表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

47/48

03

「こ、これ」

 ハメられた。私は直感する。所々で態度に疑問を抱く事があった。それをスルーしてしまっていたけど、その疑問は的を射ていた。

「まだ理解が及びませんか」

 心底楽しそうにスーが微笑む。いや、黒い笑いを浮かべる。

「ふふっ、サワ様に、優王となってもらうために、ちょっとだけ僕が動いただけですよ」

 まさにそれは悪役が最後の最後に種明かしをするように、スーが語り出す。

「最初出会った時、僕は驚きましたよ、人間なのに襲ってこない、しかも、自分は人間じゃないって、そのまま去っていった」

 私は思い出す。最初に見かけたスライムはスーだったのか。スライムは外見に違いがない。見てもわかる訳がなかった。スーは私を見て、面白そうにクスリと笑う。騙された。

「僕は興奮しました、もし本当に、完璧な人間の姿のモンスターなら、穏健派に取り込めれば大きな助けになると」

「でも、魔王軍の可能性だって」

「無いですよ、僕の態度を見れば穏健派だと分かったはず、それで襲ってこなかったので、少なくとも魔王軍ではないと確信できました」

 確かに最初見た時、怯えて後ずさっていた。魔王軍だったら、こいつ穏健派だなって分かると思う。あの時、スーを消し飛ばしておいたら、こんな事にならなかったのか。物騒な考えが頭を過る。

「それから、サワ様を尾行し、街に入って行くのを見ました」

「つけられていたのか」

「浮かれている様子だったので、簡単でしたよ」

 あの時は完全に油断してた。なぜ、警戒を解いてしまったんだ。後悔先に立たずだ。

「さすがに僕はモンスターなので街には入れません、なので出てくる前に、準備を済ませました」

「準備?」

「初めて、僕と会った時のシーンですよ」

 憎たらしく初めての部分を強調して言うスー。初めてじゃないって、さっき自分で言ったじゃん。私は悔しさにまみれながら、スーがイジメられていた場面を思い出す。

「あれ? よく考えたら、スライム同士だからって、攻撃があんなにノーダメージなのかな?」

「ッ!」

 スーが私の声をマネて言った。私が言おうとした事を、見透かしたようだった。

「そうですよ、最弱モンスター、スライムだって、攻撃すれば、ノーダメージではありません、あれは演技です」

 またもや、スーの黒い微笑を浮かべる。いや、確かにイジメらしくなかった。じゃれ合ってるように見えなくもなかった。

「イジメられてると思ってもらえるか、不安でしたが、サワ様がポンコツお人好しでよかった」

 今度は爽やかな笑顔でポンコツと言った。このスライム、腹黒スライムだったのか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ