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俺とクー太の銀河物語  作者: カツヒコ
第2章 サルガスの悲劇
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第2章 74話

「おかえりなさいませ!ジャネイロ様!」

 その目の前に現れた女性は、美人だが目つきが鋭く、口はへの字にして無愛想な感じである。

「ただいまネコウネ、今日は大事なお客さんを二人連れてきたんだ。だから、今日の料理は腕によりをかけて作ってよ!」

「かしこまりました・・・最善を尽くします・・・」

 と、ぼそりと答える。勝彦はすぐにジャネイロに近づいてこっそり話しかける。

「誰だ?この綺麗な人は・・・?」

「ああ、紹介するよ!彼女はネコウネ。我が家先祖代々仕えてくれている一族の娘さんだよ。小さい頃はシンシア達とよく一緒に遊んだりもしたんだけどね、今は広い屋敷で大変だから料理や掃除などをやってもらっているんだ!」

「おい、それって・・・もしかしてメイドさんかよ?」

「僕はそんなつもりはないんだけどね、今でも友達のつもりだし・・・・でも、ネコウネは、僕の元でどうしても仕えたいって言うから手伝ってもらっているだけだよ!」

 と、言う。

 だが、ジャネイロは勝彦の言うメイドさんという言葉を激しく否定しない。

「ぐううううう・・・・」

(こいつー・・・殴りたい!)

 勝彦は、ジャネイロにメイドさんがいると分かって軽く殺意が湧いてきていた。

 メイドさんが居るというのは、日本の男にとって幼馴染、婚約者、恋人、に次ぐ重要なファクターである。

 今の所、ジャネイロはリア充としてのステータスをすべて持ている。もはやジャネイロの存在は、何かの映画やアニメの主人公の様だ。

(くそー、ジャネイロは、完璧超人だな・・・彼女いて、男前で、性格よくて、王子様で、そして、何よりもメイドさんがいるとはな!これが格差社会ってやつか・・・?)

 そして、その女性はジャネイロに一礼した後、勝彦達の方を向いて挨拶をする。

「私はネコウネ・ジェンリックと申します」

 と、ぺこりとお辞儀をした。

 シンシアほどきれいな服を着ているわけではないが、一般的に見て、ネコウネはかなりの美人さんである。

 髪の毛は後ろで小さくツインテールに縛って、顔立ちはすごくシャープで、線が細い。

 そして、目つきは鋭いが、それがまた彼女の魅力を引き立てている。

 そして、ネコウネは顔を上げると、じろりと勝彦の方を見つめる。その鋭い視線に、勝彦はたじろんでしまった。

「こ、こちらこそよろしく・・・」

(美人だが・・・何だか怖い・・・)

 勝彦がたじろんでいると、果敢にもクー太がネコウネに話しかける。

「僕はクー太と言います。今日はお世話になりますね、ネコウネさん!」

「こちらこそ、よろしくお願いします・・・」

 と、ぺこりと会釈をする。

「あ、俺は西田勝彦です。宜しく・・・」

 と、勝彦もクー太につられるように遅れてネコウネに挨拶をする。そして、ネコウネも無愛想に勝彦に軽く会釈する。

 そのネコウネの無愛想な姿に、勝彦は何故こんなに無愛想にしているのか気になり始めていた。

(もしかして・・・・俺、嫌われているのか?)

 もしかして、何か不満でもあるのか?急に見ず知らずの客人が来て面倒臭いとか思っているのか?

 勝彦は気になり、ネコウネの表情を見つめてみる。

 だが、特に不満そうにはしていない。

 むしろ、ジャネイロに声を掛けてもらえて無表情の中にも喜んでいるようにも見える。

「じゃあネコウネ、僕は材料の買い出しに行くから、二人の事は任せたよ!」

「かしこまいりました・・・・行ってらっしゃいませ!」

 と、ネコウネは深くジャネイロにお辞儀をする。そして、ジャネイロが門を出て行くのを確認してから勝彦とクー太の方に向く。

「それでは、こちらにどうぞ!」

 そう言って、ネコウネは今日泊まる部屋まで案内してくれる。

(ネコウネさんも・・・・ジャネイロの事が好きなのかな・・・?)

 勝彦は、ネコウネに部屋に案内される途中、ネコウネの事が何となく気になって見ていた。

 それは、ネコウネが美人だからとか、好きになったからとかではない。彼女の性格が、地球に居る知り合いに少し似ていたからである。

 勝彦は地球に居る知り合いを思い浮かべ、本能的にそう感じていた。これまで、ジャネイロのリア充振りからいって、そのフラグは十分立っている。

(まあ、その辺はあまり深く立ち入ったら駄目だよな・・・)

 勝彦は過去の経験から、そう思って、今考えた事は心の奥底にしまい込むのだった。



 そして、その後・・・・勝彦とクー太は、泊めてもらう部屋でしばらくくつろいだ後、ジャネイロが買って帰って来た食材で、ネコウネ特製の豪勢なご飯を御馳走になった。

 ネコウネの手料理は、地球の料理に負けないくらい美味いもので、どちらかと言えば東南アジア系の料理に似ていた。

 勝彦にとって、このネコウネが作ってくれた料理が初めての宇宙人の手料理だったのである。

 そして、ここからが重要なのだが、食事の時にジャネイロからこの国の色々な事も聞いていた。

 前もってアルテミスにも聞いていたが、この国はアントフェス帝国といって数百年間の治世が続いる平和な国家である。

 その政治体系は少し変わっていて、皇帝を一族の中から持ち回りで受け継ぎ、ジャネイロの家もその分家の中の一つだそうだ。なので皇帝による絶対的権力というより、合議制で皇帝を据え置き、複数の権力者によって平和的に国家が治められているのだ。

 それを聞いて勝彦は、この国が絶対的な独裁者じゃない事から、虐殺などの心配する様な危機に陥る事はないのかな?と思って安心していたが、どうやらジャネイロが言うには、ここ数年反乱や暴動など治安は年々悪くなってきているそうだ。

 つい最近も、南の街で反乱騒ぎがあったそうである。

 やはり、何といってもここの時代は中世である。これから、ここに滞在するする上でその辺は気を付けないといけない。

 特に、明日向かうピラミッドは要注意だとジャネイロに言われている。

 そのピラミッドは、アントフェス帝国が建国される前からある遺跡なのだそうだが、今はさびれて雑草に覆われている。

 昔から子供の遊び場として有名なスポットで、気軽にピクニックなどに利用されていたが、最近は盗賊や強盗が出没するので子供や普通の人はあまり近づかない。

 一応明日は、ジャネイロにそこに案内してもらう事になっているが少し心配である。

 まあ、そういったこの星の・・・この国の情報をジャネイロに聞いて、明日への不安を抱きながら、勝彦はその日は早めに就寝する事にした。

 取りあえず、勝彦にとって初めての惑星の初日は、これでなんとか無事に終わったのである。


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