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俺とクー太の銀河物語  作者: カツヒコ
第2章 サルガスの悲劇
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第2章 65話

「ちょ、ちょっと待ってよ!」

 と、クー太は勝彦の後についていく。そして、勝彦とクー太は小さな小型宇宙船に乗り込んだ。中に入ってみると、意外と広く、前の方には操縦席があって、後部には4人ほどが座れる座席があった。

 勝彦はどこに座ろうか迷ったが、とりあえず前の操縦席に座ろうと前に向かう。前にある操縦席に座れば、いい景色を見る事が出来ると思ったからだ。

どうせ、小型宇宙船の操縦も、アルテミスがやってくれるのだろうと思った。

「あ、ちょっと待って!」

 勝彦は操縦席に座ろうとすると、すぐにクー太に止められる。

「そこに座っても、あんまり意味ないよ!こっちの方が、景色がよく見えるよ!」

 と、言ってクー太が後ろの席を薦めてくれる。でも、何処を見渡しても外の景色を映し出していない。

(まあどっちにしても・・・・操縦席の方も何も映っていんだがな・・・)

「え、でも、どの場所も外の景色を映し出してないぞ!」 

 勝彦はクー太にそう言いながら、壁を触ってみたが、不思議な感触をした壁がそこにあるだけである。

「大丈夫、すぐに見えるようになるから。アルテミス!出来る?」

「はい、それでは起動します!」

 アルテミスがそう言うと、小型宇宙船は音を出して動き出した。すると、ついさっきまで、ただの壁だった所が透明のガラスがあるかの様に外の景色を映し出している。

「おお!!・・・・」

 勝彦は感心して、壁に手をついて外の景色をみていた。そこには、さっきまで居た広い格納庫が映っている。整然と並べれらた宇宙船がしっかりそこに見えていた。どうやらこの小さな宇宙船は、完全に起動した様である。

「どう?宇宙船全体の壁が可視モニターで見ることが出来るんだよ!」

 と、クー太は自慢げに教えてくれる。

(それにしても・・・アルテミスって、ほんと便利だよな・・・服装の着替えや、今動き出したこの小型宇宙船の件といい、ほんと・・・すべてが便利すぎる・・・)

 何も触らなくても動き出した宇宙船を見て、勝彦はふと思った。

 ここまで、何をするのだってアルテミスに一声かければ何でもやってくれたし、食事の準備、服の着替え、宇宙船の操縦まですべての事をアルテミスがやってくれている。

 勝彦はこのまま、アルテミスに頼った生活を続けたら、だらけた生活になってしまうんじゃないかと少し心配するのだった。

(まったく便利なものだな・・・・)

「それでは出発します!」  

 アルテミスがそう言うと、小型宇宙船の開閉ハッチが自動で閉まる。そして、宙に浮いて動き出す。

 まさしく地球のTVで見る、UFOの様な感じになっていた。

「こ、これは動いているのか?」

 可視モニターによる景色は、少しだけだが、わずかに動いている様に見える。自分の感覚では、宇宙船は宙に浮いていて、ゆっくり動き出しているように見えた。

 そして・・・動き出した事に感心していると、考える暇もなく宇宙船は急に格納庫の壁に向かって突っ込んだ!!

「おい、ちょっと待て!ど、どこに行くんだよ!!おおおおおい!!」

 勝彦は必至で叫んだ!外に見えている景色からでは、アルテミスの格納庫の壁に突っ込んだ様に見えたからだ。

 だが、小型宇宙船が壁に激突したかと思っていたら、いつの間にか勝彦達は宇宙空間に出ている。

「え?あれ?ここは宇宙か・・・?どうなっているんだ!?」

 さっきまで、確かに勝彦は宇宙船が並んでいる格納庫にいた。でも、気が付くと今は完全に宇宙空間にいる。

 外の景色を見てみると、星々がきらめいていて、下にはサルガス第13惑星が青く輝いている。格納庫まで移動する前に見ていた光景が、そこに広がっていたのだった。

「ああ、あの壁はね、空間構築電磁壁といって、通り抜けることが出来るんだよ!」

 と、クー太が勝彦の疑問に答えてくれる。

(空間構築電磁壁・・・?)

「な、なんだそりゃ?」

 勝彦がキョトンとしていると、クー太が説明を始める。

「えーっとですね、空間と壁を電磁的に固定して、物体を再構築する技術を応用するんです。つまり、空間構築電磁壁は、宇宙船が通り抜けようとするのを確認したら、空間をこじ開けて、宇宙船を通します。そして、宇宙船が通り抜けた後、空間電磁壁をもう一度再構築するんです。わかりやすく言えば、物体の形を保護して、変形して、そして、さらに元に戻すのです。だから、壁を通り抜けたように感じるんですよ」

 と、クー太は丁寧に説明をしてくれたが、勝彦にはさっぱり分からなっかった。

 クー太の話しを聞いている途中で、勝彦はもうすでに理解するのを止めて、殆ど話を聞いていなかった。

「・・・さっぱりわからん!日本語でおkだ!3行で!」

 と、言って分かりやすい説明をクー太に求める。

だが、勝彦はすぐに気づいて後悔した。つい、いつもの癖で、ネット用語で聞いてしまったからである。

(しまったな・・・・こんな日本語、日本人の2ちゃんねらーにしか分からないな・・・)

「え・・・何!?」

 案の定、クー太は意味が分からない顔をしている。

(うっ・・・さすがに、こいつにネット用語は分からないか・・・というか、こいつらと一緒に話していると、こっちだって訳が分からなくてパニック寸前なんだよな・・・)

 勝彦はついうっかり口走った事に後悔しつつも、クー太の言う宇宙の理論についても、うんざりしていた。だが、ここでアルテミスが空気を読んだ発言をする。

「リリア様、ここは私におまかせを!勝彦殿、つまりですね。物は壊れない!ぶつかっても元に戻る!通り抜けた後キレになる!です」

 と、うまく説明してくれる。どうやらアルテミスは、地球の・・・しかも日本のネット用語をきちんと理解してくれている様だった。

(ほんと助かる・・・もし、俺が言った事を理解してくれていなかったら、俺一人馬鹿な奴になるところだったよ。でも・・・なんでこいつは知っているんだ!?)

 勝彦は、日本のネット用語に詳しいアルテミスを不思議に思っていた。でも、それを聞くと自分もそれに詳しいという事を自白する様なものである。

そ れに、下手にアルテミスに聞いて、クー太に説明する事になったら恥ずかしいだけだ。

「ふーん、なるほどね。瞬間的に穴が開いて、閉じたっていう事か・・・?」

 何とかアルテミスの分かりやすい説明で勝彦は理解する事が出来た。

「そうですね、技術的には、別の説明が出来るかと思いますが、そのように思ってくださって結構です!」

 ほんとアルテミスは、物理的にも情報的にも便利で助かっている。アルテミスの存在の安心感は半端じゃない。

 これまでの事で、勝彦はアルテミスがいなかったらこの旅は成功出来ないかもしれないと思った。はっきり言ってしまえば、この旅でアルテミスは生き残る為の生命線である。

 そう思うと、勝彦はサルガス第13惑星に降りた後の事が心配になった。

 一応、危険になったら転送してくれるとは聞いているが、会話はちゃんと出来るのだろうか?その他サポートがちゃんと受けられるのだろうか?否応なしにも勝彦の不安は募る。

「なるほどな・・・それよりも、地上に下に降りても、アルテミスとずっと話せるのかよ?」

 と、心配になった勝彦はアルテミスに聞いてみる。

「はい、もちろん出来ますよ!ちゃんと転送もできますし!ただし、レッドストーンの転送だけは出来ませんけどね・・・・」

 と、アルテミスは答えた。そして、勝彦はすぐに気づいた。

「あ、そういう事か。レッドストーンさえなければ、火星の時みたいに、転送で自由に地上へ、降りられるんだっけ?」

 レッドストーンの存在さえなければ、わざわざこんな面倒くさい事をして降りなくても良かったのである。

 転送ならば、一瞬で地上に降りる事が出来る。いつも通り、転送で直接地上に降りればいいだけの事なのである。


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