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 私にはそもそも、満腹という物がない。食べた物はすぐさま、妖力になる。ただ、食べなくても妖力は回復するから、食事は必要ないのだけど。そもそも、空腹もない。適度な食欲があるだけだ。ある意味、いろいろな物が際限なく楽しめるというわけだ。餓鬼に堕ちるのは嫌だから、適度にするが。

「さて、次行くわよ」

 いつの間にか食べ終わったリーヴェがそう言った。私は最後の一切れを食べて、リーヴェに続く。途中で、買った店の所で串を捨てながら、また露店の道を進む。

「あと、どれくらいいける?」

 私がリーヴェに問うと「頑張って、三種類くらい」と返ってくる。

「じゃあ、食事系一種類と、甘い系二種類って感じかな」

「良いわね」

 私の提案した方向性にリーヴェは親指を立てて、ニヤリと笑う。私もそれに倣う。そして二人は、笑い合いながら、歩いた。

「もうおわりね」

 リーヴェは少し苦しそうにそう言った。言っていたより、少し多めに食べたから。

「じゃあ帰ろうかな」

 そろそろ遅い時間になってきた。お酒を飲んでいる人たちは、帰る気配は無さそうだが、それ以外の人たちは、ちらほらと帰っていく様子が見える。

「そうね」

 リーヴェの言葉が尻すぼみに小さくなる。寂しいのかな。

「また明日もね」

 私の言葉にリーヴェが一瞬驚いたような顔をして、それから微笑みに変わった。

「うん」

「それじゃあ」

「あっ、待って」

 私が転移術を使おうとした所、リーヴェに止められる。何だろう。

「お金、忘れてるわよ……天然ね、お金稼ぎに来たのに、お金忘れるなんて」

「あぁ、そうだった」

 リーヴェがクスリと笑うと、袋から一掴みほどお金を抜き取って、残った分を渡してくる。

「え、多くない? 半分でいいよ」

「ダメよ、ゴブリン倒したのサワでしょ、これでも私の取り分が多すぎるくらいよ」

 少し、強引にお金の入った袋を渡されて、私は受け取る。

「じゃあね、また明日、家に遊びに行くわ」

 有無を言わさない勢いで、手を振りながら、リーヴェは走っていってしまった。

「どっちが律儀だか」

 サラッと半分持って行ってもよかったのに、律儀である。私も、リーヴェも。

「さて、帰るか」

 私は、暗隠術と転移術を使って、家に戻ってくる。さすがにもうスライムたちはいなくて、ちょっと安心した。

「いろいろ大変だったけど……まぁ最後は楽しかったから、よしかな」

 楽しかった。気恥ずかしいが、友達と遊べたのは本当に。今までそんな事できなかった。ここに来てよかった。

「また明日……ね」

 会うのが楽しみというのいいな。今までは、もう来ないでとしか思えない相手ばかりだったから。

今日は早いですが終わります!

明日から3章を8時と17時の2回投稿で進めていきます!

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