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俺とクー太の銀河物語  作者: カツヒコ
第1章 地球の危機!?
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第1章 6話

第一章    地球の危機!?


卒業式から数週間後・・・・。



 勝彦は大学からすぐ近くの、学生が多く住むワンルームマンションに引っ越していた。

 卒業式から数日の間、卒業旅行や引っ越し先の契約などで忙しくて大変だったが、それが過ぎると早く大学が始まらないかと待ち遠しかった。

 そもそも、勝彦は自分がモテないのは、高校時代の地味な生活が原因だと思っていたので、大学が始まれば払しょくされると考えていたのだ。

 もし、自分の事を知っている人間が誰もいない真っ白な状態からなら、きっと自分にも彼女が出来て、きっとバラ色の大学生活が送れるはずだと未来に希望を輝かせていたのだった。


 それから、ワンルームマンションに引っ越して翌日。

 勝彦は気分よく引っ越しの荷物も綺麗にまとめ、部屋の掃除も終わらせ、あとは入学を待つのみになっていた。

「よーし!まずは近所を探検でもするかな?」

 これから4年間の大学生活を過ごす場所である。勝彦は、食べ物屋さんについて調べておきたいと思っていた。一応料理をしようと考えているが、今はまだ何も作れない。食料だけは先に確保しておかないと生きてはいけない。

 まず、生きていくにはコンビニ、定食屋、スーパーなどの店舗を見つけるのが絶対条件である。

 勝彦は、タブレット端末で近隣の地図を検索し、それを持って出かける事にした。周辺を探索して、商品の品ぞろえのチェックをしようと考えていたのである。

 そして、出かける準備の出来た勝彦は、靴を履き、ドアを開け、鍵を閉めて「さあ出かけるぞ!」と、横を向くと驚いてしまった。

 隣の住人だろうか?鍵を開けて中に入ろうとしている人がいるのである。


「あ・・・、こ、こんにちは・・・」

 勝彦はとっさの事で、声がうわずってしまった。出てきた声はいつもの自分の声ではない。とっさの事で、かなり動揺してしまっていた。

 ここは学生が多く住むワンルームマンションである。当然、隣に住む住人も学生のはずだ。

 いずれ、住んでいる住人とも出会う事は分かっていが、思いがけずここで出会ってしまった。近いうちに菓子折りでも持って、ちゃんとした挨拶を考えていたのにいきなりの事で驚いてしまった。

(ど、どうしよう・・・)

「こ、こんにちは・・・・」

 勝彦の挨拶に反応するように、隣の住人も可愛らしい声で挨拶をしてくれる。その声を聴いて女の人?と、勝彦は思って彼女をよく見てみると、さらに衝撃が走った。

 そこに立っていたのは、今まで見た事もない位美しい美少女が立っていたのである。黒髪がすらっと長く、目はパッチリしていて、肌が透き通るように綺麗だった。その場ですぐに勝彦は一目惚れしてしまっていた。

(よ、世の中にはこんなに綺麗な人がいたのか?まあ霧條さんも綺麗だったけど・・・)

 そんな事を考えて、しばらく見惚れて呆然としていると、痺れを切らした彼女が話し掛けてくる。

「あの・・・ど、どうかしましたか?」

 と、勝彦の顔を覗き込む。

「あ、いえ・・・別に何も・・・」

 勝彦は、その美少女に声をかけられてようやく我を取り戻した。

「あ、あの・・・隣に住んでいる西田勝彦と言います。こ、これからよろしくお願いします!」

 と、勢いよく声をあげて深くお辞儀をする。

「こちらこそ、よろしくお願いしますね。あの・・・私は結城菜緒と言います。昨日、引っ越して来たばかりで、A大の一回生です。これから、よろしくお願いしますね!」

 と、彼女も丁寧に深々とお辞儀をする。

「お、俺も!今年からそこに通うんです。こ、こちらこそよろしくお願いします!」

 二人は互いに目が合って笑顔になった。

(か、可愛い・・・こんな子が世の中に存在していたなんて!ああ、生きていてよかった!!)

 勝彦は、結城菜緒の笑顔を見て天にも昇る気持ちになっていた。しかも、同じ大学である。これから何かありそうな予感に期待をときめかせていた。

(ついに俺にも運が向いてキターーーーーーーーー!のか?)

 心の中で叫び、気持ちを切り替えて結城菜緒の方を見る。

「そうなんですか?よかったー。私、田舎から出てきたから友達いなくて・・・。でも、西田さんみたいな人が隣に引っ越して来てくれて安心しました」

 と、彼女は笑顔でそう答える。

(だ、駄目だ!可愛すぎるー)

「お、俺も、初めての一人暮らしで不安に感じていたんです。お互い頑張りましょうね!」

「はい、そうですね!西田さんもこれから色々大変だけど頑張ってください!」

 そう言って彼女は深々とお辞儀をして、自分の部屋の中に入っていった。

 そして、彼女が部屋に入るのを見てから勝彦はその場を離れた。

(はあー・・・いきなりこんなに可愛い子と知り合いになれるなんて、引っ越してよかったー!)

 勝彦はルンルン気分で、自然と足取りが軽くなる。そして、そのままエレベーターホールに向かった。


 それから、エレベーターホールに来ても勝彦は気持ちが高揚していて、そのままルンルン気分でエレベーターに乗り込む。

「さあ、いよいよ来たぞー。俺のモテライフが!!」

 エレベーターの中で気分を高ぶらせ、これからの未来に勝彦は希望を膨らませていた。

 だが、しばらくエレベーターに乗っていると、少しグラッと揺れた感じがする。

 地震かと思って心配になり、目線をエレベーターのメーターに移すが、階数はどんどん下がっていく。特に問題があるようには見えない。

 一瞬の出来事なので地震ではないはずだが・・・・?

「ん?めまいでもしたかな?」

 そのまま気にせずに待っていると、一階に到着してようやく扉が開く。

「さあ、行くぞ!俺の新世界へ!」

 と、勝彦の気分はエレベーターに乗る前と同じで、やる気満々で満ち溢れていた。

 そして、勢いよくエレベーターから降りると、思いがけない光景が広がっていてびっくりした。

 エレベーターから出ると、何もない無機質な20畳くらいの広々とした部屋に立っていたからである。

「あれ!?」

(ん?ここは何処だ!?マンションの1階にこんな所あったかな?もしかして・・・俺は押す階数を間違えたのか・・・?)


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