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俺とクー太の銀河物語  作者: カツヒコ
第2章 サルガスの悲劇
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第2章 58話

「なるほど、それなら追手に分からないように、ワープが出来るという事だな。でも、超彗星の前って・・・それって危険じゃないのかよ?」

 確かにクー太が初めに言った通り、かなり危険そうだ。

「もちろん危険だよ!でも、このまま逃げ続けても、いつか捕まってしまう・・・それに、超長距離超空間転移をする為には、どうしても立ち寄らないといけない惑星があるんだよ。だから、その時に追いつかれてしまうんだ!」

 勝彦は思った。今、地球に向かっている危機を考えたら、こんなのリスクの内に入らない。むしろ、高確率である。

(悩む必要なんてない、イケイケゴーゴーじゃないか!?)

「ふーん・・・で、成功率は50%くらいなんだろ?いいじゃん!やろうぜ!地球が滅ぶ確率よりも全然高いじゃん!」

 リスクを感じて後ろ向きになっているクー太に、勝彦ははっきり答えてやる。でも、それを聞いたクー太は少し考え込む。そして、すぐに勝彦に笑顔で返事をした。

「勝彦君・・・・・・・うん!そうだね!やろうか!」

「リリア様・・・いいのですか?」

「うん!僕はアルテミスを信じているよ!君ならうまくやってくれるはずだから!」

「・・・わかりました!では、二人の運命・・・私に任せてください!」

「頼むぜ!アルテミス!」

「了解しました!!」

 ひとまず、勝彦とクー太は自分達の運命をアルテミスに任せる事にした。どちらにしても、ここで駄目なら地球を救うなんて夢のまた夢である。

 それに、勝彦はアルテミスがここで提案するという事は、50%と言いながら本当は自信があるんじゃないかと思っていた。

 ここまでの会話の中で、アルテミスは不可能な事をあまり言わない事に勝彦は気づいていたからである。

「ところでリリア様。シンピ星ヘの進路ですけど、右回りで行きますか?それとも左回りで行きますか?長距離空間転移をするなら、先に決めておいた方がいいと思うのですが?」

「そっかー、そうだよね・・・」

「おい・・・左回りと、右回りってどういう事だ?」

 勝彦は、またもや分からない話が出たので質問をする。そんな勝彦の質問に、クー太が得意げに答えた。

「アルテミス!銀河系をスクリーンに出して!」

 クー太がそう言うと、映像スクリーンが勝彦の目の前に現れた。そこには、銀河系の詳細な図面が示されていて、スクリーンに映っている銀河系は緩やかに渦を巻いて流れていた。

「つまり、銀河系の事ですよ!銀河系はこうやって時計まわりで渦巻状に回っているんです。だから、右回りから行くなら渦の流れに逆らって行くって事、そして、左周りから行くって事は、流れにそって行く。という事になるんです!」

 映像スクリーンを使ってクー太が説明してくれる。スクリーンにうつっている銀河系には、地球の場所が示されていて、シンピ星の場所もわかりやすく示されていた。

 さらに映像スクリーンには、クー太の説明に合わせるように、シンピ星への右回りと左回りへのコースが示されていた。

「へー、普通に考えたら流れにそって行く方がいいよな?」

「左回りですと、新銀河連合の領域なので、少しでも新銀河連合関係者に情報が洩れれば、すぐにツキタカ様に発見される恐れがあります!」

 勝彦とクー太の話に割って入る様に、アルテミスは左回りで行くリスクを示す。そんなアルテミスに、勝彦は逆方向で行く方がいいのか聞いてみた。

「じゃあ、右回りの方がいいのか?」

「いえ、それは何とも言えませんね!」

「それはどういうことだよ!」

 アルテミスの返事ははっきりしなかった。左回りで行くリスクを言ってきたから、右回りの方が良いのかな?と、聞いてみたのに、アルテミスは右回りも何かあるように答えた。

「ユークレース銀河帝国・・・」

 沈黙の中、クー太がボソリと答えると、横で聞いた勝彦がすぐに反応した。

「銀河帝国・・・・?」

 そう言いながらも、勝彦は思い出していた。クー太と最初にあった頃、そう言った国(星)がある事を思い出していたのだった。

「はいそうです。右回りでしたら、ユークレース銀河帝国の領域を通ることになりますね」

 勝彦の疑問にまたもやアルテミスが答えた。

「ん?そっちの方が危険なのか?」

 勝彦はクー太の方を見て、その星について尋ねてみた。

「うーん・・・どうだろ?最近は大きな衝突はないから、敵意を示さなければ、すぐに戦闘という事はないとは思うけど・・・」

 そう言いながらも、クー太は考え込む。そんなクー太を見て、勝彦はイライラして来た。さっきからアルテミスも、クー太も答えをはっきりしない。クー太やアルテミスが何かを発言するたびに、話の内容が理解できなくなってくる。

 勝彦は、もう何が正しいのか分からなくなっていた。そう思った勝彦は、この場の決断をクー太に丸投げする事にした。

「じゃあどっちがいいんだよ!?俺はどっちでもいいぜ!てっいうより、もうお前達に任せた!俺にはもう、全然分からないしな!」

 答えを出さない二人を見て、勝彦は諦めた。こうしている間にも、ツキタカによる攻撃は続いている。早く決断して行動を起こさなければこの危機から脱出できないと思ったからである。

(どうせ俺には銀河系の状況や知識なんて、何も分からない。もう考えるのは辞めた。好きに選んでくれ!俺はもうそれに従うから・・・)

 もう勝彦は、決断を完全に二人に任せる事にしたのだった。

「うーん、アルテミス・・・どっちがいいと思う?」

 勝彦が考えるのを辞めた横で、クー太はまだ考えていた。シンピ星があるのは、銀河の向こう側である。右周りで行っても、左回りで行っても結局ほぼ同じ距離だ。

 問題なのは、どちらで行く方が、危険が少なく行けるかである。

「私はリリア様の指示に従うだけです。あくまで、決めていただくのはリリア様ですよ!」と、めずらしくアルテミスもクー太を突き放す。

「ええ!ねえ、ちょっと一緒に考えてよアルテミスー」

「いーえ!考えるべき事はもう考えました。あとの最終決断は、リリア様が決める事です!」

 アルテミスは、勝彦と同じ様に、あくまで最後の決断はクー太にまかせる様だった。

「ええーそんなー!え~と・・・」

 クー太は頭を抱えて考え込んだ。それを見て勝彦は、何でこんなに考え混んでいるんだろうと思った。

 結局のところ、シンピ星に向かうにのにどっちから行ってもリスク一緒である。

 新銀河連合に違反して逃亡中の自分達にとって、捕まる可能性は一緒だ。後は、わずかな差でどちらがよりリスクが少ないのか?である。


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