第1章 21話
「過去に数多くの探査船や、移民船が出ているけど、今、分かっている限りでは、定期的に連絡は取れていませんからね!」
「ふーん・・・なんで連絡が取れていないんだ?」
「えーっと、帰ってこれなかった船や、途中で帰ってきた船とか色々あるんだけど、アンドロメダ銀河から帰還した船は、今の所・・・・・・無い・・・・・のかな?」
クー太は首をかしげている。
「おいおい、やけに自信なさげだな・・・」
「分からないといった方が確実かな。なにしろ銀河系だけでも、数多くの文明星があるから、もしかしたらどこかの星が技術的に往復しているかもしれないんだ・・・・・そうだよね!?アルテミス?」
と、自信のないクー太はアルテミスに聞く。
「はい、でも噂レベルでは色々と話はあるのですが、今の所確証はありません!」
「へー、じゃあその銀河連合とかでは・・・行っていなんだな!?」
「アルテミス、どうなの?」
クー太が続けてアルテミスに聞いている。
「実際の所わかりませんね。新銀河連合同盟加盟星だけでも、数千はありますし、加盟していない星で、ものすごい技術の高い星もありますので。それに・・・銀河ユークレース帝国という単独で数多くの星を支配している星もありますからね・・・」
(アルテミスの答えでも、かなりあいまいだな・・・・という事は、分からないのか?)
「それにしても銀河帝国って、まるでスターウォーズだな・・・・」
ホント、話を聞けば聞くほど、SFの世界の話である。
今でこそクー太の話を信じているが、今まで聞いた話はすべて、どこかのSF映画の設定みたいな話である。
とても現実の話とは思えない。もし、地球に帰ってほかの人間に話せば「中2病乙」って言われるのが関の山である。
「事実上、銀河系人類の発展は、銀河ユークレース帝国と新銀河連合同盟によって発展したようなものですから・・・」
「ふーん、で、その銀河ユーク・・・?なんだっけ?」
「銀河ユークレース帝国ですか?」
と、クー太が教えてくれる。
「ああ、その銀河ユークレース帝国ってどんな星なんだよ?」
「いえ、僕もあまり知りません。実は・・・新銀河連合同盟と、ユークレース帝国は、現在戦争中ですので・・・」
「え、そうなの・・・?」
「はい、表だって大きな軍事衝突は最近では起きていないのですが、形式上、今現在も戦争中なんです」
「ふーん、やっぱ技術が進んでも、戦争は何処でもやっているんだな・・・」
(まったく、いつの世も戦争をやっているなんて・・・)
勝彦は少しがっかりした。地球で争いが絶えないのは、地球の文明が遅れているからだと考えていたからである。
勝彦は、地球人類のすべてが文化的な生活が出来るようなれば、きっと争いは無くなるもんだと思っていた。
実際、今の話を聞くまで、いずれ地球文明が発達すれば戦争はなくなると思っていた。でも、どうやらそうではないようだ。これだけ文明が発達した人々でも、戦争をしている。戦争は、人間にとって切っても切れない関係なのかもしれない。
「それで、どれくらい戦争しているんだ?」
「うーんと、多分3000万年くらいでしょうか・・・?」
「3000万年!?そんなに戦争しているのか?えーと、ちょっと待てよ、歴史の授業だと、地球に人類が出てきたのが400万年前くらいだから・・・えーと・・・もしかして、地球に恐竜が居たころから戦争しているのか!?」
「いえ、勝彦殿。地球の恐竜時代は6500万年前ですよ!」
と、アルテミスが間違いを指摘する。
しかし、勝彦にとってそんな事はどうでもよかった。むしろ、これほど長く戦争をしている事に驚いた。
「あ、そうなの!?・・・いやでも、どっちにしても長すぎるだろ!?」
「そうですね、すでに人類発祥の星は滅んでなくなっていますし、戦争が始まった初期の文明星もほとんどがなくなっていますからね・・・・」
「それなのに、今でも戦争しているのか・・・?」
「そうです、途中何度か停戦や休戦は挟んでいるけど、未だに戦争は続いています」
「で、最初の戦争の目的は一体何なんだよ?」
(それほど長く戦争する理由って一体何なんだ?)
「それは・・・・わかりません!」
「え、わからない!?」
「はい、もう戦争は形骸化していて、当初の戦争目的は失われていますから・・・」
「だったら、なんで戦争なんてするんだよ!」
「理由は様々です。惑星の領有争いから、過去の因縁などです」
「因縁ね・・・まあ、あんまり今の地球と変わらないな・・・」
さすが宇宙規模の戦争はすごい。戦争をしている期間の桁が違う。
(それにしても、技術が進んでも時代が進んでも、戦争がなくならいのは悲しい事だな・・・)
と、勝彦は少し残念な気持ちになった。
「お話し中のところすみませんが、ただ今木星に到着しました」
クー太と話していると、ここでアルテミスが到着を告げる。
ク ー太との話に夢中になっていて、木星に向かっていた事をすっかり忘れてしまっていた。
勝彦は、席を立ってよく見える場所に移動すると、宇宙空間が見えているスクリーン上に、茶色と白色の縞模様の巨大な惑星が見えている。
「おお!!あれか!?」
さらに『ハッ』と気が付くと、部屋全体が地球や火星の時と同じ様に、全面可視スクリーンになっていた。
アルテミスが気を利かせて、何も言わなくても勝手に全面可視スクリーンにしてくれた様である。
そして勝彦は、この部屋で宇宙空間に浮かぶ木星と対峙している状況になった。木星はどんどん近づいていく。
「これが・・・木星。でかい、でかすぎるぞー」
「へえー、確かに比較的大きめな惑星だね・・・」
クー太も真剣になってみている。クー太もこういった惑星を見慣れているんだろうか?
「こんなでかい星があるなんて・・・信じられないな・・・」
勝彦は、口をポカーンと開けて木星を眺めていた。木星を見た瞬間、今までの話なんてすっかり忘れてしまった。
今まで地球、火星と見てきたけど、木星はケタ違いに大きかったからだ。
地球の時は・・・宇宙から見下げる感じだったが、木星は宇宙にいるにもかかわらず見上げる感じだったのである。
「そうですね、木星は半径で言ったら、地球の11倍ですからね」
と、アルテミスが木星について教えてくれる。
「11倍!?それ以上に見えるんだけど・・・」
全面スクリーンだから、頭上の方にも木星が見えている。けど、今までの惑星に比べて桁違いに大きい。




