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俺とクー太の銀河物語  作者: カツヒコ
第2章 サルガスの悲劇
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第2章 71話

「じゃあ、あそこに住んでいるって事は・・・ジャネイロのお兄さんって役人か何かなのか?」

「ううん、違いうよ。ジャネのお兄さんは、皇帝陛下でいらっしゃるのよ!」

「ふーん・・・・って、ええ!マジでええええええ!」

 勝彦はすぐさま驚いていた。

(こ、こ、皇帝陛下って・・・・)

「そうよ、ジャネは一応、皇位継承者第3位だったのよ!」

 そう、シンシアは自慢げに言った。

「うええええ!皇位継承者!?」

 その言葉に、勝彦は2度びっくりした。まさか、そんな答えが返ってくるとは思わなかったからだ。

「マジで!?じゃあ・・・・ジャネイロは皇族?」

「まあ・・・一応ね・・・」

 ジャネイロは顔をポリポリと掻いて恥ずかしそうにしている。ここで勝彦はすぐに態度を改める。

「うわー!それはそうとは知らず、数々の御無礼大変失礼しました!ジャネイロ様!」

 と、勝彦は一応頭を下げる。

 仮にも皇族の人を相手に「このリア充が!」って睨み付けてしまった事を少し後悔した。まさか今まで気軽に話していた人が、この国の皇帝陛下の弟だったなんて思ってもみなかったからである。

「いや、やめてくれよ・・・今まで通り、ジャネイロでいいよ!」

 と、ジャネイロは焦りながら取り繕っている。

 皇帝陛下の弟と言ったら、いわば皇族である。なのに、ジャネイロは自分達と同じように接してくる。本来、こんなに親しく接する機会なんて無い立場である。

 そう考えれば、ジャネイロは意外といい奴なのかもしれない・・・。

(それにしても・・・王子様だっとはな・・・・どうりでリア充な訳だ!)

 勝彦はここで、何故か真司の事を思い出していた。リア充でいい奴といえば、自然と真司の事が思い浮ぶからだ。

 ジャネイロの、あまりにものリア充ぶりと人間性を考えると、真司と良い勝負である。

 勝彦は、実は文句を言いながらも、勝彦に最後まで付き合ってくれる真司の事を完全には嫌っていなかった。

 卒業式の日だって、ちゃんと見送りに来てくれていたのを感謝していたのだ。

 何だかんだ言いながらも、勝彦は、真司の事をいい奴だと思っていたのである。

「じゃあ、ジャネイロさんは、王子様って事ですね!」

 勝彦の横で、クー太がジャネイロに尋ねる。

「いや、もう・・・僕は皇位継承を放棄したからね。だから、何の権力も無いただの弟ってだけだよ・・・」

 ジャネイロは宮殿の方を見て、何かを考えながら言った。それを勝彦とクー太は不思議そうに見ていた。

 ジャネイロは、一体何故そんな顔をするのか?さっきから所々に同じような顔つきをする。それは皇位継承権を放棄した事と何か関係るのだろうか?

 勝彦は、ジャネイロが何度も意味ありげな顔をするので、それを聞こうと思った。だが、ここで話を変えるようにシンシアがジャネイロに話しかける。

「ジャネはね、お兄さんの事が大好きなのよね!」

 シンシアの声を聞いて、ジャネイロは明るく語り掛ける。結局勝彦は、ジャネイロに真相を聞くことが出来なかった。

「ああ、僕が兄上をサポートして差し上げて、少しでも力になってあげたいんだ!」

 ジャネイロは、皇帝陛下である兄の事を思いながら力強く答える。それを聞いたクー太がジャネイロに尋ねる。

「へー、ジャネイロさんは、お兄さんの事を本当に尊敬していらっしゃるんですね?」

「そうだよ・・・兄上は僕の為に皇帝陛下に・・・・いや、何でもない・・・とにかく、僕は兄上の為にこの国をよくしたいんだ!」

 と、またもやジャネイロは何かを言おうとしたが、途中で首を振って止めた。

 そして、シンシアがゆっくりと語りだす。

「ジャネはね・・・実は民衆に人気があるのよ、孤児院を作ったり、無料の診療所を作ったりしてね・・・・・少しでもお兄さんである皇帝陛下の評判を良くしようとしているのよ!」

 と、シンシアもジャネイロの事を心の底から尊敬して褒めている。勝彦とクー太も、それを聞いて感心していたのだった。

(こ、こいつ本物のいい奴だな・・・・)

 勝彦は、シンシアがジャネイロの事を好きなのはこういう所なのかなと思った。

「そんな事ないよ、孤児院はシンシアのアイデアだし、診療所はアレスのアイデアだからね!僕はただ、二人の言ったことを実行しただけだよ!」

 ここでジャネイロは照れて謙遜する。

 だが、横で聞いていたクー太が興奮気味でジャネイロに訴える。

「そんな事ないです!僕、権力を笠に着て威張ったりする人って、大っ嫌いなんですよ。ジャネイロさんみたいに、地域に貢献するような事するなんて、僕尊敬しますよ!」

 と、クー太は力強くジャネイロに訴える。

 勝彦は、横で興奮して話すクー太を見て、クー太もベルウイング星では王族だという事を思い出していた。権力のを持つ立場なのは、クー太もジャネイロも一緒である。

「いや・・・・あ、ありがとう・・・」

 と言って、ジャネイロはますます照れている。

(そういえば、クー太も王女様だったんだよな・・・それにしても、権力を笠に着て威張り散らす奴って・・・・そういえばいたな・・・あいつか!) 

勝彦の頭の中に、思い浮かんだのはツキタカだった。クー太の婚約者という事は、ツキタカもかなりの地位にいる立場なのだろう。

(もしかして・・・・クー太の権力嫌いって・・・あいつが関与しているんじゃないのか?)

 勝彦は、横でクー太を見ながらそう思った。

「おーい!シンシア!」

 すると、大通りの向こう側からシンシアを呼ぶ男がいる。

 よく見てみると、大きな角の付いた首の長い牛のような動物に乗って来る男がいる。

 勝彦は、シンシアの事を呼ぶ男の事も気になったが、男が乗っているこの星の動物にも興味を惹かれて見ていた。

「アレスお兄様!」

 と、シンシアが叫ぶ。

 どうやら、牛の様な動物に乗った男はシンシアのお兄さんの様である。

 ここで勝彦は、さっき森でシンシアの落ち込んだ表情を思い出した。

 あの時・・・シンシアがお兄さんの事を言った後、落ち込んでいたし、もしかしたらそのお兄さんがやって来たのかな?と思った。

 勝彦は、もう一度シンシアの顔を見てみたが、今度は別に暗くなっていない。

だったらさっきのは気のせいだったのだろうか?不思議に思いながらジャネイロに尋ねる。

「シンシアのお兄さん・・・?」

「ああ、あいつはシンシアの兄貴で、僕の親友さ!」

 と、ジャネイロがそう言うと、丁度シンシアのお兄さんが牛のような動物に乗って勝彦達の前で止まる。

 勝彦は、そのシンシアのお兄さんを見上げると、金髪の髪の毛が風がたなびきなびいている。


(かこいい・・・・)

牛の様な動物の上から見下ろすシンシアのお兄さんは、釣り目で目つきが鋭く、男の勝彦から見てもかなりのイケメンである。どちらかといえば、ジャネイロよりも王子様といった感じだ。


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