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 家を作って中を見て、ひとしきり喜んで、気付いたら夜。私は少し冷静になり、ベッドに体を預けて、今後の事を考えていた。のんびり過ごすための場所を手に入れたのは、あくまでスタートラインだ。やっぱりのんびり過ごすだけではなくて、生活を豊かにしたいと思う。

「やっぱりお金かぁ」

 美味しい食べ物は良い生活には欠かせない。妖創術で作れない事もないけど、でも結局自分の想像通りの味にしかならない。食べた瞬間、想像通りの味がして、楽しくないのだ。

「あれほど、虚しい物はないからなぁ」

 昔に、食べ物を作り出して食べた時、妖創術で食べ物を作るのはやめようと、誓った。人間が研究を重ねて創り出した料理には敵わない。

「お金を稼ぐ方法って何があるだろうか」

 どこかで、雇ってもらうのが、正攻法だろう。ただ、あくせく働くのは性に合わない。ペコペコするのもなんか嫌だ。一攫千金とまでいかなくても、短時間でパッと稼げる方法は無いだろうか。

「そうなると、ギルドで依頼をこなすのがいいのかなぁ」

 ただ、ギルドにはリーヴェが、うろついているだろう。執念深そうな気がする。体が勝手に身震いをする。それに、冒険者になる気はない、と言ってしまった。別にその言葉を守る必要なはいが。

「なんとなく行きづらい、いろいろ重なってしまって」

 私は悩む。モンスターを討伐するのは避けた依頼を受けようか。結局お金はあった方がいい。くよくよ悩むのも、らしくない。

「よし、決めた、ギルドに行こう、モンスター討伐系は避けて、お金を稼ごう」

 そうと決めた。

「寝よう」

 鳥のさえずりが聞こえてきて、私は目を覚ました。いや、正確に言うと、それだけが目を覚ました理由ではない。異様な気配を感じたのだ。殺気をおびた物ではないから、誰かが殺しにやってきたわけではないと思うけど。

「何だろう」

 私はベッドから這い出して、家の外に出てみる。

「なっ」

 これは一体どういうわけだ。私の家の前に、大量のスライムがいた。二十体ぐらいはいそうだ。何がどうなってこんな事になった。私は、ふと昨日、出会ったスライムを思い出す。元凶はあいつか。そうに違いない。あんな簡単に信じた私がバカだった。

「スー! いるの?! スー!」

「はい!」

 沢山いるスライムの中から、一体が私の前に進み出た。

「これはいったい、どういう事?」

「はい、実は、みんな穏健派のスライムで、サワ様の話をしたら、みんなお目にかかりたいって、聞かなくて」

 スーは申し訳なさそうな雰囲気を、目一杯醸し出す。なんだろうか、ただ疑いの心があるからそう感じるのか、無性に演技っぽさを感じざる負えない。

「もぉぉ! 私のスローライフを奪わないでぇぇぇ!」

 私は冷静さを欠いて、そう叫んでしまったのだ。

今日はここで終わりです!

明日朝8時から2章を1時間ごとに投稿していきます!

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