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二瀬です。④

お隣のベルを鳴らすと、中から男の人が現れた。


このアパートで初めて見る、同年代くらいの男の人。

今まで寝ていたような寝ぼけ眼で扉を開いた。


「あの、お隣に越してきた二瀬春佳です。」

「…」

「えっと…これ、よかったら…」

「…いくつ?」

「え?」

「歳。おねーさんいくつ?」

「私は18ですけど…」

「同い年だね。今年で大学?」

「はい。短大ですが」

「どこの?」


相手が身体を扉の隙間からぬぬ…と出す。

どうやら興味が出たようだ。


「明の星女子ってところです」

「あー、俺その隣だわ。光稜大なんだ」

「へえ…すごいですね」

「ね、すごい縁だ」


私が言った「すごい」は、光稜は全国でもトップレベルの大学だから入れるだけの実力を持っててすごいですね、という意味だ。

どうやら伝わってないようだが。


「俺は西原悠希。タメでいいよ。よろしくね」

「あ…うん。よろしく」

「じゃあこれ美味しくいただくね。俺、高校生の時からここに住んでるから、困ったことあったら頼って」

「うん。ありがとう」

「そんじゃ」

「うん、また」


目の前で扉が閉まった。


ここまでで一番、体力を使った気がする。

どっと疲れが押し寄せてきた。


「みんないい人そうでよかった…」



これからの生活に期待しながら部屋に戻り、私は部屋の片づけを始めた。

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