表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺とクー太の銀河物語  作者: カツヒコ
第1章 地球の危機!?
51/149

第1章 49話

「どうするんだ?」

 勝彦は颯爽と向かっていくアーロン親子を見つめて、キャロラインに聞いた。

「シッ!!黙ってて!心配しなくても、必ず貴方たちを宇宙船のあるところに連れて行ってあげるから!」

 と、キャロラインは真剣な目で語りかける。

 そして、それから三人でしばらくアーロン親子の様子を見ていた。すると、アーロン親子はエレベーターの前の検問を受けている。

「あたたたた・・・お腹が急に・・・」

 遠くから眺めていると、アーロンがお腹を抱えて警官の前にしゃがみ込んだ。

「おい、どうした?」「おい大丈夫か?」心配そうに警官が声を掛ける。

 勝彦はそれを見て、自分が冥王星に到着した時を思い出した。

(もしかして・・・あれは俺が冥王星に来た時に使った、オペレーションHRIT作戦【エロ本隠し】か?う、うまくいくのかよ?)

 勝彦は、遠くから不安そうに見ていた。

「大丈夫かアーロン?」

 そのままアーロンは倒れこんでしまっている。

(おいおい、俺から見ても子供の三文芝居だぞ・・・・大丈夫か!?)

「アーロン!!すみません!早く、救急車を呼んでください!」

 アーロンの父親は必至で警官に懇願した。アーロンの父親の必死の演技のおかげで、アーロンの猿芝居は現実味が出て来ている。それを見て勝彦は、ホッと胸をなでおろす。

(お、これならいけるかも?でも、ここからどういう展開になるんだ?)

「わかった、おい救急車を呼んでやれ!」

 まんまと騙された検問をしていた警官は、アーロンの為に救急車を呼んでやろうとする。

 もう、完全にアーロンが何かの病気で倒れたと勘違いした様である。

「はい!」

 傍にいた警官は、端末機で連絡を取ろうとしたその時だった!

「うおおおおおお!」

 アーロンの父親は急に立ち上がり、警官の一人を取り押さえた。それと同時に、アーロンもむくっと立ちあがり、一目散にエレベーターに向かった。

その姿を見て、警官は茫然としていた。何が起きたか理解していない。

 そして、さらにそれだけじゃなく、ほかにも並んでいた人達が一斉に警官の銃をつかんで取り押さえたのだった。


 この間、ほんの数秒の出来事である。


 アーロンの父親の動きから一斉に警官の動きを止めるまで、10秒も経っていない。どうやら、アーロン親子以外にも協力者はいたみたいで、すべて打ち合わせしていたかのように、手際よくみんなで警官を取り押さえ込んでいた。


「今です!」そう言うと、キャロラインは検問のある方へ飛び出した。


 勝彦とリリアもそれにつられて一緒に飛び出した。目の前にはアーロンの父親が、警官の銃を持って動き回っている。さらに、アーロンはエレベーターの所に到着していて、勝彦達を待っていた。

 勝彦達が走っているその横では、警官と検問に並んでいた地球人達と揉み合っている。

「さあ、早く!」

 エレベーターを動かしてくれたアーロンが、手招きして待っている。

 勝彦達は、警官と揉み合っている横を全力で走ってエレベーターに向かった。

そ して、勝彦がキャロラインの後ろを全力で走っていると、アーロンの父親が警官と、もみ合いながら声を掛けてくる。

「地球を頼むぞ!」

 すると、それにつられるように、他の協力者も、警官ともみ合いながら声を掛けてきた。

「地球を救ってくれよ!」

「無事に帰ってこいよ!」

 警官を取り押さえている多くの人が、勝彦達に声を掛けて来た。勝彦とリリアは、警官と協力者達が争っている中を全速力で走り抜けていったのだった。

(みんな・・・ありがとう・・・)

 勝彦は走りながら、心の中で感謝していた。多くの人達の期待が勝彦の心に突き刺さっていた。みんな、勝彦達に最後の希望を抱いていたのだ。勝彦は感動して、少し涙ぐみながらその場を走り抜けていた。

 勝彦達が走り抜け、アーロンのいるエレベーターに乗り込むと、待っていたかの様にエレベーターはすぐに動き出した。

 今、勝彦の目の前で、警官達に勇敢に立ち向かっている多くの人達の姿が見えている。その姿を目に焼き付けている間に、目の前でエレベーターの扉が閉まってしまったのだった。

 そして・・・・ゆっくりとエレベーターは動き出す。走り出してからエレベーターに乗るまで、ほんの数十秒の出来事である。

 今、エレベーターに乗っているのは、キャロラインと、アーロンと、勝彦とリリアの4人だけだ。エレベーターはぐんぐん上昇している。

「パパ・・・・」

 アーロンはエレベーターの中で父親を心配していた。当然である。いたいけな子供が、父親と離れてここに居るのだから。勝彦は、この小さなアーロンを心の中で尊敬して見ていた。

 父親を置いていってでも、自分達を宇宙船のあるところに送り届けようとしてくれているからだ。

(ホントに・・・みんな、すごい・・・)

 そして・・・キャロラインも真剣な目つきでアーロンを見ていた。勝彦は、そんなキャロラインに気づいて、何で自分達を助けてくれるのか聞く事にした。

アーロンは最初、レストランでリリアにすがった時、母親を地球に置いてきたと言っていた。

 ママを救いたいとも言っていたのだ。アーロンの父親を見れば、並大抵の覚悟じゃないという事が分かる。

 だったら、キャロラインにもここまで協力してくれるからには何か理由があるはずだと思った。多分・・・キャロラインにも、そのような想いがあるんじゃないかと思ったのである。

(俺は・・・・それを聞いておかなければならない・・・)

 勝彦は深くそう思っていた。

 地球の人達の・・・生の想いを聞いて背負って出発しなければならないと思ったのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ