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「穏健派……初めて聞くわ、過激じゃないって事かしら、言葉の意味からして」

 リーヴェが私に問いかける。私は穏健派ではないから、詳しくは知らないのだけど、リーヴェと同じ意味と平和な感じに捉えていた。たぶんおおよそは間違いではないと思うけど。私はリレーの様に、スーに視線を送る。

「……ちょうどいいので、そのあたりを整理しましょうか」

 スーがそう言って、言葉を切る。リーヴェには当然、スーの言葉が聞こえていない。私はリーヴェにスーの言葉をそのまま伝えていく役をやる。

「まずは魔王軍についてですが、魔王軍の目的は、人間を絶滅させてモンスターが世界を支配する事です、なので積極的に人間に攻撃を仕掛けます、魔王軍には大部分のモンスターが所属しています、というより、生まれた時から魔王軍と言う方が正しいと思います、ただ特に魔王からの精神支配のような物はありません、なので、戦いを好まないモンスターも当然います、それが穏健派でしょうか」

 スーが一旦言葉を切った。私の翻訳を待っている様だ。

「穏健派は割合としては、かなり少ないですし、僕の知る限り、弱いとされるモンスターが多いです、その中でも、特に弱い個体は戦いを好まない、逃げ回る、そうして、同じようなモンスターがいる事に気付いて、集まっていく、という感じでしょうか、ただ残念ながら、過激で強大な魔王軍の影に隠れてしまって、穏健派という存在自体、人間に知られていません、なので穏健派は魔王軍として討伐される事が多いです」

 私の翻訳を聞き終えたリーヴェが疑問を投げかける。

「穏健派の存在をアピールしないの? あっ難しいわね」

 疑問を投げかけ、自分で解決してしまったらしい。ただ今この状況を考えればすぐ解決できる疑問だった。

「一応、補足しますが、喋れるモンスターは人型に近いモンスターのみです、人型は高位のモンスターなので、我々、穏健派には僕が把握している限りいません、弱いモンスターの集まりですので、人間と穏健派では交渉は難しい……ちなみに人間にしか見えないモンスターは最高位モンスターですね」

 そこで私という、平和主義の最高位モンスターが、穏健派の救世主になり得る訳か。翻訳をしながら私は納得する。でもやるとは言っていない。そんな事したら、魔王軍からマークされるし、納得しない人間もいるだろうから、それからも狙われる恐れがある。スローライフからは程遠い日常になってしまう。

「なるほどねぇ、確かにサワみたいな人間にしか見えないモンスター初めて見たわ……というか魔王軍と穏健派は見分ける方法ないの?」

 リーヴェが問いかける。良い傾向の質問だな。見分ける方法を聞くという事は、穏健派を討伐しないように気を付けようとしている。

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