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俺がこの状況を切り抜けるいくつかの方法

作者: 妄想爆発学生

「どっちを選ぶの!」


「早くして下さい!」


 簡潔に状況を説明しよう。俺は女子二人に迫られている。

 片方は美人の幼馴染み。もう片方は学校一の美少女後輩である。


 ぱっと見俺が女を誑かした糞野郎のように見えると思うがこれだけは断言しよう。


 俺は悪くない。


 まず下駄箱に手紙が入ってた。内容はなんかいろいろまどろっこしいので要約すると放課後屋上に来てくれとのことだった。ついにモテ期到来かとニヤニヤしながら教室に行くと、机の中にも手紙が入っていた。これも屋上に来てくれとのことだった。放課後。


 要はあれだ。2つとも告白される場所と時間が完璧に一致していた。


 正直自分でも意味が分からない。俺は昨日まで普通に高校生活を謳歌するクラスの片隅のインキャだった筈だ。当然ラブコメによく出てくるようなイケメンでも勉強が出来る奴でもない。トラックに轢かれそうな猫を助けたわけでもなければ昔イジメらっれこを助けたい覚えもない。つまりーー、


 なんで?

 当の本人であるこの俺がこの状況を全く理解できていないのだ。


 こういうとき俺はどうすればいいのか。今も尚幼馴染みと美少女後輩は俺をにらみつけて決断をせかしている。なにを、どうしろと。


 俺が屋上についてあたふたしてる間に冒頭のあれだ。意味が分からん。

 とにかくこの状況をどうかしなければ。


 どうする?

 1,この場から逃げ出す

 2,てきとーにどっちか選ぶ

 3,取りあえず何が起きてるか話を聞く


 ふむ、どうするべきか。1,に逃げ出すがある時点で俺のへたれっぷりが分かると思うが。

 というか幼馴染みはともかくとして美少女後輩とは接点がないような・・・。


 美少女、金髪ポニテ、校則ギリギリなスカートの丈、めっちゃ白い肌。俺より1頭身は低い身長。あとどこがとはいわないがデカイ。正直に言うなら俺の好みドストレートである。ああ、ドストレートである。ドストレート過ぎて怖い。やべぇ自分でも驚くほどヘタレだ。


 ていうかほんとに誰だ。こんな美少女学校にいたら俺の方から告白・・・しねぇわ。俺へタレだわ。


 ともかく逃げようとしたら運動神経抜群、陸上部のエースである幼馴染みにとっ捕まえられる未来が見える。俺も帰宅部の中ではトップクラスに足が速い自信はあるがあいつほどではない。ともかく1は却下である。


「私幼馴染みだから一緒にお風呂ことあるもん!私の方が凄いわよ!」


「貴方は先輩の好きな物や嫌いな物、体中のほくろの数を知っているんですか!嫌いな物はトマトですよ!トマト!いつもは冷静沈着で何でもこなしちゃうのに嫌いな物はトマトです!ギャップ萌えです!可愛いんです!」


「なによ!」


「何ですか!」


 やべぇヒートアップし始めた。取っ組み合いを始めてやがる。

 というか好きな物と嫌いな物の話から体中のほくろの話にいくの怖すぎだろ。ストーカー系美少女後輩だったか。てか幼馴染みよ。一緒にお風呂入ったのは何年前の話だよ。


 まぁそれはともかくとして・・・。


 どうしろと。


 いや、まだ俺の中には2つの選択肢が残っている。

 2のてきとーに選ぶ、なかなかに屑である。顔と体だけで選ぶならストーカー系美少女後輩にギリ軍配が上がるが、性格だけなら断然幼馴染みである。胸無いし黒髪ストレートだし胸無いけど。


 極論、顔か性格か。である。


 そもそも何で俺がラブコメの主人公のような立ち位置にいるか。

 これが判らない。正直誰か変わってもらえるなら全然変わってもらいたい。むしろ変わってほしい。

 怖い。足がガクブルいい始めてるし、覇気が尋常じゃねぇ。本当に誰か助けてくれ。


 現実から目を背けるために目を瞑ること数十秒。やはりこれは現実であることを再認識させられた。若干ストーカー系美少女後輩が優勢といったところか。勝負はまだ分からない。


 そもそもあいつ黒帯持ってたはずなんだが?何故ストーカー系美少女後輩が張り合えているのか意味が分からない。ともかく2は却下である。黒帯を持っていて運動神経抜群な幼馴染みと、その幼馴染みと同等以上に張り合っている美少女。


 どっちかを選んだ瞬間俺が即滅殺される未来は避けたい。


 つまり残った選択肢はーー、


「そもそも俺なんで呼ばれたの?」


 これだ。わざとKY(空気読めない糞野郎)を演じる!これしかない。

 大丈夫だ。漫画や小説の中では主人公(女にかまける糞野郎)はこれで大体場を乗り切っている。これしかない。どうにかなr--、


「「は?」」


 らないのが現実である。取っ組み合いをやめ、同時にこっちを向いたーーー。


 選択肢間違えた。悪い母さん俺死んだわ。天国で待っているはずの父さんもこの死因には納得しないだろう。俺も納得したくない。女の子に刺されて死ぬとかーー、


「私が車に轢かれそうになったときにあなたが突き飛ばして助けてくれたんですよ!?あなただけ!人はいっぱい居たのにあなただけが助けてくれたんです!」


「は?」


「小さい頃にした約束忘れちゃったの・・・?」


「は?」


 あーー。うん?あ、俺事故に遭った気がする。原因は同じ高校の後輩を助けるためとかなんとかで。

 あれ、俺なんでこんな大事なことをーー、『幸い目立つ損傷ないけど頭強く打ったからね~。記憶の方大丈夫?名前は住所はーー』・・・・。突然俺を診察した医師の言葉がフラッシュバックした。


 つまりーー、


「ぐすっ」


「うう・・・」


 俺が2人の女の子を泣かせるラブコメ特有の主人公(糞野郎)だったわけだ。


「ここから・・・どうしよう・・・。」


 これがさしあたっての問題であった。





『主人公』←ストーカー系美少女後輩を庇って一部の記憶が抜け落ちる。屑、ヘタレ

『幼馴染み』←大人になったら結婚しようねと主人公と指切りをしていた。結果忘れられてる。一途

『美少女後輩』←自分を突き飛ばしてくれた主人公に格好いいなぁと好意を寄せている。結果突き飛ばされたことすら忘れられてる。美人←どっかのお嬢様という設定がなんかできてる(人の愛に飢えている)


感想くれたら凄い嬉しい





※誤字直しました

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― 新着の感想 ―
[一言]  読ませていただきました。  面白かったです。  幼なじみに可愛い後輩、どちらを選ぶか究極の命題っ(笑)。  ちょっとやんちゃ感じの後輩が、主人公に助けられて後、ストーカーばりに一途になる…
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