01
私とリーヴェはギルドでお金を受け取ってから、私の家があった小高い丘に転移術で移動した。
「ここにとどまってもいいのでは」
私の言葉にリーヴェが返す。
「たぶん、魔王軍がこの辺を探すわよ」
その言葉に私はため息をつく。そうなのだ。立て続けに、ここの辺りを縄張りにしていたゴブリン一党が倒されたとなれば、最初に一応、ここを探すのが普通だ。ここに居たら、確実に命を狙われ続ける。
名残惜しく感じる私は、この丘に別れを告げる。その姿を見てリーヴェが「もっといい場所はいっぱいあるわよ」と慰めてくれた。ありがとう。
「さて、どこにいるのかしら?」
ここからは私が知らない場所だから歩いて行く事になる。風を使って大ジャンプするのも私一人ならできるけど、二人分では難しい。やっぱり歩くしかない。
「こっちだね」
私は指を指し示す。前に行った洞窟がだいたい右手方向にある。
「もう移動はしてない、一つの場所に留まってる」
「じゃあ、普通に追いつけるわね」
リーヴェがそう言うと、私の手に指を絡ませて、手を繋ぐ。はにかむようにして、リーヴェが「いきましょ」と歩き出した。振り払うほど嫌というわけではないのだけど、これはどうなんだろうと思いつつ、私もリーヴェに続く。
「そういえばさ」
「なに?」
私の声にリーヴェが不思議そうな顔で反応する。
「ついてきてよかったの? これって、モンスター側に着くような物だけど」
「私は自由な冒険者よ? 私は私の信じる事をして、信じる人に味方する」
リーヴェが満足そうに微笑んで続ける。
「だからサワに味方する、例えサワがいなかったとしても、戦いたくないと思っているモンスターを助ける、それはやりたいって思ったからやるだけ」
そもそも、私と出会わなければ、穏健派を知る事もなかっただろう。喋る事もできない訳だし。まぁ、野暮な事は言わないでおこう。
「正義感? すごいね」
「正義感なんて大層な物じゃないわ、困っている人を何とかしてあげたいじゃない、そういうやつよ」
「お人好しだね」
「サワほどじゃないわ」
何が面白いのか分からないけど、私達は見合って、笑ってしまった。良い出会いをできた気がする。
「よかったよ、リーヴェに会えて」
「私もよ、サワに会えてよかったわ」
私は少し恥ずかしくなってしまう。何を言っているんだろう。柄にもない事を。そんな事を思いつつも、まぁいいかと考えてしまった。
しばらく進んでいると、スー達にだいぶ近づいてきた。もうすぐ、合流できそうだ。




