第十話 ピエールの陰謀
ワシの本当の名はアレクセイ・ピエール・真田・・・。
ここ、コリディアースでは、無能なる主君、稲村真二の副官を務める。
実質ナンバー2ではなく、影の総帥として、コリディアスを動かしているのはワシだ・・・。
あんな青二才の若造にワシ抜きで世界を征服できたはずがない・・・。
あの青二才はまだ気づいておらぬようだが、真田ユウキ、いや女戦士真田〜んは、ワシの実の娘にして、最高傑作、究極の人造人間だ。NinJAの百倍の身体能力と、多機能レーダーを搭載し、外見は17歳の少女であるが、27年前に人間から、人造人間に改造してからは決して年老いることもない。
北朝鮮や、大阪の淀川でNinJAや、特殊ヘリ・タイガーを用いた実戦データをとるために実験もしたが、やはり、間違うことなく、真田ユウキ、いや!真田〜んは私の最高傑作だ!
NinJAも旧式人造人間レイカも真田〜んに比べれば、ガラクタにすぎん・・・。
あの若造が日本から帰ってくることはないであろう・・・。
すでに助手の津久田平八郎に、暗殺遂行プログラムは渡してある。これでワシが世界皇帝だ。どれほど長い時間と、莫大な金、そして、自分の家族をも人体実験に使ってきたか・・・。
あの若造は無能だったが、客寄せパンダとしては優秀だった。
若さ、優れた容姿、行動力、若き革命リーダーとしての素質は十分だった・・・。
しかし、あの若造もつくづく、不幸な男だ・・・。
自分の惚れた女に、しかも、父の元恋人に殺されるのだからな・・・・。
クックックッ・・・・。
いまより、これまで人体実験を通して得た技術をもちいて、ワシは己自身を改造し、新たなる神(真田〜んを上回る人造人間)として生まれ変わる・・・。決して死ぬことも無く、最強の人造人間として永久に生き、永久に人類を支配するのだ!
クッハッハツハツ・・・・。
ケッハッハッツハッ・・・・
ゲホッ ゲホッ ゲホッ オエー (ジジイ独特の咳き込み)