第十一話 古居 武男
俺の名は古居武男・・・32歳・・・。
あの日、時給800円でコリディアスの工場でライン作業をしていた俺に隣でネジをまわしていた岡村がいった。
「しってるか?ビートツヨシ殴って、アイドル辞めた、稲村真二、今度うちの会社に、裏就職するらしいぞ。しかも、いきなり、正社員で総帥候補だってな・・・。
こっちは不景気なのに羨ましい限りだよな〜。」
岡村は外見は地味なブサメンだが、要領がよく、裏では悪口、表ではヨイショが上手いおとこだった。
・・・俺は岡村を相手にせず、無口に作業を続けた。俺は今はこうしているが実はただのバイトではなかった。
公安調査庁(日本国唯一のスパイ機関・・・オウム真理教などを摘発した実績をもつが・・・スパイ機関の力を諸外国からみれば4流・・・)の官僚であり、防衛大学医学部を卒業したあとフランス外人部隊でアフガニスタン、イラクと戦場を渡り歩いてきたのち、公安調査庁に入り、コリディアスにスパイとして送られた人間でだった。日本国にしても、アメリカが焦土化するまえの、あの時点ではコリディアスの存在には気がついていたが、オウムや法の華レベルの宗教団体くらいの認識しかされていなかった。俺が偽札偽造、人体改造実験、核融合研究の疑惑を公安調査庁につきだしても誰も相手にしなかった。
確かにあの平和ボケした国の機関では、まさか自国の中でそれらのことが進んでいるなど、夢物語にすぎなかったのだろう。俺はあの日、決心した。ヒロイズムに駆られたのだ。
コリディアスの事実を知る同志300人とともに、総帥とNinJAが不在時に、一斉蜂起し、秘密基地を奪取し、基地の秘密を白日のもとにさらすつもりだった。しかし、最初は優勢に運んでいた蜂起も、いつのまにか総帥になった稲村真二が率いるNinJA部隊の帰還によりあっけなく、全滅させられた・・・。生き残ったのは真田〜んに救出された俺一人・・・。
俺は津久田平八郎博士に命を救われ、半人造人間として改造され、世界崩壊後こうして、レジスタンスを率いている。
コリディアスを倒す方法はただ一つ・・・。サイレント・ピエールと真田〜んを殺すことだ。
津久田平八郎はサイレント・ピエールから渡された、ピエールに絶対服従する洗脳プログラムを私にはインストールしなかった。津久田平八郎博士 いや、本田平八郎博士はサイレント・ピエールの野望を止めることを考えていたからだ。その最終チャンスは私に託された。私はこれから日本に向かい、真田〜んを破壊せねばならないのだ。