序章 1話
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きれいにまとめてからこちらで公開しています。
話数区分けは適当です。
(なので題名はありません。本来は続けて読んでください)
まだ未熟な物で、誤字脱字、意味不明な文章が出てきますが、日々読み返して修正してます。読めない箇所はスルーして読むことをお勧めします。
この小説が面白くなってくるのは2章が終わってからです。
できれば、そこまでは見てもらえたらいいな。
「俺とクー太の銀河物語」
序章 出会いと別れ
桜が蕾を付ける頃、世の中は卒業シーズンを迎える。
卒業は誰もが迎える人生の数少ないイベントだ。
最近では、何かを辞めたりする事を卒業と言ったりするけど、学生での卒業は一生に数回しかない。
学生での卒業式では、みんな家族や知人に祝ってもらえる。
でも・・・・それは親しかった友人との別れの時でもある。
いつか、別れの日が来るとわかっていても、みんな当然のように親しくなってしまう。
それは、一緒に過ごした日々が、人と人の関係を強く、そして、より重くしていくからである。
学生の間に一緒に過ごした友人との時間は、それはもう、家族といっても過言ではないのかもしれない。
たとえ、いずれ別れが来て涙を流すことになっても、積み重ねた時間と記憶が心の中にいつまでも残る一生の宝物になるからだ。
そして、人は別れを惜しみつつも、また次の新たな出会いに心をときめかせる。
ほら、見てごらん?
あそこに立っている卒業生たちの笑顔を・・・まだ見ぬ未来に向かって輝いている・・・。
学校の卒業風景が街角でみられる中、悲しそうに卒業風景眺めている青年がいた。
年の頃は卒業生と同じ十代だが、卒業する彼らに比べると少し大人びている。
それに、何かを悟った様な雰囲気を醸し出している。
悟ったといっても、何か宗教的な悟りを開いたわけでもない。
また、精神的に老け込んでいるわけでもない。
ただ・・・どことなく寂しげで、もの憂げな感じで眺めているのである。
その雰囲気は、老人が若者を見つめるようではなくて、何かとても悲しい出来事が起こったような悲しげな顔をしていた。
そして・・・・その青年は卒業生を眺めた後、名残惜しそうにその場を離れていったのだった。
「先輩?!」
校門の前で、多くの卒業生が花束を持って記念撮影をしている中、ある卒業生が、さっきまで青年がいた場所に走り出していた。
「真司!!どうしたんだよ!」
後から追いかけてきた友人が声をかける。
「いや、今さっきここに西田先輩がいたような気がしたんだけど・・・」
「西田先輩が?まじで?だったら何で声をかけてくれなかったんだよ?」
その友人は首をかしげていた。
「そんなの分かる訳ないだろ?先輩にだって色々あるんだろ?」
「そういえば、去年はここで西田先輩を見送りに来たんだよな、俺達・・・」
「ああ、あの時は先輩も俺達も、バカばっかりしていたな・・・」
そう言って真司は、過ぎ去った青年の方向を眺めてつぶやいた。
「そうだな・・・そういえば、あれから⒈年が経ったのか・・・」
「そうだな・・・色々あったな・・・」
二人はいつまでも過ぎ去って行った方向を眺めて、去年の西田先輩の卒業式の事を思い出していたのだった。