表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/48

05

「これって、目的の薬草じゃないかしら?」

 草むらの中から、雑草とは違う葉っぱの物を、リーヴェはちぎって取り上げる。

「あっ、これだね、たぶんだけど」

 私は嬉しくなって、思わず笑顔になる。リーヴェも嬉しそうにしていた。お互いそれに気づいて、二人で顔を見合わせて、また笑う。

「ふふふ、ただ薬草見つけただけなのに、こんなに嬉しい物なのね」

「それなりに時間がかかってるからね」

 実は探し始めて結構時間が経過していた。それでやっと一つ見つけたのだから、嬉しいに決まってる。

「そう思うと辛くなるわ……五つ以上だったわよね」

「そうだね」

「同じ時間かかったら、夜になるわ」

「まぁ頑張ろう、最悪、明日に持ち越しで」

「割に合わないわ」

 リーヴェが文句を言いながら、腰につけた簡易の道具袋に薬草をしまうと、捜索を再開する。私はその姿を少し眺める。今ので打ち解けられたかな。私はそう思うと、リーヴェに声をかけていた。

「ねぇ、昔、何かあった?」

「……どうしたのかしら、急に」

 リーヴェはこちらを見ずに、作業を続けたまま、そう言った。

「なんとなく、そう思ったんだよ」

 人への執着が凄い。強さへの強い憧れ。ただの性格かもしれないけど、年寄りの私から見ると、ただの性格には思えない。何かが心に陰を落としている。そんな気がする。それを取り除くのは無理でも、和らげる事くらいはできるかもしれない。

「手、止まってるわよ」

 私は急いで、作業に戻る。さすがに踏み込むのが早すぎたか。私はちょっと反省する。でも、執着具合を見ると、この早さで踏み込んでも問題無さそうと思ったけど。

「……サワって意外に、よく見てるのね」

「え?」

「私を危ないやつと思って、みんな逃げて行くけど、サワは、違ったでしょ」

「あ、うん」

「私もね、いけないなって思ってるのよ、でもなんか止まらなくて……誰かと一緒に居たくて」

 やっぱり、何かを抱えている。陰を落としている何かがある。私もタイプが違うが経験があるから、よくわかる。

 リーヴェが無言になった。手は止めていない。私も手を止めずに、リーヴェの言葉を待った。

「少し前の話になるわ」

「……うん」

「まだ私が駆け出しの冒険者の頃、あるパーティに所属していたの、みんな経験は同じくらいの、四人パーティー、弱小よ」

 私は、手を止めないように努めながら、リーヴェの話に耳を傾ける。リーヴェもこちらを見ずに、手を止めずに話していたから。

「比較的、最初から強い人間が集まったおかげで、順調に、少し早すぎるくらいに、モンスターを討伐していったわ……魔王でも倒せちゃう気がしてたのよね、その時は」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ