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メッセージ

 数年前にお祭りで掬ってきた金魚が、元気に泳いでいる。ブクブクと上がる酸素の泡が午後の日差しに煌めいている。日が短くなってきている。窓の外には枯れ葉も見える。


 この金魚を買った年のお祭りに行ったグループは、いつのまにかバラバラになってしまった。今となってはもう、どこで何をしているのかさえわからない。


 今年はお祭りに行かなかった。数年ぶりに再開されたお祭りもあったのだが。体調を崩して仕事を辞めざるを得ず、引きこもりがちの日々だ。鮮やかな赤い小魚が、すいすいと細い体を走らせるのを見ていると、自然に頬が緩むのを感じた。


 メッセージアプリの着信音が鳴る。


「久しぶり。どうしてる?今年はお祭り行った?」


 誰だか覚えていない人から、メッセージが来た。


「こんにちは。お祭りは行ってない」


 無難な返事をする。更なる返信はなかった。



 それきりまた、数年が過ぎた。金魚はだいぶ大きくなった。


お読みくださりありがとうございます

こちらが最終話です

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― 新着の感想 ―
[良い点] ∀・)色んな楽しみ方ができる作品ですね。1つ1つのおはなしが短いのですが、そこに書かれているのは確かな心を持った情景。酔いしれました。 [気になる点] ∀・)これは1つ1つが別々の人物がみ…
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