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「何とか……ね」

 表立っては言わないけど、つまりは始末してくれないかという思いが込められている気がする。魔王軍には言葉ではダメだろう。

「話をしてくるよ」

 それでも、スローライフを送りたいから、私は話し合いを選ぶ。すでに片足を突っ込み始めている感は否めないけど、ここから修正をしてみせる。

「どこにそのゴブリンたちはいるの?」

「ここから南に進んでいった洞窟にいるみたいです」

「分かった」

 スーの言葉に私は頷く。正直、どこか分からないから、そっちの方に移動して、探すしかない。

「どういう状況なの?」

 すでに回復したらしいリーヴェが説明を求めてきた。私は状況を説明する。

「それは許せないわね、私も行くわ、サワだけじゃたどり着けないだろうし」

「確かに、たどり着けない、リーヴェは場所分かるの?」

「たぶんわかるわ、行きましょう」

 リーヴェが先導として歩き出す。私はみんなに「ちょっと行ってくる」と言ってから、リーヴェに続く。

「やっと二人でモンスター討伐ね」

「いや、戦わないから」

「無理よ、討伐するしかないわ、話を聞くわけないじゃない」

「まだ……分からない」

「諦めなさい、ふふふ」

 リーヴェが勝ち誇ったように静かに笑う。くそぅ。なんとか穏便に納めてやる。やいのやいのとリーヴェとやり取りを続ける。そんなやり取りを続けていくうちに、いつの間にか、自分の怒りは抑え込まなくても良くなっている事に気付いた。自分でも知らないうちに。あのまま一人で行ってたら、怒りのままに、ゴブリンを虐殺するだけだったかもしれない。

「ありがとうね」

 リーヴェは不思議そうな表情を浮かべる。自覚は無くても、私の怒りを納める役をやってくれた。感謝しないと。怒り狂うのは一番の悪手である。私はそれを身をもって体験している。

「スローライフに向けて頑張る」

 私はなんとなく決意表明する。それを聞いてリーヴェが反論してきた。

「だから無理よ、状況を見なさいよ、穏健派に頼られて、好かれて、サワ自身もお人好し、これはもう、確定でトラブルの日々よ」

 この子は嫌な予言をしやがる。何がいけなかったのか。最初に何かきっかけがあったはず。私はそんな事を考えていると、リーヴェが声をあげる。

「到着したわよ」

 立ち止まった私達の前には洞窟の入口があった。大人三人ぐらいが、横並びで入っていけるぐらいの入口。風の流れはないから、たぶんどこかに、繋がってるタイプじゃなくて、空洞になっているタイプの洞窟だろう。

「ここかぁ」

「南というと、ここしか洞窟は思い当たらないから、たぶんあってるわ」

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