第三話 粛清
第三話 粛清
わがコリディアスに反乱をおこすとは・・・あわれな日本国民共よ! 傾国の民族が!
「NinJAども、やつらを残らず粛清せよ!」
「シュ!シュワッ!」
NinJAたちはバトルフォーメーションをとり、瞬く間に反乱軍を鎮圧していった。なみの人間ではNinJAたちにたちうち出来るわけがない。彼等はコリディアスの技術の粋を結集して作製された、人造人間なのだから、おそらく、SATが50人相手でも、12人のNinJAにはかなわないであろう・・・。
「待て!反乱首謀者はまだ殺すな!あとで見せしめに、なぶりごろす!よいな!」
「シュ!シュワッ!」
NinJA達はふりかえり敬礼した。反乱は一時間もしないうちに鎮圧されたが、反乱の弊害は大きかった。それはいままでベルトコンベアーで働く作業員や 基地を警護する守備兵が大量に反乱に加わっていたことだった。裏切り者は全員抹殺・・・これはコリディアスの不動の掟だ。・・・原子力潜水型空母デッド・ピアスの完成は遅れるのは必至だった。そこで私は組織改革に乗り出すことにした。すなわち守備兵の人造人間化、そして、生産施設のフルオートメーション(完全機械化)である・・・。しかし、これには莫大な費用が必要だった。日本国に偽札をばらまくだけのいまの収入ではこれ以上の増益は見込めない・・・。そこで、私は石油に目をつけた。まず情報長官のレディーKをOPEC(世界石油輸出国機構)におくりこみ役員たちを買収し、新しくつくった会社の名前で石油を大量に買い込む、これを繰り返し石油価値を意図的に高め、それらが確実な利益を得れるまで、しばらく売らずに備蓄する・・・。まあ簡単にいえば石油会社をつくって大量に石油を買い占めるだけだが・・・。石油を動かすものは世界を動かす・・・。今後のコリディアスの活動のためにも、表の世界に大企業をもっておくことは賢明でもあった。新しくつくった石油会社は名前をヒューズアンドトーストカンパニーとし。スペインの石油会社からカルロス・ボーンをひきぬき社長に据えた。すでに彼はアルツハイマーにおかされていたが、所詮、操り人形だ・・・。そういう意味では彼ほど有能な操り人形はいない。
・・・・・・おもいのほか私の石油ビジネスは巧くいった。日系企業としてアメリカに高値で石油を売り捌き、アメリカの戦争を助長する。イラクやアフガニスタンでアメリカが疲弊するのはコリディアスとしても歓迎すべきことだった。いずれかの国はわがコリディアスのもっとも難敵になることが明らかだったからである・・・。
「総帥ついに特殊ヘリタイガーの武装開発が完了しましたぞ。」
わたしが人造人間レイコ。ハルマルの乳首に洗濯ばさみをとめていると、執務室に白髪頭のサイレント・ピエールがノックもせずに入ってきた。・・・これだからフランクは・・・。わたしは気にするそぶりも見せず、彼の話を聞いていた。しかし、そのとき、執務室に赤ひげジャック・クライスラーが走りこんできた。
「総帥!緊急事態です。反乱軍の首謀者、古居武男が女戦士真田ーんに開放された模様です。警護兵 数名にけが人がでた以外は他に被害はありませんが・・・。」
「ナニ?真田〜んが・・・・・・一体何者なのだ?其の女・・・なにをたくらんでいる?」
赤ひげは首をかしげていたが、少し間をおき間抜け面で答えた。
「追っ手は出しましたが、やつは強敵・・・なにか策をこうじねばなりませんな・・・。」
私は特殊携帯オスカーをとりだし、着信履歴からアーサー・クロムウェルを選び通話ボタンを押した。
トゥゥルルルルル トゥゥルルルルル トゥゥルルルルル