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プロローグ





―残念ですが、ご臨終です。



青白い顔をしてオペ室から出てきた医者にそう告げられた時、陸の隣で、汐屋はゆっくりと崩れ落ちた。



夕方から降り出した雨で外はいっそう暗く、病院の中にこもった独特な匂いが、湿気によってより際立っている。






汐屋は俯いて静かに泣いていた。細かく震える肩に、押さえ切れずに零れてくる嗚咽。シャツの襟元から剥き出しになった項がやけに白くて、陸は病気がちだった自分の母親の姿を思い出した。








今日、兄が死んだ。


夏の終わり、明け方近くのことだった。





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