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二人はモンスターコアを集め終え、家に戻ってくる。私の姿を見てスライムたちがざわついた。結果が気になるのだろう。私は全員に聞こえるように大きい声で言った。
「安心して、もうあのゴブリンたちは、穏健派には手を出さない」
少し真実を濁して私は伝えた。なんとなく殺したというのは物騒な気がして。意味は間違っていない。それを聞いたスライムたちが、ホッと力が抜けたように見えた。
「モンスターに感情あるのを忘れてたわ」
スライムたちの安心した雰囲気を感じたのか、ポツリと、リーヴェが呟く。なんとなくわかる気はする。肉を肉としか、思わなくなっていたりするのに近い気がする。肉にも元は感情があったのだ。
「サワ様」
スーがスライムの団体から、抜け出して、私の元にやってきた。後ろに先ほど会ったコボルドも一緒だ。
「ありがとうございました」
「いや、大丈夫」
ちょっとやってしまった感があって、大丈夫とは言えないがと、そんな事を私は思う。ちょっとだけ後悔している。
「とりあえず、もう用はないよね」
「あっ、コボルドの……コルさんっていうらしいんですけど、そろそろ帰ると」
私が連れてきておいて、何も構う事ができなかった。なかなか申し訳ない事をしたな。
「ごめんね、おもてなしもできず」
「いい、気にしない……今日は来れてよかった、また来ていい?」
「いいよ、また来てね」
「ありがとう」
コルはペコリと頭を下げると、体の向きを変えて、歩き出す。私とリーヴェが「気を付けて」と声をかけて手を振ると、コルは歩きながら上半身だけ振り返り手を振った。
「さて、私達も早くギルドに行くわよ」
「あっ忘れてた」
もう空が赤くなり始めている。いつの間にか夕方だ。
「私達ギルド行ってくるから、スー達もそろそろ、帰りなよ」
「……はい」
なんだその間は。私はスーの返事が気になりながら、リーヴェを掴んで、暗隠術を使う。人が多い所に転移する時は、暗隠術を使いながら転移する事にしている。見られれると大騒ぎだからね。この世界では分からないけど、念のため。
「じゃあ、転移するね」
リーヴェが頷いたのを見てから、私は転移術を使う。場所は街の門の外。
「さて、ついた」
「どうせなら、ギルドの前に行けばいいじゃない」
リーヴェは不思議そうな顔でそう言った。転移術の原理を知らないと出てくる当然の考えだろう。どう説明しようか。
「そういえば、洞窟行くときもそうよね、歩いていかなくても、この技使えば良かったような気がするわ」
私がどう言うか考えていると、リーヴェが矢継ぎ早に言葉を続ける。
「時間がもったいないし、歩きながら説明するよ」
私はギルドに向かって歩き始める。リーヴェもその隣に来た。




