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第25回 三国志と日本

 最近、真・三國無双ORIGINSというゲームが、PS5で発売され、好評を得ています。PS5を持っている私は、早速プレイしてみました。


 確かにゲームとしては非常に面白いです。私はこのシリーズを初代からずっとやっているので、キャラが少なくなり、物足りなさは感じますが、全体的にアクションが洗練されて、よくなったと思います。


 今回は、その『三国志』について。


 中国の後漢末期(180年代頃)から数十年に渡って描かれ、魏・呉・蜀の三国が争うというのが三国志の概略ですが。


 よく知られている、いわゆる『三国志』というのは、明代(1368~1644年)に羅 貫中(らかんちゅう)という人が書いた小説『三国志演義』として成立したもの。


 一方、蜀の家臣だった陳寿ちんじゅが書いたのが『三国志』という歴史書。


 一般には、『三国志』を『正史』、『三国志演義』を『演義』と言って区別します。

 つまり、ぶっちゃけて言うと、『三国志演義』は史実を元にした、パロディーに近く、「ありえない」という展開も盛り込まれています。


 では、その三国志が日本に伝わったのはいつか?


 実は、正史『三国志』が伝来した正確な時期は不明だそうですが、平安時代頃には入ってきていたとか。


 その証拠に、平安時代にはすでに「董卓とうたく」など、三国志の人物が日本の史書に出てくるそうです。


 そして、武家政権が誕生する鎌倉時代以降、武士の間で本格的に広まります。元々、三国志自体が、「戦争」を主とする物語ですからね。


 ただ、一般大衆には全然知られてなかったわけです。


 それが一般に知られるようになるのは、江戸時代。


 五山の学僧や江戸の漢学者は、主に朱子学しゅしがくに基づき『三国志』の人物を論評したと言われています。

 また、徳川家康の家臣だった林羅山はやしらざんは慶長9年(1604年)までに『通俗つうぞく演義三国志』を読了したと言われています。また、元和2年(1616年)に徳川家康の遺志により駿府の文庫から水戸藩・尾張藩へ移された書籍の内に『演義』があったとも言われています。


 『演義』の日本語訳は、元禄2年(1689年)~ 元禄5年(1692年)に刊行された湖南文山こなんぶんざんの『通俗三国志』が最初だったと言われています。


 演劇においては、それより前の江戸前期から三国志が題材として取り上げられています。寛文・延宝年間(1670年 - 1681年)には浄瑠璃『通俗傾城三国志』が上演されており、その後、歌舞伎でも上演され、庶民の間にも広まります。


 明治になると、三国志をベースとした時代小説が見られるようになります。


 戦後の三国志ブームの礎となったのは、新聞小説として『台湾日日新報』などに連載された吉川英治よしかわえいじ『三国志』で、これがかなり詳細に描かれました。


 その後、横山光輝(みつてる)の『三国志』が漫画として敢行され、私は学生時代にこれを借りて全巻読みました。


 そして、昨今の『蒼天航路そうてんこうろ』や『三国無双』のブーム。


 まあ、ある意味、『三国志演義』自体が、パロディーみたいな部分があるので、『三国無双』もありえないシーンがあったりしても、あくまでも「物語」と割り切れば面白いわけです。


 もっとも、関羽や張飛、諸葛亮などはほとんどイメージが固定化されており、そこを大幅に変えると、ファンから苦情が来るでしょう。


 ちなみに、私は日本人的に、判官びいきな一面があるので、「蜀」好きで、好きな武将は、関羽とか趙雲ちょううんとか、諸葛亮ですね。


 確か『三国無双』シリーズの元々の主人公も趙雲だったと思います。恐らくあの「長坂ちょうはんの戦い」をベースにしたんでしょうね。まさに文字通りの「一騎当千」を体現してますからね。


 なお、三国志をよく知っている人は、知っていると思いますが、魏・呉・蜀による三国の争いの終結は、実はかなり悲しい物で、報われない結末になっています。

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