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06

「森の中で見つけたって、言って回れば、森に留められるわよね」

「……そうだね、それが一番いいかな」

 私達は走りながら、軽く打ち合わせをする。軽く時間を稼げれば、大丈夫だろうから、その作戦で充分だろう。

「じゃあ、大丈夫だと思うけど、気を付けて」

 森に到着して、一度二人は立ち止まると、私はリーヴェに言った。その言葉にリーヴェが「危険な事ないものね」と笑う。リーヴェはもちろん、私も冒険者から斬りつけれるなんてことは無い。危険なんてまずないのだ。

「じゃあ、やろうか」

 森の中に向かって、私達はバラバラに動き始める。

「モンスターが居たぞ!、森の中心の方に見えた!」

 そんなリーヴェの声が聞こえてきた。演技かかったような声。喋り方も、声を変えようとしているから、わざとらしい感じに聞こえるんだろうか。

 毎回、同じ声で聞こえていたら、嘘を疑われるかもしれない。声色を変えるのはいいアイディアだと思う。私も声色を変えよう。

「居たぞ! 中心の方だ!」

 私も負けじと声を出した。ちらほら見える冒険者は一応、森の中心部の方に移動している。ただ、そんなバカでかい声を出せている訳じゃない。移動しながら森の全体的に、声を出して行かないといけないだろう。

「息をひそめてモンスターが隠れているぞ!」

 私は移動してはそんな声をあげて、と繰り返していく。そうしていると、時折、リーヴェの声が聞こえてくる。

「居たぞ! こっちだ!」

 ちょっと適当になりつつある、リーヴェの声に私は苦笑した。言葉の引き出しが限界に近い。それにそろそろ、冒険者たちが疑い始めるかもしれない。適当に声色を変えているけど、同じ人物が声をあげている気がすると。

「それなりに時間は稼げたかな」

 スーには私の妖力が混ざっているから、あちらから居場所がなんとなくわかるように、私からもなんとなく場所はわかる。私はスーがいる場所を確認してみた。

「……うん、まぁそれなりに離れたか」

 今も少しずつ距離が離れていっている。もう大丈夫かな。

「そろそろ、潮時な気がするし、リーヴェと合流しようかな」

 私はリーヴェの声がした方に向おう足を出す。

「いた! 見つけたぞ!」

 突然、あさっての方向から、そんな声が聞こえてきた。明らかに、男の声。リーヴェが声色を変えて、出しているのだとしたら、すごい完成度。

「いや、違うよね……でもだとしたら何?」

 逃げ遅れたモンスターがいたのか。でも、さすがにそれはないと思う。じゃあ、たまたまモンスターが居たのだろうか。そうしていると、別の声で「いた! 集団だ!」と聞こえてくる。次々と違う声があがり始めていく。

「何?」

 私は声が聞こえてくる方向に向って走った。

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