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俺とクー太の銀河物語  作者: カツヒコ
第2章 サルガスの悲劇
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第2章 62話

「なるほど、それで、そのダークマターって一体何んだ?」

 だが、今まで色々な話を聞いてきて、ダークマターと言う言葉は初耳である。

「ダークマターは、宇宙に存在する目では見る事は出来ない暗黒物質の事です。実は、宇宙の9割が、暗黒物質と暗黒エネルギーで形成されているんです。これは、宇宙のどこにでもあるのですけど、摘出するのが難しく、摘出できるポイントが限られてしまうのが難点なんですけどね・・・」

 説明しながらクー太は、気難しそうに答える。どうやら、そのダークマターは一筋縄では手に入りにくい様だ。

「ふーん、で、それが・・・サルガスにあると?」

「うーん・・・そうなの!?ねえ、アルテミス!?」

 クー太は勝彦に質問されて、すぐにアルテミスに振る。クー太自身も、アルテミスに任せているから、何故この星に来たのか分からない様だった。

「はい、今回惑星に下りるのは、サルガス第13惑星の地球型惑星です。この星は、新銀河連合領域の最果てにある、文明惑星になります」

「ねえ、アルテミス!ここには新銀河連合の関連施設はあるの?」

 クー太は続けてアルテミスに質問をする。すると、もう一度3Dスクリーンが現れて、サルガス星系の図面が現れた。アルテミスは、その図を使ってクー太と勝彦に説明を始める。

「はい、ありますよ。ただし、さっき言いましたサルガス第13番目惑星にある訳ではありません!この星は、惑星保護条約で保護されている惑星ですからね。なので、管理施設があるのはこの第22番目惑星にあります!」

 映像スクリーンに、サルガス第13番目惑星と、第22番目惑星が示されている。

「おいおい、俺達がその星に降りたら、新銀河連合や、さっきの奴らにバレたりしないのか!」

 新銀河連合に管理されているということは、冥王星の管理局長みたいな奴が、ここにもいるという事になる。だとすれば、サルガスの管理局長が自分達を捕まえに来るはずである。

「大丈夫です!!地球の時もそうでしたけど、数多くの宇宙人が、この惑星に自由に降りることが許されています。よほど、文明に影響する関与をしない限りは、ただの観光客として放置されるだけです!」

(そういえば・・・冥王星にも地球人じゃない人が大勢いたな・・・)

「じゃあその、第13番目惑星ってどんな所なの?」

 クー太は続けてアルテミスに質問する。

「そうですね、惑星内の文明は、勝彦殿の地球と同じ準文明惑星ですけども、うーん・・・・そうですね!この星は、文明ランク2.5と言ったところじゃないでしょうか?」

 アルテミスは少し悩みながらそう答えた。

 でも、勝彦は惑星ランクについての詳しい内容が分からなかった。確かクー太に出会った頃に、文明ランクの話を聞いた。でも、それが具体的にどうランク分けされているのか分からなかったのだ。

「な、なんだよ、その文明ランクって?前も同じ様なこと言っていたよな・・・?」

 それについてクー太が教えてくれた。

「えーっと、それはね。銀河系に人が住んでいる星には、文明ランクというものをつけているんだ。そのランクは、原始的な生活をしている星から、科学技術が進んだ星まで、大きく10ランクに分けているんだよ」

「ふーん、じゃあ地球の文明ランクって、一体どのくらいなんだ?」

「地球だったら、文明ランクはレベル3だよ!」

「俺達地球人で、文明ランク3か・・・ここの星と一体何が違うんだ・・・?」

「うーん・・・アルテミスどうなの?」

 クー太はアルテミスに話を振る。クー太もこの星の事は良く分からない様だ。

「そうですね・・・サルガス第13惑星は、地球の歴史でいったら・・・中世期くらいじゃないでしょうか・・・?」

「中世期って・・・戦国時代とかそんな感じか?」

「そうですね。でも、もうちょっと前でしょうかね。日本で言ったら、平安時代末期になりそうですね・・・」

「平安時代か・・・じゃあ貴族とかいるのか?」

「はい、現在8の大国と、200の小国、数千の地域に分かれています」

「そんなに国があるなら、戦争とかしているんじゃないのかよ?」

 勝彦は、自分達がそこに行っても大丈夫なのか心配になった。

「小さな戦争から、大きな戦争まで、毎日何処かで起きているとは・・・思います」

「おいおい、大丈夫かよ!?そんなところに降りて、もし巻き込まれたらどうするんだよ!?」

 アルテミスはこれからそこに降り立つと言う。という事は、もしかしたらその紛争地域に降り立つことも考えられる。

「問題ありません!危険になれば、すぐにこちらに転送する事も出来ますし、私が無事に戻ってこれるように、常にサポートしてあげますから!」

「おお!じゃあ、いつでも自由にアルテミスに戻れるんだな!?」

 アルテミスの返事を聞いて、勝彦は胸を撫でおろす。

「はい、この星は、冥王星のように転送妨害装置がある訳じゃありませんからね。もし、危険になったらすぐにこちらに転送してあげますよ!」

 それを聞いて勝彦は一安心した。危険になったらすぐに転送してくれるなら安心できる。

「おお、じゃあ安心だな。それはそうと、サルガスの地球だっけ?そこに行くのにどれ位かかるんだ?」

「ここからでしたら2~3時間と言ったとこでしょうか・・・」

「2~3時間・・・結構遠いな・・・」

「地球でも言いましたけど、惑星近くで超空間転移をしますと、重力場に影響を与えますからね。惑星に近づく時は、遠くに転送してから、そして、そこから光速航法で近づくのが普通なのです。まあ、この星なら大丈夫だと思いますが・・・」

 地球から冥王星に行く時も、結構時間がかかった。それに比べれば、別にたいした事はない。

「成程ね、お!あれがサルガスか・・・」

 宇宙空間を映し出しているスクリーンの向こう側に、太陽のように輝いている天体が見えている。まぶしく見えている天体の大きさは、地球の太陽と同じ位の大きさである。

(あれ?今聞いた話では、地球の太陽の20倍と言っていたはず・・・)

 なのに、あまり大きく見えない。

「サルガスって・・・あんまり大きくないな・・・・」

「近づけば相当大きい恒星ですが、今はまだ離れているので、小さく見えるかもしれませんね!」 

 勝彦はしばらくサルガスを眺めていた。地球の太陽に比べたら、小さいながらも眩しいくらい輝いている。アルテミスが言う通り、ものすごく遠くにあるのだろう。それが少し不思議に思えたのだった。

(あれは地球の太陽じゃないんだな・・・)

 勝彦はサルガスという恒星を眺めて、改めて地球から離れた事を実感していたのだった。


 

―それから20時間―――


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