表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/67

第48回 変わった兵法者たち

 今回、取り上げるのは、ズバリ「変わった兵法者」。


 戦国時代、漫画「花の慶次」でも描かれたように、「傾奇者かぶきもの」と呼ばれた、奇抜な格好をした派手な芸人みたいな人たちがいたんですが、武芸者の中にもいました。


 そんな彼らの何人かを紹介します。


夢想むそう権之助(ごんのすけ)(生没年不詳)

 江戸時代初期の武芸者。彼のすごいところは、嘘か誠か「生涯一度も負けたことがない」と言われた、あの宮本武蔵に勝ったとされる物。ちなみに負けたとされる説もあるそうです。

 もっとも、これらについても結構、眉唾物だとは思いますが。


 神道しんとう夢想流杖術の流祖と言われており、「天下無双」の旗を掲げて、諸国を歩き回って、武蔵と戦ったとされています。

 もっとも、史料的にはほとんど残ってないので、謎が多いですが。

 大体、名前からして偽名っぽいですしね。


②松林蝙也斎(へんやさい)(1593~1667)

 上記の夢想権之助の弟子と言われるのが、松林蝙也斎。「蝙」というのは、「蝙蝠こうもり」のことを指します。

 本名は永吉ながよし。夢想願流という流派を編み出したとされています。

 彼はある時、江戸城において将軍・徳川家光に剣技を披露する機会を与えられたそうです。


 この時、永吉は門人を相手に組太刀を立合ったほか、相手の太刀の棟に飛び乗り宙を舞うなどの奥義を披露し(夢想願流には、「足譚そくたん」という相手の太刀を足で踏み落とす術があるとされる)、家光は「身の軽きこと蝙蝠の如し」とその技量を讃えたといい、これを誉れとした永吉は以後は蝙也斎と名乗ったとされています。


 その後、仙台藩の伊達忠宗(伊達政宗の子)に仕えたと言われています。

 確か漫画「るろうに剣心」にも彼をモチーフとしたキャラが出てたような。


③松山主水(もんど)(?~1635)

 同じく漫画「るろうに剣心」の鵜堂うどう刃衛じんえのモデルになった人物で、二階堂平法という兵法を使ったと言われています。

 本名は大吉だいきち、あるいは源之丞げんのじょうとも。


 この二階堂兵法の秘伝に「しんの一方」という技があり、これが一種の金縛りだったようで、技を受けた人は、動けなくなったとか。


 肥後国(現在の熊本県)の細川忠利に仕えたと言われていますが、「心の一方」を使う松山主水は、かなり傍若無人だったそうで、「心の一方」で恐れられたことの反感もあったらしく、主水は大坂から船で帰国する際に家中のトラブルに巻き込まれ、忠利の父・三斎が激怒。主水の暗殺を命じたそうです。


 寛永12年(1635年)10月、主水は光円寺で運悪く、病気で臥せっていたところを、三斎の命を受けた荘林十兵衛によって暗殺されますが、その時、布団の上から刺されて亡くなったそうです。


④【番外編】佐々木小次郎(?~1612)

 宮本武蔵と巌流島で戦ったことで有名な、佐々木小次郎。「巌流」という流派を使い、「燕返し」という技を使ったとも、物干し竿と呼ばれる長い刀を使ったとも言われていますが、実は出自からしてよくわかっていません。


 越前国(現在の福井県)の盲目の武芸者、冨田とだ勢源せいげんの弟子とも、その富田勢源門下の鐘捲かねまき自斎じさいの弟子とも言われており、初めは安芸国(現在の広島県)の毛利家に仕え、後に小倉藩の細川家に仕えたとされています。


 そして、物語では大体、美形のイケメン剣士に描かれることが多い、佐々木小次郎。

 しかし一説には、巌流島の戦いの時、小次郎は70歳を越えていたとも言われています。


 武蔵はその時、29歳くらいだったので、40歳以上も年上だったとすると、体力的に結構な不利と言えなくもないですが、真相はわかりません。


 ということで、なかなかマニアックな兵法者たちでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ