第69回 滝夜叉姫伝説
今回はちょっとマニアックな話になります。
ゲーム「桃太郎電鉄」あるいは「桃太郎伝説」に「夜叉姫」という女性キャラが登場します。
ゲーム上では、割と可愛らしいデザインですが、実はこの夜叉姫にはモデルがいます。
それが、今回の滝夜叉姫。
滝夜叉姫は、平将門の娘とされる伝説上の妖術使いとされています。本来の名は五月姫または滝姫と呼ばれており、平将門の三女、如蔵尼と言われています。
将門には、何人かの娘がいたと伝わってますが、その中でも如蔵尼は説話や伝説の中で非常に有名で、『今昔物語集』や『元亨釈書』などに記されています。
その中で、彼女は大変美しく、結婚を求められても断り続けていたそうです。
父・将門が謀反して敗れ、一族に誅罰が及んだので、奥州に逃れ、恵日寺の傍らに庵を結んで、独りで暮らしたそうです。
ある日、彼女は病気で死んで地獄に落ちますが、地蔵菩薩の助けにより蘇生します。地蔵菩薩の慈悲を受けた彼女は地蔵に深く帰依し、法名も如蔵尼と改め、専心に地蔵を持し、齢80余りで亡くなったと言われています。
滝夜叉姫は如蔵尼をモデルに、江戸時代に山東京伝が読本『善知安方忠義伝』で最初に語ったものと考えられています。福島県磐梯町の恵日寺にある如蔵尼の墓碑に『滝夜叉姫が将門の死後に再興を図ったが失敗し出家した』と記されています。
天慶の乱で父・将門が討たれ、一族郎党は滅ぼされるも、生き残った五月姫(=滝夜叉姫)は怨念を募らせ、貴船明神の社に丑三つ時に参るようになります。満願の二十一夜目には貴船明神の荒御霊の声が聞こえ、五月姫は妖術を授けられ、滝夜叉姫となったと言われています。
その後、滝夜叉姫は下総国(現在の千葉県北部と茨城県南西部)へ戻り、相馬の城で夜叉丸や蜘蛛丸ら手下を集め、朝廷転覆の反乱を起こそうとするも、先手を打った朝廷が滝夜叉姫成敗の勅命を大宅中将光圀(通称太郎)と山城光成に下していました。
相馬の城の内裏に追い詰められた滝夜叉姫はドクロの化け物を呼び出し応戦するも、激闘の末に敗れます。敗れた滝夜叉姫は死して平将門のもとに昇天したとも、尼寺に入り生涯をすごしたとも言われています。
なお、江戸時代の浮世絵師、歌川国芳の「相馬の古内裏」という浮世絵があり、割と有名な巨大なドクロが描かれた絵なんですが、そこにドクロを操る滝夜叉姫の様子が描かれています。
気になる方は、検索してみて下さい。すぐに出てくると思います。
現在、茨城県つくば市松塚の東福寺から200メートルほど場所に、離れた小さな塚があり、東福寺周辺では滝夜叉姫の墓であるとされています。なお、東福寺周辺では滝夜盛姫と伝わっています。
歌舞伎や夢枕獏の小説にも登場します。
ゲームでは、可愛らしい姫の姿で描かれていますが、実は結構怖い伝説がある姫ということがわかりますね。




