第4章 システムの安定化とバグ抑制という観点
4-1. ストレージ全体のバランス
仮想現実が無数にあるとしても、それらを管理する上位ストレージには“全体を最適に運用する”という目的があると考えられる。バグや不要ファイルが増えるとシステムが混乱するため、定期的に“整理”が行われる。人間から見るとこれが“最後の審判”や“世界の終末”として表現され、特定人数を選んで残すことが必要となるのかもしれない。
4-2. コマンドによるバグ排除
神域物理学派の視点だと、人間の暴走や環境破壊、技術的特異点など、下位世界がシステムの安定を脅かす事態(いわゆる“バグ”)が増えると、創造主が修正パッチや一大リセット(黙示録的破局)を実行する可能性がある。
そこで、必要データを抽出して再構築(救済)し、不必要なデータや不具合要素は廃棄(滅び)にするわけだ。こうした管理視点は“人間の道徳的優越”よりも“システム全体の健全性”を優先する。
4-3. 救済の意味の希薄化
上記のように見れば、黙示録の救済は“下位存在の良心への報い”などではなく、“システム上必要性が認められたファイル”を残す行為に近い。人間社会の言う“善”が必ずしも採用されないともなれば、私たちの価値観や倫理が創造主の選別に影響する保証はない。
この認識に立ったとき、伝統的な「善行に励んで救われよう」という宗教観は相対化され、むしろ“神の都合”がすべてを決める非人間中心主義が浮かび上がる。




