第66回 ペルソナ・ノン・グラータと中国の嘘
だんだん、歴史より現代政治的な話になってきてますが。
今、一番注目されているのが、こちらの話。
元々は、立憲民主党の人の質問に対し、高市早苗首相が「台湾が攻撃されたら、日本にとって存立危機事態になる」と発言し、それに、駐日大阪総領事の薛剣が、
「その汚い首は斬ってやるしかない(原文一部抜粋)」
などと言ったことが発端。
まあ、普通に考えれば、こんなのは即時に「ペルソナ・ノン・グラータ」として、国外追放するべきです。
そのペルソナ・ノン・グラータ(Persona non grata)。元はラテン語です。英語では「person not welcome」と言いまして、要は「好ましからざる人物」、「受け入れ難い人物」を指します。
そもそも大使でも、総領事でもそうですが、外交官は「その国と一定の友好を保つ」ために派遣されるわけで、それが相手の国のリーダーに対し「殺害を予告」するような宣言をしているのです。
そして、それをかばって、さらに日本を非難してくるのが、中国という国。
中国は、メンツを重んじるから、「絶対に謝らない」ところがありますが、個人的な見解からすれば「何て下手な外交だ」と思いますけどね。
何しろ、中国のスタンスは「強い国にはへつらい、弱い国には徹底的に脅す」わけで、ヤクザの手法と変わらないのですから。
そんなことやってるから、国際社会からは信用されないわけです。
ちなみに、中国がよく使う「台湾は我が国の一部だ」というのは真っ赤な嘘。
中国の歴史を見ると、ごく一部で台湾に干渉したことはありますが、歴代の王朝のほとんどが台湾を「無視」、もしくは「軽視」しているのです。
その証拠に、明治時代初期、日本が台湾を攻める時に、中国に聞いたそうです。「ここ(台湾)って、中国の物?」
って。
答えは、
「化外の地」
だったそうで、これは「自国の統治が及ばない土地」という意味。
それを聞いた日本は、
「わかった。だったら攻めるわ」
ということになり、台湾出兵になってます。
(めちゃくちゃざっくりした説明ですが)
そして、もっと重大な嘘。
「抗日80周年」
中国は、これを大々的に宣伝し、「日本に勝って80年」みたいなことを言ってますが、これがそもそも壮大な嘘です。
第二次世界大戦当時、旧日本軍が中国大陸で戦っていたのは、「国民党」軍の蒋介石率いる軍です。
つまり、現在の中華人民共和国の元となった、「中国共産党」とはそもそも戦ってないどころか、彼らは毛沢東を首領としてましたが、逃げ回ってたのです。
日本は、情けない国だから、それを全然国民に教えないんですが、史実としてはそうなってます。
つまり、「中国共産党が日本に勝った」ことは過去、一度もないのです。
まあ、今さらですが、中国も、そして韓国も平気で嘘をつきますからね。
そして、蒋介石率いる国民党が、台湾に渡って、現在の台湾になったわけです。皮肉なことに、「日本と戦った」台湾と仲良くなり、「日本と戦ってもいない」中国がキャンキャン吠えているわけです。
それでは、実際に「台湾有事」が起こったらどうなるか?
これは、もちろん私の「想像」でしかないことを最初に言っておきます。
恐らく「中国は勝てない」と私は見てます。
確かに兵力的な面から言えば、中国の方が圧倒的に強いのですが。
軍というのは、兵力が多いから勝てるわけではなく、質が重要になります。装備面・指揮面・指揮官の優劣など。
その観点から見ると、中国軍 VS 台湾軍+米軍+自衛隊となった場合、恐らく長期的には、台湾軍・米軍・自衛隊が勝ちます。
最も、それまでに相応の犠牲者は出るでしょう。
なので、もちろん私は「戦争が起こって欲しくない」と思ってます。戦争なんて起こらないに越したことはないのです。
その意味では、高市早苗首相が、歴代の中国に忖度する首相と違い、「真っすぐに」意見を述べているのはいいことで、中国が怒るということは「正しい」ことなのですが。
ちなみに、中国軍自体、実は内部抗争をしていて、統率が取れていないとか、習近平の命令に背く傾向があるとか、色々と言われてまして、その意味では「一枚岩ではない」と言えます。
なので、仮に中国軍が台湾に攻めても、勝てないかな、と。
台湾軍は米軍や自衛隊の支援を受ける上に、台湾中央部には山岳地帯があるので、そこに籠って、長期的なゲリラ戦を展開すれば、戦争は長引きます。
この辺り、ウクライナ戦争を見ると、よくわかりますが。
もちろん、台湾有事が起こると、日本にとって非常にマイナスで、西南諸島が危機に陥り、シーレーンが止められて、物資が日本に入らなくなる可能性があります。
まあ、この薛剣とのやり取りも、本当にどうなるか、なんですが、今までと同じことをやっていたら、間違いなく、高市政権の支持率は下がるでしょう。
もう中国に遠慮する政権には、国民の多くが飽き飽きしているんです。




