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私は妖創術を使う。妖力で物を具現化、固定化する術である。私が死ぬか、私自身で妖力を回収しない限り、消えない。本来は武器を作るために使う妖術だったりする。つぎ込んだ妖力は、固定されて残る、そして、消費した分の妖力は回復する。つまり、全妖力をつぎ込んだ武器を作っておけば、単純に妖力を二倍にして持てるという事だ。私はこれで武器を作った事なんてないが。今回は家を作り出す。
「うわっ、突然家が! 魔法ですか?!」
スーが驚いて、叫ぶように聞いてきた。少し興奮気味。
「まぁ、魔法みたいな物かなぁ」
実際は妖術だけど、説明が面倒だからしない。魔法を知らないけど、たぶん同じような事ができるでしょ。
「今日からここに住む」
私は自分で作り出した力作の家を眺める。バンガローという物にしてみた。丸太を並べたように作った家。小高い丘にマッチしている。
「今日の所はこれで」
「あの」
私が家に入ろうとした時、スーが遠慮気味に声をかけてくる。私は振り返って、スーを見た。何だろう。穏健派の指導者の話か。私は少し身構えてスーの言葉の続きを待つ。
「遊びに来てもいいですか?」
私はスーの真意を測りかねる。ただ単純に慕ってくれているだけだろうか。私の考えすぎ、警戒しすぎが、変な勘繰りを生んでいるだけだろうか。少し、疑いすぎたかな。私は少し反省をしつつ、スーに向かって言った。
「いいよ、遊びにくるくらいなら」
私は一応、遊びという言葉を強調して言う。厄介事を持ってくるのではなくて、遊びなら大歓迎。
「ありがとうございます!」
スーが嬉しそうにぴょんぴょんと飛び回った。なんだ無邪気なだけの良いモンスターかもしれない。私は少しスーへの評価を改めながら、家の扉に手をかける。
「それじゃあ、またね」
「はい」
スーに別れを告げて、私は家の中に入った。私はウキウキしながら、家の中を見て回る。もしかしたら、上手く作れてない所があったら、手直しするつもりだ。でもずっと想像して、憧れた、イメージだったから完璧に細部まで作る事が出来ている。
「あぁ! やっとだ!」
私は万歳をする。やっと始まるのだ。
「私のスローライフが始まる! のんびり暮らせる! 襲われない!」
なんと気分が良い事だろう。今日から夜はゆっくり眠れる。襲われる事を心配しながら、結局寝ないという事をしなくても、睡眠を楽しめる。人間の祭りとかに参加しても、途中で邪魔されない。あぁ、なんてすばらしい日々だろうか。それが今日から始まるのだ。
「スローライフ開始だぁ!」




