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05

「時間がない、もう行って」

 私の言葉にスーが頷く。

「サワ様、あとで合流しましょうね」

 スーがクギを刺すように言った。私は少し苦笑して頷く。ここを切り抜けたら、そのまま黙って、別の土地に行こうかと、ちょっと思ったけど、スーには私の妖力が混じっているせいで、おそらく私の居場所がなんとなくわかるはずだ。つまり、合流しなかったとしても、あっちからくるだろう。

 私達は、スー達の背中を見送る。とりあえず、余計な事を考えず、冒険者の攪乱に集中しよう。

「ねぇ、サワ」

 リーヴェがポツリと、私に声をかけてきた。私は短く「何?」と聞き返す。

「私も手伝うからね」

「でも……」

 私は一人でやるつもりでいた。人間であるリーヴェに人間を裏切る様な事させるのはどうかと思って。私の言いかけた言葉を遮るように、リーヴェが声をあげた。

「私達、友達でしょ」

 リーヴェが満面の笑みを私に向ける。

「友達だけど……人間を裏切る様なマネさせるのもなって思ったんだけど」

「さすがに、人間を殺すとかだったら手伝わないわよ? でも攪乱でしょ? 元々冒険者なんて、出し抜いてやろうって、足の引っ張り合いが横行してるんだから、裏切るに入らないわ」

 リーヴェは右手を振って、そう言った。なかなか、ドロドロとしたものがあるらしい。冒険者という人たちの間には。

「じゃあ、手伝ってもらおうかな」

「うん、いいわよ」

「ありがとう」

 私はリーヴェにお礼を言うと、自分の家を眺める。せっかくいいとこ見つけたけど、ダメだったかぁ。私は残念に思いながら自分の家に向けて、右手をかざすと、妖力に戻して、吸収する。それを見て、リーヴェが驚いた。

「家が消えたわ!」

「これ、私の……能力」

 なんか妖術はすべて私の能力という事になっているけど、まぁいいよね。

「本当に何でもできるのね」

 そのうち、時間がある時に、ちゃんと説明しよう。私の事いろいろと。

「だいぶ、時間かけちゃったから、急がないと」

「そうね」

 私は森に向かう前に、もう一度、家があった辺りを見つめる。ほとぼりがさめて、戻ってこれるようなら、ここに戻ってきたい。それなりに気に入ってたのに、ほとんど満喫していない。でも、人間の件はいいとしても、ゴブリンの件のせいで、ここの辺りには居られそうにない気がする。

「はぁ」

「サワが急がないとって言ったのよ」

 リーヴェが我慢ならずに、声をかけてくる。私がそう言っておいて、後れを取ってどうするよ。

「ごめん、行こう」

 私とリーヴェは森に向かって走り出した。

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