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俺とクー太の銀河物語  作者: カツヒコ
第2章 サルガスの悲劇
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第2章 70話

 それから勝彦達は、シンシアとジャネイロに連れられて街にやってきた。

 街は、勝彦達達が降り立った森から意外と近く、歩いて30分ほどで街の入り口の城門までやってきていた。

「さあ着いたよ、ここがフェストだよ!」

「うわーーーーーーーーーでけーーーーー!」

 勝彦は大きな城門の前で立ち尽くしていた。街は高い城壁に囲まれていて、まさしく古代中国の都の様な所である。

 特に城門はかなり立派で、とてつもなく大きくて、中国の天安門広場の建物くらいあった。それはもう、ちょっとした高層建築と言ってもいいくらいである。

(地球の建物だったら、何階建てだろうか・・・?)

「この門は、出来てから200年は経っている年代物だよ!」

 感心して見ていると、ジャネイロが教えてくれた。

「200年!マジで!?結構歴史が深いんだな・・・」

「そうです、私達が生まれる数十年も前から、ここでは戦争は起きていませんから昔の建物が残っているのよ!」

 と、シンシアも教えてくれる。

「へえー、ここは平和な国家なんだな・・・」

 と、勝彦はつぶやく。

 確かにここに降りる前にアルテミスに教えてもらった通り、ここも比較的平和な国家だと思ったからだ。

「・・・・・・」

 だが、勝彦の一言を聞いてジャネイロはうつむき黙った。何か言いたそうにしているが、何も言わない。

 さらに横を見てみると、シンシアも黙って真剣な面持ちになっている。二人の周りの空気は、一気に凍り付いていた。

(え、俺、何か言ったか・・・?)

 その姿を見て、不思議に思った勝彦は、ジャネイロの顔を覗き込んで話しかけた。

「ど、どうかしたのか・・・・?」

「いや、な、なんでもないよ・・・さあ行こうか!」

 ジャネイロとシンシアは、すぐに顔を上げて、何もなかった様に歩き出す。さっきまでしていた真剣面持ちは無く、すぐに明るくなっていた。

 もちろん勝彦は、二人が無理をして明るく振る舞っているように見えていた。 何故、暗くなったのか聞いてみたかったが、勝彦はこれ以上何も聞けなかった。何も言わないのは言いたくないからと思ったからである。

 そして、勝彦は気になりながらも、黙って二人について行く。勝彦の横で歩ているクー太も不思議そうにしている。

「なあ・・・俺、なんか言ったか?」

 気になった勝彦は、こっそりクー太に聞いた。

「ううん、別に何も言ってないと思うけど・・・・?」

 それから、気持ちを切り替えて勝彦達は城門をくぐって街の中に入っていった。

 勝彦が城門をくぐっている間、多くの人々とすれ違う。商人らしき人物、兵士らしき人物、そして旅人らしき人物。多くの人々がこの城門をくぐって行く。その人多さから、この街には多くの人が住んでいるのだと勝彦は感心していたのだった。

 それに、ジャネイロとシンシアはまさしく地球のヨーロッパ系の白人なのだが、街に来てみると勝彦と同じ東洋系から中東系の人種までありとあらゆる人種の人が行きかっているのが見られる。とりあえず勝彦は、自分の様な東洋系の人間がいても、全く違和感がなくて安心した。

「おい、クー太・・・なんだか俺達、観光に来たみたいだな!」

 と、勝彦は見るものすべてが珍しくて辺りを見渡していた。もちろん、同じ様にクー太も様々な所を見ている。

「うん、そうだね。せっかく来たんだから楽しもうか?」

 そう言って勝彦とクー太は城門をくぐって街の中に入って行く。すると、城門をくぐってすぐ中央に大きな道路が真っ直ぐ伸びているのが見えている。

 そして、その大きな道路の左右対称に、多くの家や建物が並んでいた。丁度、日本でいえば、大昔の平安京の様な佇まいである。

「うわーいっぱい人がいるねー」

 クー太は背伸びしてっ遠くの方まで背伸びをして見ている。大通りには、多くの人が行き交っている。

「もうすぐ祭りがあるからね、各地から人が集まっているんだよ!」

 と、ジャネイロがそっと教えてくれる。

「ふーん、だからこんなに人が多いのか・・・」

「うんまあ・・・本当は、祭りがあるからだけじゃないんだけどね・・・」

ジャネイロはぼそりとつぶやいた。勝彦は、良く聞こえなかったのでジャネイロの方に振り向いて尋ねた。

「え?なんか言ったか?」

「いや、何でもないよ!さあ行こうか!」

 ジャネイロはごまかして、先に進む。だが、さっきシンシアと一緒に黙っていた様な顔をしている。

 勝彦は、ジャネイロが何を気にしているのか不思議に思った。

「ねえねえ、勝彦君!あっちの方に大きなお城があるよ!」

 先に進んでいたクー太が、こっち向いて手招きをしている。どうやらクー太は、この状況を楽しんでいる様である。

 さすが宇宙の旅慣れをしているだけの事はある。それを見て勝彦も、余計な事を考えずに一緒に楽しもうと思った。せっかく地球以外の星に来たのだから楽しまないと損だと思ったからである。

「どれどれ・・・おお!すげーな!めっちゃ格好いいじゃん!まるで、どこかのテーマパークに来たみたいだな!」

 大通りの向こう側に、大きな建物が見えている。それは、周りの建築物よりもひと際大きいのですごく目立っていた。

「あれは八球城って言って、帝がおられる宮殿ですよ!」

横にいたジャネイロが教えてくれる。

「へーこの国の、天皇陛下みたいな人が住んでいるのか・・・」

「ふふふふ・・・あそこには、ジャネのお兄さんが住んでいる所なのよね!」

 と、シンシアが何気に教えてくれる。

「こら!シンシア!見ず知らずの人にそういう事は・・・」

「あら、この人達なら大丈夫よ! それに、今からこの人達を家に泊めるのでしょ?どうせすぐに分かる事じゃない!」

 シンシアは舌を出して可愛く言った。

「ふー、まったく・・・シンシアがそう言うなら、仕方がないか・・・」

 そのシンシアの仕草を見て、ジャネイロは諦めていた。そして、それを見た勝彦は思っていた。

(俺には分かる・・・ジャネイロはいずれ、シンシアに尻に敷かれるんじゃないのか?いや、もうすでに敷かれているか・・・・)

 勝彦はこっそりジャネイロに手を合わたせ。そして、誰にも見られる前にさっと前を向いた。


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