表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/48

10

 ギルドには歩いて移動したせいで、それなりに時間がかかった。もう昼時はとうに過ぎている。今日も一日ドタバタで終わる気配しかない。私はため息をつきながら、ギルドの中に入った。

「こういう場合どうするの?」

 前の時はリーヴェが全部やってくれた。そのせいでどうしたらいいのか全く分かっていない。

「一緒に行くから大丈夫よ」

 私はリーヴェの言葉に安心して、後ろについていく。初めてここに来た時に寄った受付だ。結局全部ここに来れば良いらしい。

「朝出てたモンスターが集まっているって依頼、解決したわ」

「はい、同じ報告が複数入ってますので、状況終了となります、お疲れさまでした」

 受付の人が笑顔でそう言うと、ペコリと頭を下げた。

「それで、サワがそのモンスター集団のリーダーを倒したのよ、サワ、モンスターコア出して」

 リーヴェに言われるがまま、私はホブゴブリンのモンスターコアを受付に差し出す。受付の人が一瞬驚くと、すぐ元の笑顔に戻って言った。

「かしこまりました、ところでどんなモンスターの集団でしたか?」

「ゴブリンの群れとホブゴブリンのリーダーだった」

 受付の人の問いに私は答える。少し緊張してしまった。状況を見たら、それで間違いないと思える物なんだから、疑われる事もないのだけど。

「なるほど、どんな目的だったのか……まぁ、わからないですよね」

 苦笑しながら受付の人が言った。私は首を傾げつつ「そうだねぇ」ととぼける。実際は分かっている。ホブゴブリンの目的は私への報復。でもそんな事、正直に言えない。それに状況は意外と複雑だ。もうすべて、分からないで通すのが一番。

「それでは、これで終わりですが、他のモンスターコアはありますか?」

「私の分もついでにいいかしら?」

 リーヴェがモンスターコアを取り出しながら言った。受付の人は「いいですよ」と笑って、リーヴェからモンスターコアを受け取る。

「ではしばらくお待ちください、換金いたします」

 受付の人はそう言い残して、奥の方に引っ込んでいった。

「ふぅー」

 私は深めに息を吐く。

「緊張してたのかしら?」

「……まぁね」

 リーヴェがクスクスと笑う。

「堂々としていればバレようがないのだから、緊張なんて体力の無駄使いよ」

「そうなんだけど」

 ギルドがしっかり調査とかしてたら、このウソがバレる。そうなると面倒この上ない。飛躍しすぎた心配かもしれないが、下手したら、私が討伐依頼の対象になりかねないと思う。そうなれば、命を常に狙われる、日本にいた時と変わらない日常だ。今の段階ですでに計画がぐちゃぐちゃなのに、これ以上邪魔されたくない。

「……スローライフ、遠くなっていく」

「だから、無理よ」

 リーヴェが意地悪な笑顔を浮かべた。

「これで、実質、サワが穏健派のリーダーになったわけだから」

「なってないよ」

 私は即座にリーヴェの言葉を否定する。否定しつつも、その事実を私は実感していた。どうして、こんな事になったのか。私は肩を落としてため息をついた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ