐように言った。二人の信頼関係の事を考えたら当然の結果だけど、勝彦は何となく釈然としなかった。

 別に自分の意見が通らなかったから不満だった訳じゃない。

 ただ、純粋に相手を思いやる優しいアレスが心配だったのだ。誰かが犠牲になって悲しむのは誰だって一緒である。

 でも勝彦は、それと同時にジャネイロとアレスがお互いを信頼しきっている事にも感心していた。ジャネイロは、アレスなら大丈夫だという。そして、アレスも勝彦達を任せると言っている。

 勝彦は、二人が信頼しきっている間に入って、反対する事がどうしても出来なかったのだ。ジャネイロの安心しきった顔をみていると、不思議と勝彦も大丈夫だと思う様になっていたからである。


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